
アウトソーシングでコア業務に集中!委託できる業務・ できない業務を具体例を交えて解説
企業経営において、業務の効率化とコスト削減は常に重要な課題です。その解決策として注目を集めているのが「アウトソーシング」です。自社の業務の一部を外部の専門業者に委託することで、経営資源を本業に集中させることができます。本記事では、アウトソーシングの概要やメリット、適した業務例などについて詳しく解説していきます。アウトソーシングを活用して、ビジネスの成長と競争力の向上を目指しましょう。
アウトソーシングとは
アウトソーシングとは、「外注」や「業務委託」「パートナー」などとも呼ばれ、企業が自社の業務の一部を外部の専門業者に委託することをいいます。これにより、企業は自社の中核業務に集中しつつ、専門性の高い業務を効率的に処理することができるのです。
アウトソーシングの対象となる業務は多岐にわたり、人事、経理、IT、カスタマーサポートなど、さまざまな分野で活用されています。企業にとっては、コスト削減や業務効率化、専門知識の活用などのメリットがある一方で、情報セキュリティや品質管理などのリスクも考慮する必要があります。適切な業務選定と管理を行うことで、アウトソーシングは企業の競争力向上に貢献する重要な戦略となります。
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BPOやBPaaSとの違い
アウトソーシングとは、業務の一部を外部委託する広義の概念です。一方、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は業務プロセス全体を外部に委託することを指します。たとえば、経理の場合は記帳や経費精算だけを部分的に委託するのが「アウトソーシング」です。一方、経理業務全体を丸ごと一つの業者に委託してしまうのを「BPO」と呼びます。
BPaaS(ビーパース)は「Business Process as a Service」の略称で、クラウドとBPOを融合させたサービスモデルのことです。従来、クラウドを使ったサービスは顧客自身で操作するサービスが中心でしたが、BPaaSの場合はクラウドを使って効率化された業務全体を委託します。
アウトソーシングが最も広い概念で、BPOはその一形態、BPaaSはそれにクラウドによる効率化も盛り込んだサービス形態といえます。
業務をアウトソーシングするメリット
アウトソーシングには多くのメリットがあります。
- 専門業者に任せることで、人件費や設備投資を抑えられる。
- 自社の強みに集中できるため、生産性が向上する。
- 専門知識や最新技術を持つ外部のプロフェッショナルを活用できる。
- 繁忙期や突発的な業務にも柔軟に対応できる。
- 災害時でも離れた委託先なら業務継続できる可能性がある。
これらのメリットにより、多くの企業がアウトソーシングを活用し、競争力を高めています。
アウトソーシングできる業務は?
アウトソーシングできる業務は、主に企業の中核事業以外の周辺業務や、専門性の高い特定の業務です。一般的に、以下のような例が挙げられます。
- データ入力や文書作成などの一般事務
- コールセンター
- 経理・人事
- 法務
- 翻訳
- デザイン
- マーケティング
- ITシステムやWebサイトの開発・保守
- 清掃や警備などの施設管理業務
- 社員食堂の運営
- 講師
- イベント運営
こちらに挙げたのはごく一部です。他にも、さまざまな専門業務を請け負うアウトソーシング業者があります。企業は自社のコア・コンピタンスに集中し、それ以外の業務を外部のプロフェッショナルに任せることで、業務効率化とコスト削減を図ることができるでしょう。ただし、アウトソーシングする業務の選定には慎重な検討が必要です。
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アウトソーシングに適さない業務としては、以下のような業務があります。
- 企業の中核となる戦略立案や意思決定
- 資金調達
- 機密性の高い情報を扱う業務
- 法的規制が厳しい分野の業務
- 人材育成や組織開発
- 顧客との直接的な関係構築が重要な営業活動
- 製品・サービスの根幹に関わる研究開発
これらの業務は、企業の競争力や独自性に直結するため、自社で責任を持って遂行することが重要となります。
業務をアウトソーシングする際の注意点
アウトソーシングを成功させるためには、以下の点に注意が必要です。
まず、委託先の選定には慎重を期すべきです。実績や信頼性、財務状況などを十分に確認し、長期的なパートナーシップを築けるかを見極めてから依頼しましょう。同じ業種のアウトソーシング業者でも、業者によってカルチャーが異なり、きめ細かい伴走型のサービスを売りにしている業者から、丸投げで全部やってくれる業者までさまざまです。委託する業務の範囲や責任の所在は、契約書で明確にし、トラブルが起きにくい体制を整えましょう。
また、アウトソーシングは下請法や独占禁止法などの規制対象となる場合があります。契約や発注の様態が法令に違反しないように注意しましょう。
まとめ
アウトソーシングは、企業が業務効率を上げ、コストを削減するための有効な手段です。適切な業務を外部に委託することで、自社のコア業務に集中でき、専門性の高いサービスを受けられるメリットがあります。一方で、重要な意思決定や機密情報に関わる業務はアウトソーシングに適さないため、慎重に検討する必要があります。導入に際し成功のカギとなるのは、自社の状況を正確に分析し、適切なパートナーを選ぶことです。アウトソーシングを効果的に活用することで、企業の競争力向上につながるでしょう。
*mapo_japan/shutterstock