JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 矢代隆義)は、先進安全装置である「オートハイビーム※」の切り替えのタイミングや対象物の違いによる反応、また眩惑について検証を行い、その結果を3月15日(金)にホームページに公開しました。
※オートハイビームとは、前方の状況に応じて自動的にハイビームとロービームを切り替える「自動切替型前照灯」のこと。メーカーによって名称は異なりますが、本テストでは「オート ハイビーム」の名称に統一しています。
オートハイビームを使用した場合、状況に応じてすばやくヘッドライトが自動で切り替わるか、対向車等を眩惑させるおそれはないか、タイプの異なる3台の乗用車で2つのテストを行いました(街灯のない道路を想定)。
テスト1:対向車とすれ違い後、すぐにロービームからハイビームに切り替わるか?
テスト方法:
1.オートハイビームを作動し、テスト車がロービームで対向車に向かって60km/hで走行
2.対向車とすれ違い後、ハイビームに自動で切り替わった時間を測定
結果:テスト車が対向車の横を通過後、短時間でロービームからハイビームに自動で切り替わった
各車とも1秒台~3秒台の短時間でロービームからハイビームに切り替わりました。しかし、60km/hの場合、ロービームのまま約19m~58m走行してしまうため、対向車の後方から歩行者が横断してくるような場面では発見が遅れてしまうことも考えられますので、注意が必要です。
テスト2:対向車等がある場合、どれくらい手前でハイビームからロービームに切り替わるか?
テスト方法:
1.テスト車がハイビームを点灯して対象物(対向乗用車、バイク、自転車、歩行者、先行乗用車)に向かって60km/hで走行
2.どこまで近づくと、ハイビームからロービームに切り替わるのか、距離を測定
結果:歩行者や自転車に対しては、ハイビームからロービームに自動で切り替わらなかった
対象が対向乗用車の場合は約750m手前で、先行乗用車の場合は約580m~670m手前、バイクは約190m~490m手前でハイビームからロービームに切り替わりました。しかし、歩行者や自転車に対しては各車とも切り替わらずハイビームのままでした。
以上の結果から、オートハイビームは基本、歩行者や自転車にはハイビームからロービームに自動で切り替わらないことがわかりました。歩行者や自転車を確認したら、眩惑させないように手動で切り替えることが大切です。
また、街灯やガードレールの反射板、標識などがあると、ロービームからハイビームに切り替わらなかったり、切り替えが不安定になることもあります。
オートハイビームの機能を過信せず、状況に応じて手動で切り替えましょう。
※テスト結果の数値は3回の平均
※結果は前方の照明の有無や対向車両のライトの明るさなどで変わることがあります。
■テスト結果:JAFユーザーテスト
資料編:
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/beam/detail3.htm
動画編:通常版
http://movie.jaf.or.jp/details/227.htm
ダイジェスト版
http://movie.jaf.or.jp/details/228.htm
■関連リンク
ASV(先進安全自動車)の紹介:
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/asv_cg/index.htm
見えない!止まれない!ロービームの限界を知る:
http://movie.jaf.or.jp/details/35.html
ADB(配光可変ヘッドランプ)の効果:
http://movie.jaf.or.jp/details/36.html企業プレスリリース詳細へPRTIMESトップへ