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労働者派遣事業の損害賠償

著者 uttchi_3 さん

最終更新日:2018年08月28日 13:53

労働者派遣事業の損害賠償について質問します。

派遣社員のリフトマンが業務中に物損事故を起こしましたが、派遣元契約の内容を盾にして、損害賠償に応じようとしません。

所謂、派遣先の指揮命令下の物損事故だから応じられないと言うのです。
業務中は当然派遣先の指揮命令下とうことになるでしょうが、重大事故が発生した場合でも指揮命令下だから損害賠償に応じられないと言われても致し方ないのでしょうか?

基本契約書損害賠償の条文は「派遣業務の遂行において、派遣労働者が故意または重大な過失により甲(派遣先)に損害を与えた場合、乙(派遣元)は甲に法律上の損害賠償を負うものとする。
ただし、その損害が指揮命令者その他甲が使用する者の派遣労働者の指揮命令等(必要な注意・指示をしなかった不作為を含む)により生じたと認められる場合はこの限りでない。」
とありますが、この内容は労働者派遣基本契約書によくある一般的な内容です。

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Re: 労働者派遣事業の損害賠償

著者村の平民さん

2018年08月28日 18:03

著者 uttchi_3 さん最終更新日:2018年08月28日 13:53について私見を述べます。

① その契約書の文言に相違なければ、派遣元の主張が正しいと考えます。

② 質問文に「重大事故が発生した場合でも指揮命令下だから損害賠償に応じられないと言われても致し方ない」のか、と有りますが、重大事故か軽微な事故かの区別は契約書上では見えません。

③ uttchi_3 様は、本件は派遣された労働者に「故意または重大な過失」が有ったと言っておられないので、契約によれば派遣元損害賠償責任が無いと言えます。

④ なお、「重大な過失」とは、事故の結果の損害額の大きさに拠るのではありません。誰でも当然と考えられるような少しの注意を怠った結果、損害を生じたことを言います。
 例えば、風邪の吹く日に焚火をした跡を全く顧みず、焚火の後始末をしないで他所へ行ってしまったような場合です。その結果が、近くのゴミ捨て場だけに燃え移ったか、その町の大火になったか、その区別を言うのでは有りません。

⑤ その派遣労働者に、重大な過失があれば、派遣元に請求可能と考えます。
 しかし、請求するためには、「重大な過失」が有ったと証明できなければなりません。

⑥ また、「派遣社員のリフトマンが業務中に物損事故を起こし」たのであって、派遣先従業員の指揮命令下にあったと考えられます。
 派遣先従業員が、直接的に物損事故を起こすような作業命令を派遣労働者にしたとは考えにくいですが、包括的には派遣先従業員の命令下にあったはずです。

⑦ 以上のことを総合すると、派遣元損害賠償責任があるとは考えません。

⑧ 納得できなければ、弁護士に相談することを強くお勧めします。

Re: 労働者派遣事業の損害賠償

著者uttchi_3さん

2018年08月29日 10:38

村の平民さん、ご返答ありがとうございます。

> ⑦ 以上のことを総合すると、派遣元損害賠償責任があるとは考えません。

分かりました。


> ④ なお、「重大な過失」とは、事故の結果の損害額の大きさに拠るのではありません。誰でも当然と考えられるような少しの注意を怠った結果、損害を生じたことを言います。

(8)重大な過失とはリフトの運転資格がないとか酒帯運転していたとか暴走に近い運転をしていたとか、常識を外れた行為があった場合ではないでしょうか?

> ⑤ その派遣労働者に、重大な過失があれば、派遣元に請求可能と考えます。
>  しかし、請求するためには、「重大な過失」が有ったと証明できなければなりません。

(9)例えば、フォークリフト操作時の厳守事項として、構内速度は10km以内、バックする時は後方確認を必ず行う等の誓約書を書かせるなどの対策は有効でしょうか?

(8)(9)についてアドバイスをいただければ幸いに存じます。

Re: 労働者派遣事業の損害賠償

著者boobyさん

2018年08月30日 18:44

> 村の平民さん、ご返答ありがとうございます。
>
> > ⑦ 以上のことを総合すると、派遣元損害賠償責任があるとは考えません。
>
> 分かりました。
>
>
> > ④ なお、「重大な過失」とは、事故の結果の損害額の大きさに拠るのではありません。誰でも当然と考えられるような少しの注意を怠った結果、損害を生じたことを言います。
>
> (8)重大な過失とはリフトの運転資格がないとか酒帯運転していたとか暴走に近い運転をしていたとか、常識を外れた行為があった場合ではないでしょうか?
>
> > ⑤ その派遣労働者に、重大な過失があれば、派遣元に請求可能と考えます。
> >  しかし、請求するためには、「重大な過失」が有ったと証明できなければなりません。
>
> (9)例えば、フォークリフト操作時の厳守事項として、構内速度は10km以内、バックする時は後方確認を必ず行う等の誓約書を書かせるなどの対策は有効でしょうか?
>
> (8)(9)についてアドバイスをいただければ幸いに存じます。
>

村の平民さんとのやり取りに横やりを入れるようで恐縮ですが、御社は派遣社員の受け入れに当たり、教育訓練は行わないのでしょうか。

弊社も物流業務を一部委託しておりますが、フォークマンについてはまず資格の有無の確認をしますし、社内ルールについては、弊社の監督下で研修をします。

制限速度やバック走行時の確認など基礎的な事柄のほかに、通常の段積み数と繁忙期の最大段積み数、荒天時の注意事項のように企業ごとに違う条件があるはずです。これらは口頭ではなく、文書化して必要時には確認できる方がよいし、実地研修の必要もあるはずです。

弊社では研修終了時に教育訓練記録を作成し、内容に間違いないことを派遣社員および当社社員が双方確認し、サインまたは捺印して安全管理者に提出します。必要に応じてコピーを派遣会社にも提出しします。

もし、派遣社員に教育を行わずそのまま業務に就かせてその挙句に事故となったのなら、御社にも責任があると思います。また、誓約書を書かせるより、ちゃんと教育し、その結果を記録に残すほうが双方にとってより有効だと思います。いかがでしょうか。

Re: 労働者派遣事業の損害賠償

著者村の平民さん

2018年08月30日 20:54

著者 uttchi_3 さん最終更新日:2018年08月29日 10:38について私見を述べます。

① ⑻と⑼については同感です。

② ⑻については、その者がリフトの運転資格を所持することを貴社が最初に確認する必要もあります。
 その確認を怠っていたならば、一方的に責任を追及できません。

③ ⑼については、フォークリフトのバックギヤを入れたら自動的に警戒ブザーや回転警告灯が点くようになっていなければなりません。
 もし、それらの装置に不具合があれば貴社の責任は免れません。

④ 前記②、③とも、その事業場で労働する貴社の労働者の安全を守るためにも必須の事項です。

Re: 労働者派遣事業の損害賠償

著者uttchi_3さん

2018年08月31日 08:38

boodyさん、ご返答ありがとうございます。

> 村の平民さんとのやり取りに横やりを入れるようで恐縮ですが、御社は派遣社員の受け入れに当たり、教育訓練は行わないのでしょうか。


2年前に外部従業員による人身事故がありましたので、社員を含めて、全員の教育をしたことがあります。

>
> 弊社も物流業務を一部委託しておりますが、フォークマンについてはまず資格の有無の確認をしますし、社内ルールについては、弊社の監督下で研修をします。
>
> 制限速度やバック走行時の確認など基礎的な事柄のほかに、通常の段積み数と繁忙期の最大段積み数、荒天時の注意事項のように企業ごとに違う条件があるはずです。これらは口頭ではなく、文書化して必要時には確認できる方がよいし、実地研修の必要もあるはずです。
>
> 弊社では研修終了時に教育訓練記録を作成し、内容に間違いないことを派遣社員および当社社員が双方確認し、サインまたは捺印して安全管理者に提出します。必要に応じてコピーを派遣会社にも提出しします。
>
> もし、派遣社員に教育を行わずそのまま業務に就かせてその挙句に事故となったのなら、御社にも責任があると思います。また、誓約書を書かせるより、ちゃんと教育し、その結果を記録に残すほうが双方にとってより有効だと思います。いかがでしょうか。

仰るとおりです。
貴重なアドバイスありがとうございました。

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