相談の広場
3年前にAが社外より代表取締役として就任しました。
Aは6年前に借りた借金の返済の裁判をBから起こされ敗訴し(借金は会社とは関係は無いものです。)、会社の株式(発行済株式総数の3分の1)を全部差押えられていました。
Bから会社に対し株式の名義書換の要求を受けて初めて分かりました。
この件に関しての取締役会を開催しなければなりませんが、Aは特別利害関係人になるのでしょうか。
また、Aは10ヶ月前に取締役総務部長Cと話をして取締役会を開催せずに会社の株式(発行済株式総数の6分の1)をDに売買した事もわかりました。Dからは現在、何ら要求は無いのですがDは株主として認められますか。
以上の点よろしくお願いします。
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法務勉強中さん、こんにちは。
手続きについては、御社が譲渡制限会社であるかどうか、株券発行会社であるかどうかによって変わってきますので、譲渡制限がありその承認は取締役会で行うこととなっていて、株券は発行していないと想定し回答いたします。
まず、後半の6分の1の株式については、すでに売買はされており譲渡承認だけがされていない状況であると思われます。この場合、譲渡制限がついていて承認されていなくても当事者間では譲渡は有効とされています。
Dから名義変更の請求がくるまでは失念株式の扱いとなり、会社としてはAを株主のまま扱うこととなります。もし、DまたはAから譲渡承認の請求があがってきた場合は、取締役会にて、承認するか別の譲渡先を指定するか、自己株式として買取るか等の決定をすることになります。譲渡承認が認められた場合は、その後、A、D共同による名義書換請求を出してもらうこととなります。
次に前半のBによる差し押さえの件ですが、敗訴により保有株式のすべてを差し押さえられたとのことですが、会社法では名義書換を請求するには、取得者と名義株主が共同で行わなければならないとされていますので、A、Bがともに署名、押印した請求書を出す必要があります。また、その前提として上記のように取締役会における譲渡承認を受けておく必要があります。
あと、A、B間の譲渡がきちんと行われたのかどうかも確認された方がよいかと思います。共同で請求がなされれば、それでよい気もしますが、単にカタにとっただけであれば、質権登録ではないのかなとも思えますので。
特別利害関係人については、A、B共同で請求がされていればいいような気もしますがはっきりと申しあげられないです。すみません。
株券が発行されている場合は、手続は別になりますので、ご注意ください。
トラきち様
分かりやすくご説明頂き有難うございます。言葉足らずで申し訳ございませんでした。
再度の質問で恐縮ですがご回答いただければ幸いです。
弊社の株券は発行しています。Dに売買した株式は会社が保有していた発行済株式を代表取締役Aと取締役総務部長Cの二人で決めて売却したものです。他の取締役3名と株主には報告はしていません。(昨年の11月に株主総会を開催しています。)この場合はやはり株式売買は有効と成るのでしょうか。
Aの保有していた株式ですがBからはAが素直に応じず裁判所の許可を得て強制執行のうえ、取得したものと聞いています。この事から共同で名義書換請求が出てこない可能性が高いと思われ、B単独での請求になっています。この場合の対処はどの様にすればよいのでしょうか
法務勉強中さん、こんにちは。
まず最初の質問ですが、株券を発行されている場合は、取得者単独でも株券を添えて提出すれば名義書換は認められます(会社法施行規則第22条第2項第1号)。
会社が保有していた株式と書かれていましたが、Dに売買した株式が自己株式であるのなら、会社法第199条、第200条で規定されている募集の手続をとらなければならず、違法な譲渡がされたことになります。ただし、Dについては善意取得が認められますので、悪意または重過失を立証できない限りDの権利は認められます(会社法第131条第2項)。
会社としてはAおよびCに対して、損害賠償請求を行うこととなろうかと思います。
Bが取得したAの保有していた株式についても、株券が発行されていますのでB単独での名義書換請求は可能です。ただし、この前も申しあげたように、その前提として譲渡承認を取締役会にて受けておく必要がありますので、まずはBから会社に対し譲渡承認を求めてもらう形になります(会社法第137条)。
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