特定親族特別控除について

> 今年から新設された特定親族特別控除について分からない事があります。
> 社員の大学生のお子さんが21歳でバイトをされてて収入が150万円あり、
> 150万円-65万円＝所得金額が85万円になります。
> 規定では合計所得金額が58万円超123万円以下となっていますが、
> 58万円ちょうどは該当するのでしょうか？
> 該当しなくても
> 「年齢19歳以上23歳未満の親族は特定扶養親族に該当し、扶養控除額は63万円です」
> とありますが合っていますでしょうか？
> 尚、父親の収入は19,008,000万円で所得金額は17,058,000万円です。
> よろしくお願いいたします。

1. 58万円ちょうどは特定親族特別控除の対象か

結論から言うと、
合計所得金額「58万円ちょうど」は、
特定親族特別控除の対象「ではありません」。
国税庁の特定親族特別控除のページでは、控除額は次のように区分されています。

合計所得金額
58万円超〜85万円以下：控除額 63万円
85万円超〜90万円以下：控除額 61万円

120万円超〜123万円以下：控除額 3万円
ここでポイントになるのが、「58万円超」という表現です。
「超」＝「より大きい」なので、
58万円ちょうど → 「58万円超」には該当しない
したがって、
合計所得金額 58万円ちょうど → 特定親族特別控除の対象外
となります。

2. ご相談のケース（所得85万円）の特定親族特別控除
ご提示の前提

大学生のお子さん：21歳（19歳以上23歳未満）
アルバイト収入：150万円
給与所得控除：65万円（給与収入150万円のケース）
合計所得金額
150万円 − 65万円 ＝ 85万円
この 85万円を、国税庁の特定親族特別控除の表に当てはめると、
58万円超〜85万円以下：控除額 63万円
85万円は「〜85万円以下」の上限にぴったり該当しますので、
特定親族特別控除の控除額：63万円
となります。

3. 「19歳以上23歳未満なら特定扶養親族で63万円」かどうか
ご質問の文言
「年齢19歳以上23歳未満の親族は特定扶養親族に該当し、扶養控除額は63万円です」
この表現は「年齢条件だけ」を切り出していて、実務上は不十分です。

令和7年分からの「特定扶養親族（扶養控除63万円）」の条件は、主に次の二つです。
年齢：19歳以上23歳未満
所得：合計所得金額 58万円以下
（給与収入のみの場合は 123万円以下）
したがって、正しくは、
「19歳以上23歳未満 かつ 合計所得金額58万円以下」の親族が特定扶養親族となり、
その場合の扶養控除額が 63万円
という理解が正確です。
今回のお子さんは、

年齢：21歳 → 年齢要件「○」
合計所得金額：85万円 → 所得要件「×」（58万円超）
となるため、
特定扶養親族には該当しない
したがって「扶養控除63万円」は使えない
という結論になります。

4. 父親の高所得との関係
お父さんの状況：
収入：19,008,000円
所得金額：17,058,000円

についても触れておきます。

扶養控除
特定親族特別控除
いずれも、国税庁や各種解説で「納税者本人の所得制限は設けられていない」とされています。

つまり、
お父さんの所得が高額であっても、
扶養親族・特定親族の要件を満たしていれば、
控除そのものは適用可能
です。

今回のケースでは、
特定扶養親族（扶養控除63万円）：所得要件を満たさず「×」
特定親族特別控除：所得85万円 → 控除額63万円で「○」
となります。

5. 今回のケースの最終整理
ご質問の条件をすべて踏まえた判定は次のとおりです。

年齢：21歳 → 特定親族（19〜23歳未満）の年齢要件を満たす
合計所得金額：85万円（150万 − 65万）
判定結果：
1. 58万円ちょうどについて
「58万円超〜123万円以下」が特定親族特別控除の対象なので、
「58万円ちょうど」は対象外

2. 特定扶養親族（扶養控除63万円）について
条件は「19〜23歳未満 かつ 合計所得金額58万円以下」
所得85万円のため、今回のお子さんは特定扶養親族にならない
→ 扶養控除63万円は受けられない

3. 特定親族特別控除について
合計所得金額85万円は「58万円超〜85万円以下」の区分に該当
→ 特定親族特別控除の控除額は 63万円

4. 父親の所得が高いことによる制限
納税者の所得制限はなし → 適用可能

とても詳しく説明してくださってどうもありがとうございました。
良く分かりました！


> > 今年から新設された特定親族特別控除について分からない事があります。
> > 社員の大学生のお子さんが21歳でバイトをされてて収入が150万円あり、
> > 150万円-65万円＝所得金額が85万円になります。
> > 規定では合計所得金額が58万円超123万円以下となっていますが、
> > 58万円ちょうどは該当するのでしょうか？
> > 該当しなくても
> > 「年齢19歳以上23歳未満の親族は特定扶養親族に該当し、扶養控除額は63万円です」
> > とありますが合っていますでしょうか？
> > 尚、父親の収入は19,008,000万円で所得金額は17,058,000万円です。
> > よろしくお願いいたします。
>
> 1. 58万円ちょうどは特定親族特別控除の対象か
>
> 結論から言うと、
> 合計所得金額「58万円ちょうど」は、
> 特定親族特別控除の対象「ではありません」。
> 国税庁の特定親族特別控除のページでは、控除額は次のように区分されています。
>
> 合計所得金額
> 58万円超〜85万円以下：控除額 63万円
> 85万円超〜90万円以下：控除額 61万円
>
> 120万円超〜123万円以下：控除額 3万円
> ここでポイントになるのが、「58万円超」という表現です。
> 「超」＝「より大きい」なので、
> 58万円ちょうど → 「58万円超」には該当しない
> したがって、
> 合計所得金額 58万円ちょうど → 特定親族特別控除の対象外
> となります。
>
> 2. ご相談のケース（所得85万円）の特定親族特別控除
> ご提示の前提
>
> 大学生のお子さん：21歳（19歳以上23歳未満）
> アルバイト収入：150万円
> 給与所得控除：65万円（給与収入150万円のケース）
> 合計所得金額
> 150万円 − 65万円 ＝ 85万円
> この 85万円を、国税庁の特定親族特別控除の表に当てはめると、
> 58万円超〜85万円以下：控除額 63万円
> 85万円は「〜85万円以下」の上限にぴったり該当しますので、
> 特定親族特別控除の控除額：63万円
> となります。
>
> 3. 「19歳以上23歳未満なら特定扶養親族で63万円」かどうか
> ご質問の文言
> 「年齢19歳以上23歳未満の親族は特定扶養親族に該当し、扶養控除額は63万円です」
> この表現は「年齢条件だけ」を切り出していて、実務上は不十分です。
>
> 令和7年分からの「特定扶養親族（扶養控除63万円）」の条件は、主に次の二つです。
> 年齢：19歳以上23歳未満
> 所得：合計所得金額 58万円以下
> （給与収入のみの場合は 123万円以下）
> したがって、正しくは、
> 「19歳以上23歳未満 かつ 合計所得金額58万円以下」の親族が特定扶養親族となり、
> その場合の扶養控除額が 63万円
> という理解が正確です。
> 今回のお子さんは、
>
> 年齢：21歳 → 年齢要件「○」
> 合計所得金額：85万円 → 所得要件「×」（58万円超）
> となるため、
> 特定扶養親族には該当しない
> したがって「扶養控除63万円」は使えない
> という結論になります。
>
> 4. 父親の高所得との関係
> お父さんの状況：
> 収入：19,008,000円
> 所得金額：17,058,000円
>
> についても触れておきます。
>
> 扶養控除
> 特定親族特別控除
> いずれも、国税庁や各種解説で「納税者本人の所得制限は設けられていない」とされています。
>
> つまり、
> お父さんの所得が高額であっても、
> 扶養親族・特定親族の要件を満たしていれば、
> 控除そのものは適用可能
> です。
>
> 今回のケースでは、
> 特定扶養親族（扶養控除63万円）：所得要件を満たさず「×」
> 特定親族特別控除：所得85万円 → 控除額63万円で「○」
> となります。
>
> 5. 今回のケースの最終整理
> ご質問の条件をすべて踏まえた判定は次のとおりです。
>
> 年齢：21歳 → 特定親族（19〜23歳未満）の年齢要件を満たす
> 合計所得金額：85万円（150万 − 65万）
> 判定結果：
> 1. 58万円ちょうどについて
> 「58万円超〜123万円以下」が特定親族特別控除の対象なので、
> 「58万円ちょうど」は対象外
>
> 2. 特定扶養親族（扶養控除63万円）について
> 条件は「19〜23歳未満 かつ 合計所得金額58万円以下」
> 所得85万円のため、今回のお子さんは特定扶養親族にならない
> → 扶養控除63万円は受けられない
>
> 3. 特定親族特別控除について
> 合計所得金額85万円は「58万円超〜85万円以下」の区分に該当
> → 特定親族特別控除の控除額は 63万円
>
> 4. 父親の所得が高いことによる制限
> 納税者の所得制限はなし → 適用可能
>
>

とても詳しく説明してくださってどうもありがとうございました。
良く分かりました！


> > 今年から新設された特定親族特別控除について分からない事があります。
> > 社員の大学生のお子さんが21歳でバイトをされてて収入が150万円あり、
> > 150万円-65万円＝所得金額が85万円になります。
> > 規定では合計所得金額が58万円超123万円以下となっていますが、
> > 58万円ちょうどは該当するのでしょうか？
> > 該当しなくても
> > 「年齢19歳以上23歳未満の親族は特定扶養親族に該当し、扶養控除額は63万円です」
> > とありますが合っていますでしょうか？
> > 尚、父親の収入は19,008,000万円で所得金額は17,058,000万円です。
> > よろしくお願いいたします。
>
> 1. 58万円ちょうどは特定親族特別控除の対象か
>
> 結論から言うと、
> 合計所得金額「58万円ちょうど」は、
> 特定親族特別控除の対象「ではありません」。
> 国税庁の特定親族特別控除のページでは、控除額は次のように区分されています。
>
> 合計所得金額
> 58万円超〜85万円以下：控除額 63万円
> 85万円超〜90万円以下：控除額 61万円
>
> 120万円超〜123万円以下：控除額 3万円
> ここでポイントになるのが、「58万円超」という表現です。
> 「超」＝「より大きい」なので、
> 58万円ちょうど → 「58万円超」には該当しない
> したがって、
> 合計所得金額 58万円ちょうど → 特定親族特別控除の対象外
> となります。
>
> 2. ご相談のケース（所得85万円）の特定親族特別控除
> ご提示の前提
>
> 大学生のお子さん：21歳（19歳以上23歳未満）
> アルバイト収入：150万円
> 給与所得控除：65万円（給与収入150万円のケース）
> 合計所得金額
> 150万円 − 65万円 ＝ 85万円
> この 85万円を、国税庁の特定親族特別控除の表に当てはめると、
> 58万円超〜85万円以下：控除額 63万円
> 85万円は「〜85万円以下」の上限にぴったり該当しますので、
> 特定親族特別控除の控除額：63万円
> となります。
>
> 3. 「19歳以上23歳未満なら特定扶養親族で63万円」かどうか
> ご質問の文言
> 「年齢19歳以上23歳未満の親族は特定扶養親族に該当し、扶養控除額は63万円です」
> この表現は「年齢条件だけ」を切り出していて、実務上は不十分です。
>
> 令和7年分からの「特定扶養親族（扶養控除63万円）」の条件は、主に次の二つです。
> 年齢：19歳以上23歳未満
> 所得：合計所得金額 58万円以下
> （給与収入のみの場合は 123万円以下）
> したがって、正しくは、
> 「19歳以上23歳未満 かつ 合計所得金額58万円以下」の親族が特定扶養親族となり、
> その場合の扶養控除額が 63万円
> という理解が正確です。
> 今回のお子さんは、
>
> 年齢：21歳 → 年齢要件「○」
> 合計所得金額：85万円 → 所得要件「×」（58万円超）
> となるため、
> 特定扶養親族には該当しない
> したがって「扶養控除63万円」は使えない
> という結論になります。
>
> 4. 父親の高所得との関係
> お父さんの状況：
> 収入：19,008,000円
> 所得金額：17,058,000円
>
> についても触れておきます。
>
> 扶養控除
> 特定親族特別控除
> いずれも、国税庁や各種解説で「納税者本人の所得制限は設けられていない」とされています。
>
> つまり、
> お父さんの所得が高額であっても、
> 扶養親族・特定親族の要件を満たしていれば、
> 控除そのものは適用可能
> です。
>
> 今回のケースでは、
> 特定扶養親族（扶養控除63万円）：所得要件を満たさず「×」
> 特定親族特別控除：所得85万円 → 控除額63万円で「○」
> となります。
>
> 5. 今回のケースの最終整理
> ご質問の条件をすべて踏まえた判定は次のとおりです。
>
> 年齢：21歳 → 特定親族（19〜23歳未満）の年齢要件を満たす
> 合計所得金額：85万円（150万 − 65万）
> 判定結果：
> 1. 58万円ちょうどについて
> 「58万円超〜123万円以下」が特定親族特別控除の対象なので、
> 「58万円ちょうど」は対象外
>
> 2. 特定扶養親族（扶養控除63万円）について
> 条件は「19〜23歳未満 かつ 合計所得金額58万円以下」
> 所得85万円のため、今回のお子さんは特定扶養親族にならない
> → 扶養控除63万円は受けられない
>
> 3. 特定親族特別控除について
> 合計所得金額85万円は「58万円超〜85万円以下」の区分に該当
> → 特定親族特別控除の控除額は 63万円
>
> 4. 父親の所得が高いことによる制限
> 納税者の所得制限はなし → 適用可能
>
>