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申請書作成

社労士が教える!「事業再構築補助金」申請書づくりのコツ・書き方のポイント

2021.09.09

ウィズコロナ時代を迎える中、世界中の経済活動は目まぐるしい変化を遂げています。このような中で、日本の企業を守るために国が掲げた方策の一つが『事業再構築補助金』です。

『事業再構築補助金』は、補助金制度の中でも比較的注目度の高い位置づけにあることから、経営に携わる方ならば一度は耳にしたことがあるかもしれません。

今回は、この『事業再構築補助金』を検討している方に向けて、補助金の要件をお伝えするとともに、申請書作成のポイントやコツについて解説します。ご紹介する記載方法などは中小企業向けにフォーカスした内容になっていますので、ぜひ申請手続きの参考にしてください。

※最終更新:2021年9月

「事業再構築補助金」とは

『事業再構築補助金』とは、コロナ禍の中でこれまでの経営方針を見直し、ポストコロナ・ウィズコロナの時代に沿った形で事業を再構築しようと試みる中小企業をサポートし、日本経済の構造転換を目指していくために創設されました。

具体的には、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上の減少などをはじめ、厳しい経営を強いられる中小企業等に向け、事業再構築にかかった経費の一部を補助金として支給する制度です。

幅広いジャンルの経費が補助金の対象で、例えば中小企業の場合は上限額が最大8,000万円という高額の設定がなされている点に特徴があり、多くの企業から注目されている補助制度です。

「事業再構築補助金」に申請できる要件とは

『事業再構築補助金』の申請対象となる要件は、以下の3つになります。

(1)会社の売上が減少していること

次の要件のいずれにも該当する必要があります。

・新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた時期となる2020年4月以降から、連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ禍以前(2019年または2020年1~3月)の同3ヶ月間の合計売上高と比較して10%以上の減少がある
・2020年10月以降の連続して6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ禍以前の同じ3ヶ月間の売上高合計と比較して5%以上の減少がある

(2)事業再構築に取り組んでいること

企業で策定した事業再構築指針に沿った形で、新分野への展開や業態の転換、事業・業種の転換等を行っていることが必要です。

(3)認定経営革新等支援機関のサポートの上で事業計画を策定すること

国が定めた専門家などで構成される認定経営革新等支援機関のアドバイス等を受けながら、事業再構築に関する事業計画を策定する必要があります。

(4)付加価値額要件を満たしていること

補助対象となる事業が終了した後に、付加価値額(または社員一人あたり付加価値額)の年率平均が3%(ただし一部では5%)である必要があります。

「事業再構築補助金」事業計画書の作り方

ここからは、『事業再構築補助金』に関する事業計画書の具体的な作り方について説明をしていきましょう。

事業計画書は、認定経営革新等支援機関の支援を受けながら作成します。認定経営革新等支援機関とは、商工会議所や税理士、経営を専門にしたコンサルタントなど、会社経営に関するプロフェッショナルとして認定を受けた機関です。

支援機関を見つける方法は?

各地域の認定経営革新等支援機関については、『認定経営革新等支援機関 検索システム』のウェブサイトから検索できます。

検索システムを活用する理由は、当然ながら『事業再構築補助金』の申請に明るいプロフェッショナルを見つけることです。効率よく検索するポイントは、以下の通りになります。

(1)トップ画面で該当する都道府県をクリックし、“検索条件”項目を起動する
(2)検索条件の“相談可能内容”の項目で、“事業計画作成支援”のチェックボックスをクリックした上で検索をかける
(3)検索結果となる支援機関一覧が表示されたら、画面の上にあるプルダウンメニューから、“【事業再構築補助金】支援実績(降順)”を選択する

上記の作業でフィルタをかけることにより、事業計画作成支援に詳しい機関を洗い出すことができますので、ぜひ一度試してみてください。

自社にあった支援機関を選ぶコツは?

自社に沿った形の認定経営革新等支援機関を見つけることが何より重要です。前項目で紹介した検索方法で抽出された企業に、まずはメールや電話で連絡を取ってみましょう。

支援機関として登録されている企業でも、補助金に関するサポートへの温度差が異なるケースがあります。ポイントとしては多くの企業から情報収集をすることです。検索の結果が少なく選択肢があまりない場合は、地域を拡大して再検索してみるなどの方法を取ってみてください。

なお、補助金申請の際には、支援機関が発行する確認書が求められます。企業が自力で事業計画書を作成した場合でも、支援機関に事業計画書を確認・監修してもらう必要があるので、早い段階で自社にあった支援機関を見つけたほうがよいでしょう。

事業計画書には何を書くの?

実際に作成する事業計画書は、A4サイズ15枚以内のボリュームで作成します。そのボリュームに驚かれる場合もありますが、画像や図、表を交えて順に記載をしていけば、規程枚数に達するまでにそれほど負担を感じないケースも多いです。

事業計画書には、“補助を受ける事業の具体的な取組内容”、“顧客数や売上の見込み値などの将来的な展望”、“事業再構築のために取得する予定の設備や機械などの資産”、“会社全体の今後5年程度の収益計画”などを記載します。

採択されやすい申請書作成のコツ

最後に、採択に結び付きやすい事業計画書を作成するためのコツについて伝授しましょう。

(1)わかりやすい計画書の作成を心がける

まず何より重要な点としては、誰もが分かりやすい、平易な言葉づかいを心がけることです。

さまざまな職種の人と接する機会の多い経営者ならば、専門家が作成した専門用語や難解な言い回しが多用された文書に辟易した経験が一度はあることでしょう。そのような文書に意見を求められたとしても、「よく分からないから、判断がつかない……」と感じるのではないでしょうか。これと同じことが、審査の担当者にもいえます。

『事業再構築補助金』の審査については、個々の事業に関する専門的な知識がない人が担当するということを常に念頭に置く必要があります。専門的かつ難解を極める内容が記載された計画書では、審査担当者の理解に結び付かない可能性がありますので注意しましょう。

対策としては、全く自分の会社についての専門的知識がない人に、申請前に完成した事業計画書を読んでもらい、意見を求める方法が挙げられます。

(2)計画の根拠となる内容をはっきりと示す

『事業再構築補助金』は、あくまでもポストコロナ・ウィズコロナにおける経済を活性化させるために打ち出された制度です。

したがって、計画書に記載された収支計画やマーケティングに関する計画の内容は、実現できる可能性が高いものである必要があります。明確な根拠を提示した上ではっきりとした計画内容を提示することができれば、審査においてプラスに働く可能性が高まります。具体的に気をつけるべきポイントは下記の通りです。

・補助金の対象要件を満たしているか
・新規で開始する事業の計画性や将来性があるか、また実現に向けたマーケットが存在すると認められるか
・会社の財務体制は健全か
・事業の再構築内容が大胆なものであるか
・新型コロナウイルスの流行により事業環境が悪化したか
・自社のセールスポイントと市場ニーズがマッチしているか

曖昧な根拠による計画内容は受け入れられない可能性があることを覚えておきましょう。

(3)事業計画書のページ数を守る

前述の通り、事業計画書はA4で15ページ以内(補助金額が1,500万円以下の場合は10ページ以内)が原則です。

枚数はあくまでも原則ではありますが、実際に上限数の提示があることから、ルールに沿った形で提出した方が有効だと考えられます。したがって、計画書の作成に熱が入り、原則枚数を超えてしまいそうな場合もあるかもしれませんが、できる限り指定されたページ内に収めるようにしましょう。

まとめ

事業計画書は、一定のボリュームで、さまざまな観点から詳細を記載する必要がある書類であることから、経営のプロフェッショナルである認定経営革新等支援機関から適切なアドバイスを受けながら作成をすることが非常に重要となります。

特に『事業再構築補助金』は、採択後も計画書に沿った形で事業を進めることになることから、計画書作成時に依頼した支援機関のサポートを受ける方法が有効です。まずは、信頼できる支援機関を探すことから始めてみましょう。

【参考】
事業再構築補助金』 / 経済産業省

認定経営革新等支援機関 検索システム』 / 中小企業庁

* mapo / PIXTA(ピクスタ)