> どうして事業所は労災と認めてくれなかっのか解りません。
業務中の疾病発症が必ずしも労災に当たるわけではないということはご存知でしょうか?
疾病が労災に当たるかどうかは、それが“業務に起因”して発症したものかどうか?で判断されます。
もっと具体的に言うと、
既往症の有無や業務形態、従事期間等を総合的に判断して、
その傷病が“業務に起因”して発症したものと言えるかどうか?によることになります。
たとえば、極端な例ですが、
もともと腰が悪かった人が、特に腰に負担がかかる業務をしていたわけでもないけど、
たまたま業務中に激痛に襲われる、というケースもありえますよね?
こういったケースだと、その腰痛はもともとの既往症がたまたま業務中に発生しただけであって、
業務起因性はない、すなわち労災ではないと判断される可能性大ということになります。
業務中のケガや事故であれば、業務起因性の有無を判断しやすいのですが、
疾病の場合は、前述のとおり、既往症の有無や業務形態、従事期間等を総合的に判断しないと、
“業務に起因”して発症したものと言えるかどうかがわかりませんから、
ケガや事故の場合と比べると、認定に時間がかかったり、不認定となるケースが少なくありません。
勤務先が労災と認めてくれなかったとのことですが、考えられることとしては、
ほんとに“業務に起因”して発症したものではないと考えているか、
労災の申請やその後の休業補償の手続き、労働基準監督署への届出などがめんどうなのか、
労災認定者が出ること自体を嫌がっているのか、
(労災保険のメリット制が適用されている事業所だと、労災を出すと労災保険料が上がる場合があります)
とういうようなあたりかと思います。
まあ、とはいっても、
すでにご自身で労災の申請はされたようですから、
あとは労働基準監督署がどう判断するかしだいでしょう。
ちなみに、腰痛に関する労災の認定基準については、
以下のような通達が出ています。
参考まで。
【参考】
業務上腰痛等の認定基準等について(昭和51.10.16基発第750号)
http://joshrc.org/kijun/std03-2-750.htm