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研究・調査報告

ファッション・コスメ販売員にとってECは「敵」か。「EC購入を店頭で勧めない」88.8%「ECが脅威だと思う」53.5%ファッション業界に特化した【iDAファッション総研】設立

  • 最終更新日
    2019年03月15日 11:04
全国ファッション・コスメ販売職スタッフ882人「ファッション販売のECに関する意識調査」実施結果

ファッション・コスメ業界に特化した人材会社iDA(アイ・ディ・エー、代表取締役社長加福真介)ではこの度、ファッション・コスメ業界や働く人の意識の動向について、いち早く把握をするために独自で調査を行い発表していく【iDAファッション総合研究所】(研究所所長 堀井謙一郎、以下iDAファッション総研)を設立いたします。 今回は2019年1月31日(木)~2月21日(木)の間、iDA派遣スタッフ882人を対象に、「ファッション販売のECに関する意識調査」をテーマにしたインターネットリサーチを実施しました。


■調査背景
ファッション・コスメ業界の様々な企業・店舗で働くiDAスタッフは、年齢、居住地域、キャリアも様々です。iDAではこの度、就業者の傾向などまとまったマーケティング調査を実施。iDAから働く販売職の派遣スタッフ882人に「ファッション販売のECに関する意識調査」をいたしました。報道・マーケティングの資料としてぜひご活用ください。

【調査概要】
1. 調査の方法…全国iDA就業派遣スタッフに対してWEBアンケート方式で自社調査を実施
2. 調査の対象…全国のiDA派遣スタッフ※2018年12月~2019年1月時点の、iDA派遣就業者
3. 有効回答数…882人※販売職就業者に限定(20代以下291人、30代287人、40代225人、50代以上79人)※中央値36歳、女性831人、男性51人4. 調査実施日…2019年1月31日(木)~ 2月21日(木)

■調査項目と回答概要
Q1●あなたが店頭で接客をしたお客様が、あなたが勧めた商品を店舗ではなくネット通販(EC)で購入された場合、どのように思いますか。(複数回答)
→「ネット通販(EC)は便利なので仕方ないと思う」45.8%が最多など、販売員もEC購入に共感する結果に


Q2●あなたが店頭で接客をするうえで、「ネット通販(EC)」が脅威(来店が減った・試着だけで退店する人が増えたなど)と感じたことはありますか。(単一回答)
→「どちらかといえばある」34.5%「ある」19.0%、足しあげると53.5%が「ネット通販(EC)が脅威だと感じる」と回答

Q3●あなたは店頭で接客をする際、ネット通販(EC)での購入を勧めていますか。(単一回答)
→「どちらかというと勧めていない」34.6%、「勧めていない」54.2%となり、足し上げると88.8%が「勧めていない」と回答

Q4●では、あなたが店頭で接客をする際、店舗に在庫がない場合にネット通販(EC)での購入を勧めていますか。(単一回答)
→「どちらかといえば勧めていない」24.0%、「勧めていない」43.9%となり、足し上げると67.9%が「勧めていない」と回答

Q5●実店舗に来店する前に、ネット通販(EC)をみているお客様はいますか。※お客様から、「ECをみて来店した」と言われた場合や、ECの画像を見せられた場合などをご想定ください。(単一回答)
→「いない」4.2%と、ほとんどのお客様が来店前にネット通販(EC)を見ていることが分かる結果に


■以下調査詳細
Q1●あなたが店頭で接客をしたお客様が、あなたが勧めた商品を店舗ではなくネット通販(EC)で購入された場合、どのように思いますか。(複数回答、N=882)

問1_全体
問1_年代別
全体では、「ネット通販(EC)は便利なので仕方ないと思う」45.8%が最も多く、次いで「ネット通販(EC)の方が割引などあったりするので仕方ないと思う」43.7%となりました。併せて「どうしてネット通販(EC)で購入するのか理解できない」0.8%と、販売職のほとんどの皆さんがEC購入に共感していることがわかります。一方「せっかく店舗で接客したのに悲しい」32.7%と、およそ3人に1人は「悲しい」と感じているようです。

Q2●あなたが店頭で接客をするうえで、「ネット通販(EC)」が脅威(来店が減った・試着だけで退店する人が増えたなど)と感じたことはありますか。(単一回答、N=882)

問2_全体
問2_年代別

全体では、「どちらかといえばある」34.5%、「ある」19.0%で、足しあげると53.5%が「ネット通販(EC)が脅威だと感じた事がある」と回答しました。「ない」18.3%は最も低く、年代別では「ない」30代15.0%と、最も低い結果となりました。30代の販売員が在籍するブランドのお客様は、特にECを活用する傾向があるのかもしれません。その他年代別では、特に大きな差は見られませんでした。20代と50代でも「ネット通販(EC)を脅威と感じるか」に大きな差はないのですね。

Q3●あなたは店頭で接客をする際、ネット通販(EC)での購入を勧めていますか。(単一回答、N=882)

問3_全体
問3_年代別
【自由回答】
■勧めている

「在庫が無い場合などは積極的におすすめしています。 在庫が無い事で他店に流れるよりは、ネットで購入して頂ければ最終的には売上につながるからです」(32歳、鹿児島県)

■どちらかといえば勧めている
「届けてもらえるから、お客さまが持ち帰らなくて良いから。マットなど重いものが多いし、サイズの確認をゆっくりできるから」(30歳、東京都)

■どちらかといえば勧めていない
「店頭に在庫がなく、オンラインにはある場合のみおススメしています」(42歳、石川県)
「ネット通販よりもメリットがあると思うような接客と信頼関係を目指しているから。 ヘアアクセサリーの販売のため、購入後もヘアアレンジ提案等のアフターケアが必要なお客様が多いから」(26歳、愛知県)

■勧めていない
「せっかく来て頂いているので、実際商品を見て触ってご購入頂きたいです」(38歳、広島県)「コピー品もあるので」(46歳、大阪府)

全体では「どちらかというと勧めていない」34.6%、「勧めていない」54.2%となり、足し上げると88.8%が「勧めていない」と回答しました。「勧めている」は1.6%とかなり低く、まだ販売員からネット通販(EC)を勧めることはほとんどないことがわかります。自由回答には「接客や実際に商品を見て触ってほしい」という意見が多い一方、「在庫がない場合は別」という意見もみられました。

Q4●では、あなたが店頭で接客をする際、店舗に在庫がない場合にネット通販(EC)での購入を勧めていますか。(単一回答、N=882)

問4_全体
問4_年代別
全体では「どちらかといえば勧めていない」24.0%、「勧めていない」43.9%となり、足し上げると67.9%が「勧めていない」と回答しました。Q3と比較すると「勧めていない」88.8%に比べ下がりますが、やはり「勧めない」人が多いことが分かります。Q3の自由回答でも「在庫がない場合は勧める」という意見も一定数見られました。年代別では「勧めている」20代は18.6%に対し50代以上は2.5%と、年代で開きがあるようです。50代以上は「勧めていない」62.0%と、他年代より「勧めない」傾向があることが分かります。

Q5●実店舗に来店する前に、ネット通販(EC)をみているお客様はいますか。※お客様から、「ECをみて来店した」と言われた場合や、ECの画像を見せられた場合などをご想定ください。(単一回答、N=882)

問5_全体
問5_年代別
全体では「いない」4.2%と、ほとんどのお客様が来店前にネット通販(EC)を見ていることが分かります。特に「多い」22.4%、「どちらかといえば多い」41.5%を足しあげると63.9%が「多い」と回答しました。年代別でも「どちらかといえば多い」20代43.0%、30代42.2%、40代39.6%、50代以上39.2%と、全年代で最も多く、年代に限らずネット通販をチェックしていることが分かります。


■総論
昨今、時と場所を選ばない利便性や消費者の思考の多様化、スマホの普及等の要因によりファッション業界でもネット通販(以下EC)での売上高比率が右肩上がりの中、実店舗の存在価値を問う声もあがってきています。ZOZOTOWNに代表されるECモールだけでなく、商業施設や百貨店等もEC化を進めており、店頭との連携を強めオムニチャネル化を促進することが店頭とECの共存を進める中で急務とされています。
このような市場環境の中、「現場で働く販売員はどのように思っているのか?」を検証すべく今回の調査を実施いたしました。

調査の結果、本来同じブランドを盛り上げ、売上拡大を目指すべき店頭とECは、店頭販売職からは脅威だと感じられており、まだまだ共存しているとは言い難い状況です。「ECをお勧めしているか」の問いに対しては「どちらかというと勧めない」を含めると実に9割弱の販売員が勧めていないと回答しています。

まだまだ店頭では、自分達の売上や職場を奪う可能性がある脅威ととらえられている現状がみてとれます。
一方お客様側はどうかというと、ECサイトを見てから来店されるお客様は半数以上にのぼり、お客様の店頭とECのボーダレス化は促進されているでしょう。

「店頭では在庫がないが、EC上ではある」やその逆もまだまだ聞かれる中、システム上の統合やECサイトの内製化による在庫統合管理やブランディングの統一等、オムニチャネル化はシステム上進んでいるように見えますが、それよりもオフラインで顧客の生の声を聞き接点を持ち、ブランドを体現している店舗及び販売員と一緒にブランドを盛り上げていくというマインドセットが急務ではないでしょうか。少なくとも「ECは敵ではなく仲間である」との認知が広がりマインドセットを促進する事で、販売員のITリテラシー向上及びECサイト紹介促進に繋げ、販売員の生産性向上を実現することが、真のオムニチャネル化の実現への第一歩ではないかと考えます。

■研究所長より【iDAファッション総合研究所】設立に際するご挨拶

堀井謙一郎
2019年3月14日を以って「iDAファッション総合研究所(以下 iDAファッション総研)」を設立いたします。iDAファッション総研では、今後も定期的にファッション・コスメ業界の就業者へ向けアンケートを実施し、プレスリリースとして発表して参ります。
ファッション・コスメ業界の人材会社のトップリーダーとして、就業者の傾向や現状をいち早く把握し、今後の同業界の皆様の参考資料となること、業界活性化に繋がることを目的としております。ブランドや地域が偏らず、多くの業界従事者へ幅広くアンケートができるのは弊社の強みとなります。ぜひ今後も発表内容をご確認いただけますと幸いです。


【堀井謙一郎プロフィール】
株式会社iDA 取締役。1974年生まれ。1998年東京スタイル入社後、2002年テンプスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)入社。15年以上に渡り販売事業人材業責任者として、ファッション・コスメ業界の派遣・販売代行・採用代行等サービス、販売接客系職種と幅広い領域を担当。2018年iDA入社、取締役就任。

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