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労働契約の承継について

著者 SCMK さん

最終更新日:2008年10月04日 08:58

このたび、ある事業部門の複数拠点を分割合併することになったのですが、その際の就業規則、給与規程、育児休業規程など労務関連諸規程については、労働契約条件の承継の観点から、当面、相手方のものをそのまま使用した方がよいのでしょうか?当面とは5ヶ月位を考えております。どのように扱うべきかどなたか教えてください。

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Re: 労働契約の承継について

合併については、商法が「合併後存続する会社又は合併によりて消滅したる会社の権利義務を承継す」(103条)としています。
このため、吸収合併の場合には、労働契約合併会社に当然に包括的に承継されると解されます。
消滅する会社とその従業員との間の雇用契約も、「包括的」に、すなわち個々の従業員との契約がそのままの形で、従業員の同意などの手続きも要せずに、そのまま継承されることとなります。

合併前の企業間で労働条件に差異があるとき、合併後に労働条件を統一するため、就業規則を変更する場合があります。
それによって不利益変更となった場合に、その不利益変更に合理性を認めた判例がありますが(大曲市農協事件・最三昭63・2・16)、合併のリスクは会社が負担すべきものであり、合併労働契約を包括的に承継するものですから、当然に合理性があるとはいえないでしょう。
なお、労働契約の承継に反対する労働者は、解約の自由を持つことになります。

以上のことから、退職金の制度も承継されることになります。
たとえ合併前の存続会社と消滅会社との間で「退職金制度については引き継がない」という合意があったとしても、個別労働者との関係ではただちにその合意が適用できることにはなりません。
こうしたことから、合併前に退職金規程を廃止ないし改正、あるいはいったん退職金を精算したうえで合併という運びになることが多いようです。

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