相談の広場
こんにちは。外資系企業で研修の仕事をしています。「本当に①法的に問題ないでしょうか?②世間の会社ではこれが常識なのでしょうか」についてぜひアドバイスいただければと思います。
最近、弊社で営業社員に対して「事業場外のみなし労働時間制」を導入しました。そこで論争になっているのが「社内での営業関連の事務作業の見込時間」です。これを一律「月15時間」と決めたのですが、その基準は「本社事務職の平均残業時間」を調査し、決めたと公表しています。営業の教え子達からは研修で会うたびに当然「営業の事務残業の時間はもっと多い!営業の状況を基に調査して決めるべきでしょ!」と言われ、人事の制度企画部に質問にいくと「法的に誤った事はしてません。他社も外勤者調査はしてないところが多いですよ」と言われ、教育畑しか経験のない私は板ばさみになっております。。。私からすると「外勤者に導入するんだから外勤者の残業実態を基に基準値設定設定すればいいのにあえて何故?」と思うのですが。。。
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社内における営業関連の事務作業時間についての見込み時間ですか。
これを一律に月15時間としたいというわけですか。
事業場外活動についてはみなし労働時間制を導入されたわけですが、あとは、内勤時間をどう見ていくかで社内論争となっているということですね。
15時間分の時間外労働割増賃金を毎月固定で支給するという考え方でしょうが、
基本的な考え方が間違っているようです。
社外作業はみなしでいいですが、社内作業時間は別途把握し記録しなければなりません。
そして把握した時間数の割増賃金を支給しなければなりません。(事業場外みなし労働時間数を1日8時間とした場合)
本社事務職の平均残業時間数がどうであれ、営業関連の事務作業の実際の事務作業時間数を記録し、割増賃金を支給しなければなりません。
支給する一つの方法として、15時間は無条件に支給し、15時間を越えた時間数については別途残業手当を支給することが必要になってきます。
以下、長くなりますが、私が以前書いた記事をご紹介しておきます。事業場外みなし労働時間制について、多くの企業があやまった運用をしておられるようです。サービス残業でトラブルことがないよう慎重に検討して運用してください。
外回りの営業の従業員には 営業手当を支給しているから残業手当は払わないでいい、と考えるのは危険です。
会社の外で働いているのだから労働時間が把握できないし、そもそも営業手当は残業手当の分を含んでいる、 というのが支払わない理由だと思いますが、これらの言い分には重要な法解釈を見落としている場合が多いようです。
社外で勤務する者に対して労働時間の把握が困難な場合に原則として所定労働時間働いたとみなすことができますが、 以下のケースは除外されています。
1.
携帯電話を持たせられ、必要に応じて会社からの指示を受けているケースでは、 事業場外みなし制の対象とすることができない。
2.
会社において、当日の訪問先、帰社時刻など業務の具体的指示を受けた後、 社外で指示通りに業務を行うケースも、事業場外みなし制の対象にできない。
3.
グループを組んで社外で業務に従事する場合でそのメンバーの中に 労働時間管理をする者がいる場合。
逆に言い換えますと、訪問先を決めるのも帰社時刻を決めるのも従業員の裁量と なっていて、逐一外出先からの報告も義務付けられていない場合にはみなし制をとることができます。
では、このみなし労働時間制をとった場合すべて所定労働時間とみなすことができるのでしょうか。
この労基法第38条の2は、3段構えの条文となっており、1段目に、「労働時間の全部または一部を社外で 業務に従事した場合で労働時間を算定し難いときは、所定労働時間働いたものとみなす」としておきながら、 2段目には、「ただし、その業務を遂行するためには通常、所定労働時間を越えて労働することが必要となる 場合には、その業務に関しては、通常必要とされる時間働いたものとみなす」と、ただし書きがついています。
高い売上ノルマを課したり、訪問件数の目標を立てさせたりして、誰がやっても夜7時までには帰社できない ような業務を、安易にみなし制とすることを法律上防止しています。
「通常必要とされる時間」とは、通常の状態でその業務に客観的に必要な平均的な1日の業務時間とされています。 しかし会社が実際運用するにあたっては極めて曖昧な文章であり、時間を特定することが難しくなります。
そこで、この条文は、3段目に、「書面による労使協定がある場合はその協定で定めた労働時間を通常必要とされる 時間とする」、となっています。その業務の実態についてよくわかっている労使間で当事者同士が協議して決めた 時間をみなし時間とすることが望ましいとわけです。
たとえば、外勤営業に従事する従業員の代表とみなし時間を8時間とする協定書を交わすケースでは、8時間の 法定労働時間以内ですので、時間外手当の支払も36協定書の届出も不要となります。ただし日曜日だけが休日と なっている週の土曜日に外勤営業をさせた場合は、25%割増の時間外手当が必要となるので注意が必要です。 1年単位や1ヶ月単位の変形労働時間制のもとで、たとえば年間105日以上の休日を特定している場合は この限りではありません。
次に、この事業場外みなし労働時間制で注意すべき最大のポイントは、社内で仕事をした時間を別途加算 しなければならないという解釈がされている点です。条文の1段目の原則のように、社外にいるため労働時間を 把握できないときは就業規則で定める所定労働時間とみなしていいのですが、2段目のただし書きのように、 客観的・平均的に通常所定労働時間ではこなしきれない業務のときは、社外での労働時間と社内での時間とを 合算した時間が労働時間だとする行政通達があります。
中小企業が営業に対して事業場外みなし制をとることを慎重にすべき理由は、実はこの点です。だいたい平均的に 定時で帰社できるようになっている会社は問題ないのですが、恒常的に帰社時刻が19時や20時となっている 会社では何らかの対策が必要です。
法律学者の中には、社内で行った業務であっても営業日報の作成など社外業務の付随的業務は、協定した みなし労働時間に加算しなくていいとしています。社外で移動中にでもできる仕事を社内で従事したからといって 時間外労働とするのはおかしい話です。
ですから労使でみなし協定を締結するのも対策の一つです。でも定時を過ぎて帰社した後に営業会議を開くとか、 上司が特別の仕事を依頼した場合は別途その時間を把握しなければなりません。
労務を担当し始めたのですが、法令と現実とが複雑で
なかなか理解が進みませんので、教えて頂けませんか?
勤務先では、事業場外労働のみなし時間を所定労働時間(7時間)で導入しております。
また、30時間分の時間外手当相当分をみなし手当として、
毎月、予め基本給に加えて支給しています。
36協定(年360時間、月45時間)も締結しています。
①このやり方で、事業場内において就業した場合に関しては、最大30時間までカバーできることになるわけですが、
やり方としての問題はないでしょうか?
所定外時間数としては、所定労働時間の7時間に対して、
年で平均すると、月計50時間までは許されるとは思います。
②また、社内の等級資格に基づき、みなし時間数を決める際に、対象者全員一律ではなく、等級によって時間数に差をつけることは可能でしょうか?
具体的には、時間数を変更する際、例えば、主任は60時間、事務職は50時間等としたいと思いますが、その措置は可能でしょうか?時間数は36協定内で抑えるのが前提になるような気もしますが、あくまでもみなし時間なので、上限時間数は明確には決まっていないような気もします。具体的に記述されたものを見たことがないので。
③また、給与額を一定にした場合、みなし時間数を変更すれば、基本給と手当部分の構成額が変わってしまう可能性大ですが、労使が了解していれば、問題はないでしょうか?例えば、社会・労働保険料の算定基礎に影響が出る可能性がありますが、それは労使が了解していれば、許容されているのでしょうか?
お手数かけますが、なかなか書籍等には出ていないので、
よろしくお願い致します。
> 社内における営業関連の事務作業時間についての見込み時間ですか。
> これを一律に月15時間としたいというわけですか。
>
> 事業場外活動についてはみなし労働時間制を導入されたわけですが、あとは、内勤時間をどう見ていくかで社内論争となっているということですね。
>
> 15時間分の時間外労働割増賃金を毎月固定で支給するという考え方でしょうが、
> 基本的な考え方が間違っているようです。
> 社外作業はみなしでいいですが、社内作業時間は別途把握し記録しなければなりません。
> そして把握した時間数の割増賃金を支給しなければなりません。(事業場外みなし労働時間数を1日8時間とした場合)
>
> 本社事務職の平均残業時間数がどうであれ、営業関連の事務作業の実際の事務作業時間数を記録し、割増賃金を支給しなければなりません。
> 支給する一つの方法として、15時間は無条件に支給し、15時間を越えた時間数については別途残業手当を支給することが必要になってきます。
>
> 以下、長くなりますが、私が以前書いた記事をご紹介しておきます。事業場外みなし労働時間制について、多くの企業があやまった運用をしておられるようです。サービス残業でトラブルことがないよう慎重に検討して運用してください。
>
> 外回りの営業の従業員には 営業手当を支給しているから残業手当は払わないでいい、と考えるのは危険です。
> 会社の外で働いているのだから労働時間が把握できないし、そもそも営業手当は残業手当の分を含んでいる、 というのが支払わない理由だと思いますが、これらの言い分には重要な法解釈を見落としている場合が多いようです。
> 社外で勤務する者に対して労働時間の把握が困難な場合に原則として所定労働時間働いたとみなすことができますが、 以下のケースは除外されています。
>
> 1.
> 携帯電話を持たせられ、必要に応じて会社からの指示を受けているケースでは、 事業場外みなし制の対象とすることができない。
>
> 2.
> 会社において、当日の訪問先、帰社時刻など業務の具体的指示を受けた後、 社外で指示通りに業務を行うケースも、事業場外みなし制の対象にできない。
>
> 3.
> グループを組んで社外で業務に従事する場合でそのメンバーの中に 労働時間管理をする者がいる場合。
>
>
> 逆に言い換えますと、訪問先を決めるのも帰社時刻を決めるのも従業員の裁量と なっていて、逐一外出先からの報告も義務付けられていない場合にはみなし制をとることができます。
> では、このみなし労働時間制をとった場合すべて所定労働時間とみなすことができるのでしょうか。
> この労基法第38条の2は、3段構えの条文となっており、1段目に、「労働時間の全部または一部を社外で 業務に従事した場合で労働時間を算定し難いときは、所定労働時間働いたものとみなす」としておきながら、 2段目には、「ただし、その業務を遂行するためには通常、所定労働時間を越えて労働することが必要となる 場合には、その業務に関しては、通常必要とされる時間働いたものとみなす」と、ただし書きがついています。
> 高い売上ノルマを課したり、訪問件数の目標を立てさせたりして、誰がやっても夜7時までには帰社できない ような業務を、安易にみなし制とすることを法律上防止しています。
> 「通常必要とされる時間」とは、通常の状態でその業務に客観的に必要な平均的な1日の業務時間とされています。 しかし会社が実際運用するにあたっては極めて曖昧な文章であり、時間を特定することが難しくなります。
> そこで、この条文は、3段目に、「書面による労使協定がある場合はその協定で定めた労働時間を通常必要とされる 時間とする」、となっています。その業務の実態についてよくわかっている労使間で当事者同士が協議して決めた 時間をみなし時間とすることが望ましいとわけです。
> たとえば、外勤営業に従事する従業員の代表とみなし時間を8時間とする協定書を交わすケースでは、8時間の 法定労働時間以内ですので、時間外手当の支払も36協定書の届出も不要となります。ただし日曜日だけが休日と なっている週の土曜日に外勤営業をさせた場合は、25%割増の時間外手当が必要となるので注意が必要です。 1年単位や1ヶ月単位の変形労働時間制のもとで、たとえば年間105日以上の休日を特定している場合は この限りではありません。
> 次に、この事業場外みなし労働時間制で注意すべき最大のポイントは、社内で仕事をした時間を別途加算 しなければならないという解釈がされている点です。条文の1段目の原則のように、社外にいるため労働時間を 把握できないときは就業規則で定める所定労働時間とみなしていいのですが、2段目のただし書きのように、 客観的・平均的に通常所定労働時間ではこなしきれない業務のときは、社外での労働時間と社内での時間とを 合算した時間が労働時間だとする行政通達があります。
> 中小企業が営業に対して事業場外みなし制をとることを慎重にすべき理由は、実はこの点です。だいたい平均的に 定時で帰社できるようになっている会社は問題ないのですが、恒常的に帰社時刻が19時や20時となっている 会社では何らかの対策が必要です。
> 法律学者の中には、社内で行った業務であっても営業日報の作成など社外業務の付随的業務は、協定した みなし労働時間に加算しなくていいとしています。社外で移動中にでもできる仕事を社内で従事したからといって 時間外労働とするのはおかしい話です。
> ですから労使でみなし協定を締結するのも対策の一つです。でも定時を過ぎて帰社した後に営業会議を開くとか、 上司が特別の仕事を依頼した場合は別途その時間を把握しなければなりません。
すいません、ひとつお聞きしたいのですが、労基署に労使協定届け提出時に携帯電話について質問したところ「会社で持たせていて、たまに指示等が行われていても、四六時中携帯電話で繋がっているのではないのでみなしでも構いません」と言われたのですが、これはおかしい見解なのでしょうか?
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