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賃貸借契約後の契約キャンセルについて

著者 NEXT鰻 さん

最終更新日:2019年11月27日 10:20

移転を予定しており、賃貸借契約を締結しました。
地下1F~5F建てのビルで、1F~4Fまでを弊社で借りることになったのですが、つい先日地下1Fに入居している中華屋さんが火事を起こしてしまいました。

消防署が近かったこと、すぐに気が付いたことにより、けが人もなく大きな火災にはならず、延焼は地下1Fと1Fダクト部分のみで済んだようで、不幸中の幸いでした。

弊社の賃貸スペースには、火事による直接的な影響や損傷はないとのことでしたが、実際に現場に足を運んでみると、放水の跡(床中水浸し)や壁の漏水が目立っていたり、火事の独特のニオイが弊社の賃貸スペース全体に充満しており、数十分滞在しただけでも頭痛を引き起こすものでした。

まだ入居も内装工事もしていませんが、消臭や脱臭のための工事やクリーニングに時間がとられることを考えると、内装工事も遅延し、12月末に予定している入居日に間に合わなさそうです。

こういった場合、賃貸借契約を締結した後でも、外的要因を理由に契約を解消することはできるものでしょうか?

できるだけ予定している入居日に入居できるよう努めていますが、最悪の事態を想定して別の移転先を考えておいた方が良いのではないかと焦っています。

これまでにこんな状況になったことがないため、もし似たようなことを経験なさってる方がいらっしゃいましたら、是非知識と知恵をお貸しいただきたいです。

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Re: 賃貸借契約後の契約キャンセルについて

著者行政書士かじや法務事務所さん (専門家)

2019年11月27日 12:22

こんにちは
困った状況ですね。
御社の業種、契約書の内容などの詳細がわかりませんので、考え方の基本を記載いたします。

◆オーナー側の義務
民法第601条>
賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

→つまり、賃貸人(オーナー)サイドには使用及び収益させる義務があることが規定されています。よくあるトラブルとしては、他のテナントによる悪臭、騒音などの問題があります。

>現場に足を運んでみると、放水の跡(床中水浸し)や壁の漏水が目立っていたり、火事の独特のニオイが弊社の賃貸スペース全体に充満しており、数十分滞在しただけでも頭痛を引き起こすものでした。
→ これでは御社が正常に使用収益できない状態ということです。

>まだ入居も内装工事もしていませんが、消臭や脱臭のための工事やクリーニングに時間がとられることを考えると、内装工事も遅延し、12月末に予定している入居日に間に合わなさそうです。

→オーナー側が修繕等を行うとしても、例えば予定していた入居日から物販の営業等を予定していた場合には、そのスケジュールが遅滞すれば、その間の休業補償という問題につながります。

◆解除できるか
1. 約定解除
契約書をよく確認なさって、解除の条項に今回のケースがあれば約定解除が可能です。契約書の内容は重要なのです。

2. 他の合意解除
予定日からの使用収益が不可能、という状況であれば、オーナーと協議して解除してもらうことが現実的と思います。

◆その他
1. 御社による契約解除によるオーナー側の損害などは、そのラーメン屋さんへのオーナーからの求償という問題になるはずですから、この点は御社が関係する必要はありません。
2. 契約を解除するか、またはオーナーの修繕完了を待って、入居の遅滞に関する損害賠償を請求するか、御社のアクションとして選択肢はいくつか考えられます。

◆まとめ
不動産業者が仲介していれば、まずはその業者に相談しましょう。
協議がスムーズに進まず争いになった場合は、まずは弁護士会や不動産関連の公益社団法人の無料相談などに相談してみては如何でしょうか。
争いに関する相談は、士業の中でも弁護士だけが可能です。

以上、御参考まで。

Re: 賃貸借契約後の契約キャンセルについて

著者NEXT鰻さん

2019年11月27日 16:10

行政書士かじや法務事務所 様

ご丁寧に回答していただき、ありがとうございます。
親身にご回答いただき大変嬉しく思っております。

考え方の基本につきまして、承知いたしました。
弊社には顧問弁護士さんがおりませんので、不動産の仲介業者さんに相談してみたうえで争いに発展することになりましたら、改めて相談の連絡をさせていただければと思います。

まずは仲介業者さんに相談し、方向性を定めることから始めてみます。
丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。

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