相談の広場
いつも大変参考にさせてもらつてます。
帰化した外国人の方で「来日して、年金を払って無く、今から厚生年金を払っても加入期間が足りなく払い損になるのでは無いかと質問を受けたのですが、そのとおりなのでしょうか?
もしそのとおりなら何か救済策を無いのでしょうか?
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国民年金法の第10条に、任意脱退についての規定があります(下に引用)。これはお尋ねの方のように、日本に来られてから60歳までの年数が短く、年金を納めても受給資格を満たせない方のための規定です(老齢厚生年金についても、国民年金の被保険者期間が25年ないと支給されません)。
加入後3箇月以内なら加入時にさかのぼって脱退できます。
ただしその方が来日される前に母国で類似の年金制度に加入しており、日本での年金加入期間と通算できる場合もあります。
あと、掛け捨てになる可能性はありますが、障害基礎年金や遺族基礎年金、死亡一時金などは25年の加入期間がなくても支給される可能性があります。
社会保険庁長官の承認が必要ですので、まずは社会保険事務所に相談されてください。
(任意脱退)
第10条 被保険者でなかつた者が第一号被保険者となつた場合又は第二号被保険者若しくは第三号被保険者が第一号被保険者となつた場合において、その者の次に掲げる期間を合算した期間が二十五年に満たないときは、その者は、第七条第一項の規定にかかわらず、いつでも、社会保険庁長官の承認を受けて、被保険者の資格を喪失することができる。
一 被保険者の資格を取得した日又は第二号被保険者若しくは第三号被保険者が第一号被保険者となつた日の属する月から六十歳に達する日の属する月の前月までの期間
二 その者が被保険者期間を有する者である場合におけるその被保険者期間
任意脱退についてはグレゴリオさんが触れておられますので、
救済措置という面からお答えさせていただきますね。
その方の年齢や帰化された時期はわかりますでしょうか?
年金には合算対象期間というものがあり、一定条件を満たせば加入期間に加算することができます。
(年金の額は増えませんが)
帰化してから年金を払っていない期間があまりに長期間だと、合算対象期間を加算しても受給要件を満たさない場合があるのは確かですが、
年金を払っていない期間がそれほど長くないのであれば、
合算対象期間を加味すれば加入期間が25年以上となる可能性がありますので、
そちらを確認してみてください。
【参考】
http://www.nona.dti.ne.jp/~nenkin/kiso/gassan.htm
http://www.matsui-sr.com/nen/nen18-3-1-7.htm
帰化してから現在まで不払いになっている期間の分については、2年前までは遡及して加入できます。
ですので、遡及して加入期間を増やすこともできますね。
また、60歳から65歳までは国民年金に任意加入できますから、それによって加入期間を増やすことができます。
合算対象期間と任意加入期間と足しても加入期間が25年に満たない場合、
65歳から70歳までのうち加入期間が25年になるまでさらに任意加入できますから、
それによって、加入期間が25年になる可能性はあります。
まずは、合算対象期間と任意加入によって、加入期間が25年以上になるようにできないかどうか、
確認してみてください。
確認手順としては、
●合算対象期間に当たる期間を確認する
●今後60歳まで加入したとして、合算対象期間を含めた期間が25年以上になるかどうか確認
●帰化してから現在まで未加入の分を2年前まで遡及して加入するかどうか検討
●上記で25年に満たない場合、64歳まで任意加入したとして、加入期間が25年になるかどうか確認
●それでも25年に満たない場合、69歳まで任意加入したとして、加入期間が25年になるかどうか確認
(実際には69歳までの任意加入は、25年に達した時点で脱退となります)
という感じでしょうか。
遡及加入や任意加入してまで受給資格を満たすようにするかどうかは、
最終的にはご本人の判断になるかと思います。
なお、年金には、加入期間中に障害が生じたり死亡した場合に、
一定条件を満たせば障害年金や遺族年金が受給できるなどの面もありますから、
合算対象期間・遡及加入・任意加入で受給要件を満たせる状況であれば、
現時点からでも加入するほうをオススメします。
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