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ビービーメディア 佐野さま

ブランドが輝く物語をともにつくる!ビービーメディア株式会社社長・佐野真一氏にインタビュー

2024.04.08

時代の最先端をひた走る経営者に、経営の本質に関わる“5つの問い”を投げかけ、成功の秘訣を紐解くのが本連載「成功を掴んだターニングポイント」。

今回は、ビービーメディア株式会社 代表取締役社長 佐野真一氏にお話を伺いました。

ブランドを輝かせることを目指す映像・ウェブ・体験型コンテンツの企画および制作を一気通貫でおこなうクリエイティブプロダクションであり、分野を超えて発揮するクロスメディア・クリエイティブに定評があります。

TVCMなどの映像制作やコーポレートサイトやブランドサイトなどのホームページ制作、ARやVRなどテクノロジー技術を活かしたコンテンツ制作まで幅広く展開。著名な企業や官公庁のブランドコンテンツを多数制作しています。

今回は、ビービーメディア株式会社の設立から現在までの転換期や組織づくりについて、経営の本質に直結する“5つの問い”を投げかけてみました。

ビービーメディア株式会社
代表取締役社長
佐野 真一

1980年サントリー株式会社入社。5年間の営業を皮切りに、社内留学、営業企画、情報システム、秘書などを経験。1991年、父親が経営するTVCM制作会社に入社。1999年インタラクティブコンテンツの企画・制作を手掛けるインスト株式会社を設立し、社長に就任。2001年1月TVCM部門とWEB部門を一体化したハイブリッドプロダクションを目指してビービーメディア株式会社に社名変更。

Q1. 自社の歩みのなかで印象に残っている“転換期”について教えてください

弊社は私が創業したWEB制作のインタラクティブ企業と、TVCMの制作会社との合併により誕生したのですが、当初は社屋も別々で、カルチャーもまったく異なっていました。

両者の違いについて認識していたものの、そのままでよいと考えていました。次第に社員は増えていき、組織がそれぞれ大きくなっていくなかで、コンプライアンス違反が起きたのです。そこが大きな転換期になりました。

経営者として深く反省するとともにこのままではダメだと気が付き、『ONEビービーメディア』を標榜し、まずは離れていた社屋を一つにしました。組織も2つの事業部を解体し、横断する3つの部門に改編、次にコンプライアンスの検証や行動規範を整え、外部の通報窓口をつくるなど、環境・組織・ルールを変えることで再出発することができました。

もう一つの転換期はやはりコロナ禍です。早々にハイブリッドワークでやっていくという決断をし、現在では遠隔地勤務にも対応しています。しかし働き方がバラバラになると、どうしても組織を束ねるための対策が必要となります。

そこで理念を再構築する必要があると考え、パーパス・MVVを幹部社員が中心となってつくっていきました。

Q2. 自社のパーパス、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)についてお伺いします

元々、ビービーメディアという社名は“Brighten Brand(ブランドを輝かせる)”を由来としているので、理念自体は創業当初からあったのですが、当時はそれほど重要視をしていませんでした。

しかしコロナ禍をとおして社員の働き方がバラバラになり、さらには外国籍の社員も増えてきたことで社内でも価値観の多様性が見られるようになりました。社員がバラバラにならないよう道筋を示す必要があると思い、言語化するに至りました。

多くの社員たちが自ら考えたことで、“自分ごと”として捉え、理念に則った行動ができると考えています。人事の評価基準のなかにも、“企業理念を体現する”という項目を設け、社員各自が、理念に沿った業務目標を立てています。

また、名刺には自由に好きな言葉を入れられるようにしています。企業理念をふまえて「自分は何をしたいのか」「自分はこういう人だ」と自らアピールするためでもあります。

Q3. 採用や組織づくりにおいて重視されている点について教えてください

弊社では毎年新卒採用をおこなっています。一番はグッドネイチャー(根がいい)。さらに好奇心が旺盛でコミュニケーションを取るのが好きな方だと、弊社のカルチャーにマッチしていると思います。

近年ではイノベーションのジレンマを乗り越える方法として『両利きの経営(ambidexterity)』という組織学習の概念が注目を集めていますが、社内の縦割り組織廃止のためにも、この概念を組織づくりに取り入れています。

社内には25個のチームが存在し、社員は複数のチームに所属します。あるチームではリーダーだけど、あるチームではメンバーとなることで、“役職”ではなく“役割”を持って、みんなで協力し合える組織を目指しています。

かつては「人づくり=会社づくり」で上手くいくと思っていました。人が成長してスキルが上がれば、自ずと会社もよくなるはずだと考えていたのです。ですが、組織づくりにおいてはそれだけでは不十分で、しっかりとした組織開発が必要だと感じるようになりました。

Q4. オフィス移転(リニューアル)の背景と目的・移転後の社内の変化(働き方や状況など)

移転のきっかけは、入居していたビルの取り壊しによるものでしたが、オフィスには社内の求心力を高める役割があると考えているため、ただ綺麗なオフィスにするのではなく、企業理念や経営戦略の具現化を意識してつくっていきました。

社員の声を吸い上げ、知り合いの優秀なオフィスデザイナーチームの力も借りながら、働く社員と訪れるゲストに来たいと思わせる、サステナブルで唯一無二のオフィスが出来上がりました。

世界のワーカーがどのようなところで働きたいかというアンケートでは、ベストスリーが自然光・グリーン・眺望だというデータがあります。そのため、3面採光を活かすとともに、壁を極力なくしました。ロビーから一人ひとりの光の粒が集まって大きな光の環につながるようにデザインし、グリーンも多く設置しています。

また、移転に際して片付けコンサルを入れて社内の荷物を50%減らし、“無駄なモノは買わない”を徹底しています。たとえばガムテープ一つをとっても、以前はいろいろなチームが買っていて、バラバラの場所にありました。そうすると使いかけのガムテープが増えていき、結果的にゴミになってしまいます。

必要なときにはすぐに見つからず、探す時間もロスになります。モノを置く場所はあえて社内の中央に設置をすることで、誰の目にも止まるようになり自然と整理整頓ができています。

Q5. 企業の成長についてお考えをお聞かせください

近年は、スキルが同質化しているなかで、個人の力だけではなく、チームで取り組むからこそ、弊社独自の付加価値が生まれ、ビービーメディアの力を発揮することができます。「付加価値づくり=企業の成長」であると捉えているので、ここを強化していきます。

また、本当は価値があるのに埋もれてしまっているブランドやモノをお客様と一緒になってつくり、日本のブランドが世界に出ていくお手伝いをしていきたいと考えています。一社でできることは限られています。外部とのコラボレーションも活発に行いながら、ブランドの輝きで未来を明るく輝かせていきたいです。

***

独自性や付加価値を生み出すためには、“チームとして最大限の力を発揮できる組織づくり”が重要であるという佐野氏。社員が日々働くオフィスにも、組織づくりへの思いが込められていました。

多くの企業でも、パーパスやMVVをいかに浸透させるかということが課題となっているかもしれませんが、オフィス自体がパーパスやMVVの浸透を促す効果もあるのですね。

是非、参考にしてみてください。

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