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労務管理

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総務の森イチオシ記事が満載: 経営ノウハウの泉(人事労務~働き方対策まで)

固定残業制について

著者 megane さん

最終更新日:2018年10月05日 11:07

お世話になっております。

現在弊社では固定残業制を導入しており、月42時間分の割増賃金を手当として支払っております。

ただし、42時間超過分の支払いを行っていなかった為、働き方改革関連法案等の世の流れもあり、今後は支払いを行っていく事となりました。

しかしながら、超過分の割増賃金を支払った場合の人件費の試算を行ったところ、社長にとっては想定以上のコスト増加となる見込みだったようで、現状の賃金体系で正規の支払いを行うのは難しいと判断されました。

結果、現在の固定残業時間42時間を60時間に引き上げ(各従業員の総所得は据置、基本給を減額し、その分を固定残業手当に乗せる)、更に現在支払っている役職手当固定残業手当と同様の扱いとする方向で就業規則の改定を行うと言い始めました。
役職手当の金額を固定残業手当に乗せて1本化するのではなく、それぞれ独立して存在する上で、役職手当の金額も固定残業代としてカウントします。
その為、固定残業時間60時間+役職手当算定基礎賃金×1.25で割り戻した時間が実際の総固定残業時間となります。

尚、弊社顧問社労士もその打合せに同席し、その内容にて就業規則の改定準備を始めています。

私はそれは従業員にとって不利益変更に当たり、たとえ同意が得られたとしてもモチベーションの低下は避けられず、今後の求人にも影響すると反対しているのですが、「法令に違反していないのだから問題ない」と聞く耳を持たない状況です。

実際に上記の様な改定は、本当に問題ないのでしょうか?

固定残業手当を2本立てにするというのは耳にしたことがありませんし、役職手当まで固定残業代としてカウントした場合、固定残業時間が90時間を超える従業員も出てきます。

この様な改定を出来れば阻止したく、皆様のお知恵をお借りできればと思います。よろしくお願い致します。

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Re: 固定残業制について

著者ぴぃちんさん

2018年10月05日 12:00

私見です。

いろいろと問題がありそうですね。厳しい意見かもしれませんが、

まず、明らかな賃金における不利益変更になりますので、就業規則に改定するだけでは変更はできないでしょう。
個別に対象者全員の合意が必要であり、合意なく賃金の減給はできないと考えます。

> ただし、42時間超過分の支払いを行っていなかった為

この分は、就業規則が改定されたところで、請求されれば支払わなければならない賃金には変わりはありませんから、未払い賃金として、会社が支払う準備しておく必要があると思います。というより、未払いが明らかであれば、すみやかに支払い精算することが望ましいと思います。 資金がないことを理由に支払わなくてもよいことにはならないのが賃金になります。

以降は会社の考え方になるでしょう。
未払い賃金を支払わないで対応はできないので、今後も同様の条件では会社経営が難しいことを理解してもらいつつ対応をするのであれば、会社の資金繰りだけでなく、労働者の生活を担保するような改定案が必要なのではないかと思います。
会社の都合だけを強引に勧める場合に、労働条件の悪化による大量の離職、未払い賃金の支払い、の両方に対応ができるのであればよいのかもしれませんが、それも会社の経営者の考えによるのかと思います。



> お世話になっております。
>
> 現在弊社では固定残業制を導入しており、月42時間分の割増賃金を手当として支払っております。
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> ただし、42時間超過分の支払いを行っていなかった為、働き方改革関連法案等の世の流れもあり、今後は支払いを行っていく事となりました。
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> しかしながら、超過分の割増賃金を支払った場合の人件費の試算を行ったところ、社長にとっては想定以上のコスト増加となる見込みだったようで、現状の賃金体系で正規の支払いを行うのは難しいと判断されました。
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> 結果、現在の固定残業時間42時間を60時間に引き上げ(各従業員の総所得は据置、基本給を減額し、その分を固定残業手当に乗せる)、更に現在支払っている役職手当固定残業手当と同様の扱いとする方向で就業規則の改定を行うと言い始めました。
> ※役職手当の金額を固定残業手当に乗せて1本化するのではなく、それぞれ独立して存在する上で、役職手当の金額も固定残業代としてカウントします。
> その為、固定残業時間60時間+役職手当算定基礎賃金×1.25で割り戻した時間が実際の総固定残業時間となります。
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> 尚、弊社顧問社労士もその打合せに同席し、その内容にて就業規則の改定準備を始めています。
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> 私はそれは従業員にとって不利益変更に当たり、たとえ同意が得られたとしてもモチベーションの低下は避けられず、今後の求人にも影響すると反対しているのですが、「法令に違反していないのだから問題ない」と聞く耳を持たない状況です。
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> 実際に上記の様な改定は、本当に問題ないのでしょうか?
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> 固定残業手当を2本立てにするというのは耳にしたことがありませんし、役職手当まで固定残業代としてカウントした場合、固定残業時間が90時間を超える従業員も出てきます。
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> この様な改定を出来れば阻止したく、皆様のお知恵をお借りできればと思います。よろしくお願い致します。
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Re: 固定残業制について

著者村の平民さん

2018年10月05日 13:19

著者 megane さん最終更新日:2018年10月05日 11:07について私見を述べます。

① 本質的な問題については、他の方のご意見に同意します。

② 「弊社顧問社労士もその打合せに同席し、その内容にて就業規則の改定準備を始めています」と有るので、その点が気にかかります。

③ 社長は顧問社会保険労務士の同意を得たので、何ら問題は無いと考えておられるでしょう。
 しかし、他の方のご意見にもあるように、問題が大ありです。

④ 労働者がこの就業規則変更を非とし、労働基準監督署や都道府県社会保険労務士会へ「不当だ」と申告などすれば、その顧問社会保険労務士は安穏としておられません。
 最悪の場合は、社会保険労務士資格の剥奪、それに到らないでも一定期間資格停止の処分を受ける恐れがあります。その事例は毎年数件有ります。
 このような処分があったならば、それは公表され、少なくともその都道府県の社会保険労務士全員に知れ渡ります。

⑤ このことを顧問社会保険労務士に告げるならば、その社会保険労務士は社長への態度を慌てて豹変する可能性があります。改定を阻止する有効な手段の一つと考えます。

⑥ また、法的にも就業規則変更届に添付する労働者過半数代表者の意見書に、同意できない部分を明記し、これこれの通りに変更されたい、その余は反対である、と明記しましょう。意見書は幾ら長文であっても構いません。
 労基署は、「この意見書に従って変更届の一部を見直せ」と命令はしません。労働基準法違反部分は修正を勧告します。
 しかし、会社は労基署から目を付けられるのは必定です。

⑦ また、固定残業代制度はともかくとしても、実際に残業しておられるようです。
 そうであれば36協定について、合法的な闘争をしましょう。労働組合法に基づく闘争ではありません。
 就業規則変更について、労働者の意見を尊重しないのであれば、36協定を拒否するのです。
 36協定を拒否すれば、その後は残業をさせられません。しかし、就業規則固定残業代制度を設けたら、実際に残業しなくても固定残業代の支払いは会社の義務です。

⑧ ただ言えることは、労働者の堅い団結です。半数以上が、社長の意のままに事なかれ主義であれば、すべて徒労に帰します。

Re: 固定残業制について

著者たまの伝説さん

2018年10月06日 01:56

私が今までお世話になった社労士さんは、みなさん、固定残業代はお勧めしないですと言っていました。

一度導入すると、
時間数を増やそうとなったときに基本給を減らして残業代につけることは不利益変更になるし
残業時間削減に成功した場合に例えば42時間分を20時間分に減らそうとすると、これまた不利益変更になるし
(極端な話、残業しなくても一定額のお給料がもらえる制度なので、時間数とともに金額が減るとなると不利益変更です)

また、現在の法律では求人をかけるときに「固定残業代は何時間分として何円」を明記しないといけません。
60時間分と書いてあるのをみたら、かなりの数の人が応募をやめるでしょう。
質問者さんの心配は、そのとおりだと思います。

心ある社労士さんは、固定残業代はお勧めしないはず。
固定残業代を勧めてくるのは、おそらく目先のことしか考えていないです。

> お世話になっております。
>
> 現在弊社では固定残業制を導入しており、月42時間分の割増賃金を手当として支払っております。
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> ただし、42時間超過分の支払いを行っていなかった為、働き方改革関連法案等の世の流れもあり、今後は支払いを行っていく事となりました。
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> しかしながら、超過分の割増賃金を支払った場合の人件費の試算を行ったところ、社長にとっては想定以上のコスト増加となる見込みだったようで、現状の賃金体系で正規の支払いを行うのは難しいと判断されました。
>
> 結果、現在の固定残業時間42時間を60時間に引き上げ(各従業員の総所得は据置、基本給を減額し、その分を固定残業手当に乗せる)、更に現在支払っている役職手当固定残業手当と同様の扱いとする方向で就業規則の改定を行うと言い始めました。
> ※役職手当の金額を固定残業手当に乗せて1本化するのではなく、それぞれ独立して存在する上で、役職手当の金額も固定残業代としてカウントします。
> その為、固定残業時間60時間+役職手当算定基礎賃金×1.25で割り戻した時間が実際の総固定残業時間となります。
>
> 尚、弊社顧問社労士もその打合せに同席し、その内容にて就業規則の改定準備を始めています。
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> 私はそれは従業員にとって不利益変更に当たり、たとえ同意が得られたとしてもモチベーションの低下は避けられず、今後の求人にも影響すると反対しているのですが、「法令に違反していないのだから問題ない」と聞く耳を持たない状況です。
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> 実際に上記の様な改定は、本当に問題ないのでしょうか?
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> 固定残業手当を2本立てにするというのは耳にしたことがありませんし、役職手当まで固定残業代としてカウントした場合、固定残業時間が90時間を超える従業員も出てきます。
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> この様な改定を出来れば阻止したく、皆様のお知恵をお借りできればと思います。よろしくお願い致します。
>

Re: 固定残業制について

著者村の長老さん

2018年10月06日 09:01

失礼を承知で申し上げます。

今どき珍しく極めて危険な会社と社労士が合体している会社とお見受けしました。もうこのような会社は絶滅種になったと思われたのですが・・・。

まず就業規則を改正するには、労働契約法により「合理的な理由」がないと改定は無効となります。更に不利益変更ですから、従業員各位の同意がとれない場合、決定的となります。

ですから慌てることはありません。事業主と社労士のしたいようにさせておけばいいのです。それを実行した段階で所轄労基署に申し出て、就業規則の無効を主張しましょう。元に戻るはずです。

Re: 固定残業制について

著者いつかいりさん

2018年10月06日 17:32

> それを実行した段階で所轄労基署に申し出て、就業規則の無効を主張しましょう。元に戻るはずです。

見識ある村の長老さんにしては、めずらしいもの言いなので、コメント。

労働者不利益変更の典型例でしょうが、労基法ほか強制法規にふれるわけでないので、労基署はノータッチ民事介入しないでしょう。

有志で団体組んで就業規則変更の無効を主張して交渉、最終的には民事訴訟、司法の場で決着に持ち込むことです。

Re: 固定残業制について

著者クマタさん

2018年10月06日 18:43

難しいところですね。

>超過分の支払いを行っていなかった為、働き方改革関連法案等の世の流れもあり、今後は支払いを行っていく事となりました。

@今までに不満はあったけれど、トラブルまでにはなっていなかったということでしょうか。
社員は、請求しようと思えばさかのぼって残業代は請求できるところ、それはしなかった。会社は世の流れの中、前向きに、原資そのままで、違法にならない方法で労働条件を変更していこうというわけですね。明らかに不利益変更ですので対象者全員の同意が必要です。

原則は、労働条件は違法でない限り労使の自治に委ねるということなるかと思いますが、ご懸念の通り、
>私はそれは従業員にとって不利益変更に当たり、たとえ同意が得られたとしてもモチベーションの低下は避けられず、今後の求人にも影響する。

@そのとおりです。しかし、会社変革は一朝一夕にはいかないもので、できるところからやるしかありません。御社ではまず、今までの固定残業時間越えの残業代未払いについての違法性を改善するところから始めるというわけです。当初から残業の実態もよく調べずに固定残業代を導入していたようですので、会社の肩を持つわけではありませんが、改めて一新するということの覚悟が必要になっています。

会社提案については、残業代の単価も法的な計算では下がります。しかし、固定残業時間60時間超えの単価は50%にするように提案してください。やがて中小企業も60時間超えると50%割り増しが適用されますので、今から準備が必要です。

とにかく、慣れた職場をよくしていくためには、全員で長期的な展望をもって主体的に地道に努力していくしかありません。その中でこそ人は成長していくと思います。会社は単に生活のための手段ではなく、仕事を通して社会貢献する場であり、人として成長していく場でもあります。ご健闘を祈ります。

Re: 固定残業制について

著者村の長老さん

2018年10月07日 09:11

> 見識ある村の長老さんにしては、めずらしいもの言いなので、コメント。

> 労働者不利益変更の典型例でしょうが、労基法ほか強制法規にふれるわけでないので、労基署はノータッチ民事介入しないでしょう。

いつかいりさん、確かにお恥ずかしいかぎりで少し常軌を逸していました。労働契約法は民事なので、それ違反ではたしかに労基署は介入できませんでした。

したがってこういう方法で会社と戦うことも可能と考えます。

これまで固定残業代の手当が何らかの名目で支給されていたわけですね。仮にそれをAとしましょう。
新たな賃金制度の下では、Aがなくなるわけですから未払い賃金として請求します。そこで就業規則の改定が有効かどうかが判定されます。つまり就業規則の無効を争うのではなく、未払い賃金事件として争うのです。これならば、まずはテーブルにつくかどうかは別として、個別労働紛争のあっせんを求めることも可能です。この段階でもテーブルにつくことを勧めない社労士なら、何をやいわんやでしょう。

Re: 固定残業制について

著者meganeさん

2018年10月10日 08:32

ぴぃちん様
村の平民様
たまの伝説様
村の長老様
いつかいり様
クマタ様

ご意見を頂戴し、誠にありがとうございます。

やはり、今回の規則整備はかなり問題が多いと思いますので、もう少し時間を掛けて話をしてみたいと思います。

出来れば真っ白な企業にという思いが私個人を強いですが、経営陣はどうしてもグレーゾーンの中でコストの削減に注力してしまいますので、どこに着地点を定めるか、ここをもう少し私の中でも煮詰めていこうと思います。

また、相談させていただく事もあるかと思いますが、今後ともよろしくお願い致します。


Re: 固定残業制について

質問者様が返信されているのでひと段落している話題かとは思いますが、
弊社でも同じような件が少し前に話題に上ったので参考事例として…。

弊社は30時間の固定残業で、それを超過した分は超勤手当を支払って
いました。営業社員については事業場外での勤務時間を把握しづらい
という理由で、30時間を超えた残業をしても超勤手当を支払わず、
代わりに営業手当を支払っていました。

賃金規定の改訂を検討した際、社労士さんからは
「営業手当を支払ったからといって超勤手当の支払いは免れられない」と
指摘を受けました。(当たり前ですが)
その際、「営業手当を固定残業代とすることはできる」とも言われました。
そのため、営業手当は15時間分の超勤手当という位置づけに変更しました。
これにより、営業社員には
固定残業の30時間】+【営業手当の15時間】=45時間
固定残業代を支払うことになり、45時間を超過した残業については
超勤手当を支払う、という運用に変更となりました。

営業手当を何時間分の固定残業代とするか、
という議論になったときに言われたのは、
固定残業時間と併せて36協定を超えてはならない」ということでした。
弊社は月45時間の残業を36協定で結んでいるので、
例えば営業手当を「30時間分の超勤手当」としてしまうと、
固定残業30時間+営業手当分30時間=残業60時間となり、
36協定違反になると言われました。

貴社の事例ですと人によっては固定残業が90時間になる、
と書かれていたので、それを回避する材料になれば…と思い
投稿させて頂きました。
少しでも参考になれば幸いです。

Re: 固定残業制について

著者meganeさん

2018年10月10日 09:56

moone様

参考事例のご紹介いただき、ありがとうございます。

弊社でも36協定の話は問題となりました。

現在1年間の変形労働時間制採用しており、36協定上は月42時間で届出を行っております。ですので現状の固定残業も月42時間分という支給を行っておりました。

moone様の仰る通り、90時間の固定残業代を支払う社員が発生した場合、無論36協定特別条項によって90時間を超える届出が必要になります。

これはやはり会社にとってもリスク(※労基の立ち入り調査を受ける可能性が高まる)ため、避けるべきと社労士より助言があり、そうならない様に調整する方向で考えるという事になりました。

恐らく会社としては、固定残業手当60時間分)+役職手当(役職により時間換算した場合時間数が異なる)を固定残業とする中で、役職手当の金額を減額させ、最長の社員でも80時間未満になるように調整しようとしています。

また、求人票の記載の際、現在は固定残業に関する情報はしっかりと記載が求められていますが、役職手当に関しては新入社員には関係ない為、記載しない=入社数年経ち、役職者になった途端に役職手当として突如固定残業が増えるという騙し討ちの様な事を考えているようです。

まだご相談させていただいている就業規則の改定に関しては、従業員たちの耳にはまだ入っていませんが、現行の就業規則に関する不満もたまっており、(固定残業超過分の支払いを行っていない為)一部社員からは、労基へ…といった声が冗談交じりに聞こえてきています…

いっそ労基に私が相談に行ってしまおうかと思う事もありますが、もう少し会社と話をしてみようと思います。

Re: 固定残業制について

著者クマタさん

2018年10月10日 14:31

ご苦労様です。以下は私見です。蛇足かもしれませんが。

十分に話し合いのうえ進めていくことが肝心です。meganeさんの役割は大きいものと思います。その際、固定残業代超過未払い分については、すぐにでも会社へ請求できる案件であり、社労士からも社長へ伝えられていると思います。そのことを担保に、事情を考慮して進めればよいと思います。

なお、固定残業代については、どの回答者もよい印象を持たれてなかったようですが、確かに一時期ブラック企業の手口と非難されました。H24.3.8テックジャパン事件で細かい補足意見がでてから、その流れで裁判例でも同年に95時間分固定残業代や、100時間超える固定残業代が公序良俗に反して無効とされました。しかし、近年になって金額の設定と実際に何時間残業するかは別問題であるとして、70時間分(28.1.27東京高裁)、80時間分(29.10.16東京地裁)の固定残業代が公序良俗に反せず適法とされました。このような中30.7.19日本ケミカル事件で最高裁は、手当が時間外労働等の対価である旨雇用契約書賃金規程等に明記され、内容説明がされ、実際の労働時間管理がなされていれば、テックジャパン補足意見が示すような条件は、適法要件として求められているものではないということが明確になされました。

実際問題として、労働時間については三六協定特別条項で青天井だからといっても年6月の縛りがあります。また働き方改革では、一月100時間、2~6か月平均いずれも80時間を超えないよう法改正がなされました。したがって、金額の設定と実際に何時間残業するかは別問題と考えてもよいのかなと思います。もちろん常識の範囲でですが。

固定産業代の本来の目的は、中小零細企業においては採用時に残業代込みの契約のつもりが口頭のみの説明、あるいは説明なく、実時間の管理もなされていなかったりで採用後にトラブルがよく発生したこと、それを防ぐために雇用契約書賃金規程で、固定残業代として明記し、よく説明することとされたこと。また一方では、固定残業代で設定した額は残業時間が少なくなっても一定額は保証されるため、実際上の自主的な残業削減、生産性向上策になるとも考えられています。もちろん超過分については当然支払うべきものであり、主張すべきものです。
そのため、職安では判例とは別に、あくまで行政対応の問題として、募集に際しては固定残業代の計算方法、時間と金額、残業代を除いた基本給の額、不足を生じた場合は追加で支払うことが明示されなければ求人受付してくれないことはご承知の通りです。

Re: 固定残業制について

著者meganeさん

2018年10月10日 15:26

クマタ様

色々とご助言頂き、本当にありがとうございます。

固定残業に関してもう少し理解を深めようと、「定額残業制と労働時間法制の実務」という書籍を昨日購入し、丁度読み解いていたところです。

書籍の出版が平成28年だったこともあり、平成26年までの判例の記載しかなく、その後の判例はまったく存じておりませんでした。

特に日本ケミカル事件の判例は最高裁判例という事で、詳しく見てみようと思います。

実際クマタ様の仰る通り、今後の働き方改革関連法案の施行をしっかりと考慮した上で、この問題の解決を図っていきたいと考えております。

固定残業制度に関しても、無駄な残業時間の削減や生産性の向上に繋がるというメリットに関してはまったくの同意見です。しかしながら設定方法、運用方法には細心の注意が必要であり、間違った方向に向くと、会社にとって大きなリスク(未払い残業代+付加金の支払い、人財の流出、入職者の減少…)となるという事を、目先のコスト削減だけに向かってしまっている経営陣に、少しだけでも考えてもらいたいと思っています。なかなかうまくいかないですが…

また、現時点で未払い残業代の爆弾を抱えているという事を改めて経営陣に認識してもらい、あまりに大きな不利益変更はその爆弾への着火剤になり得るという事も含め、再度話をしてみようと思います。

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