登録

会員登録いただけると、

  • メールマガジンの受け取り
  • 相談の広場への投稿 等

会員限定のサービスが利用できます

登録(無料)を続ける
TOP > 記事一覧 > 経営・財務 > 「来たくなるオフィス」を体現。事業拡大を続ける株式会社アドウェイズ代表取締役社長・山田翔氏にインタビュー
山田翔代表_アイキャッチ

「来たくなるオフィス」を体現。事業拡大を続ける株式会社アドウェイズ代表取締役社長・山田翔氏にインタビュー

2023.08.28

時代の最先端をひた走る経営者に、経営の本質に関わる“問い”を投げかけ、成功の秘訣を紐解くのが本連載「成功を掴んだターニングポイント」。今回は、株式会社アドウェイズ代表取締役社長の山田翔氏にお話を伺いました。

株式会社アドウェイズは、創業者の岡村陽久氏によって2001年に設立され、2006年に東証マザーズ、2020年に東証一部に上場、2022年に東証プライム市場に移行したインターネット広告企業です。現在は広告という枠だけに縛られず、さまざまなニーズに対応したサービス・プロダクトも開発・提供し、アジアを中心とした世界各国にも事業展開を行い、成長を続けています。今回は、2021年7月より代表取締役社長に就任した山田氏に、企業を成長させる上で重要なこととは何か、経営の本質に直結する“問い”を投げかけてみました。

<プロフィール>
株式会社アドウェイズ
代表取締役社長
山田 翔

2007年アドウェイズに入社後、新規メディアの立ち上げを担当。2009年10月、PC向けアフィリエイトサービス『JANet』のプロダクト責任者に就任。その後、スマートフォン向け広告配信サービス『AppDriver』など新規サービスの立ち上げに貢献する。2012年10月に新規事業開発室室長に就任。2014年4月にアドウェイズ執行役員、2016年1月に上席執行役員に就任。2016年6月に取締役に就任後、2021年7月より代表取締役社長に就任。

Q1.貴社の事業について教えてください

アドウェイズは、主にインターネット広告事業を展開している企業です。創業当初は、アフィリエイト広告を手がける会社としてスタートしました。そこから約20年かけ、プラットフォーム開発、広告代理業、グローバル展開など事業拡大を行い、今日に至ります。

私たちは『全世界に「なにこれ すげー こんなのはじめて」を届け、すべての人の可能性をひろげる「人儲け」を実現する。』というパーパス(※)を掲げています。これは、人々の成長につながるような、社会に貢献できる事業を実現し、これまでになかった“なにこれ すげー こんなのはじめて”を生み出していくことを表しています。

(※)パーパスとは、企業が定義する社会における存在意義のこと

Q2.創業から「組織づくり」における苦労はありましたか?

創業当初、私たちの大きな目標は、企業としての大きな成長を遂げることでした。社会にインパクトを与え、社員やその家族が誇りを持つ会社にしたい。そうした理由から、とにかく利益を上げ、より早く成長することを目指す経営を行っていました。

しかしあるとき、自分たちが自信を持って届けたものが世の中に受け入れられ、ユーザーやクライアントが喜んでくれていることの方が、大きな価値なのではないかと気が付いたんです。自分たちがさらに一歩先のフィールドに進むためには、社会に対してどのような価値を提供するのかを意識しながら、経営を行っていく必要がある。そうした気付きを事業に反映し、現在も、まっすぐそこへ向かっていく経営にコミットしています。

なお、私が代表に就任してからは、“UX(ユーザーエクスペリエンス)デザイン”の手法を積極的に取り入れ、経営を行っています。UXデザインとは、ユーザーにとっての理想的な体験を設計することを意味しますが、アドウェイズではその視点を社内ルールや経営戦略などに落とし込み、社員の働きやすさや職場環境を向上させることを目指しています。今後も新しい技術や手法を率先して経営に取り入れ、よりよい組織づくりを目指していきたいと考えています。

Q3.オフィス移転のきっかけは?

コロナ禍の約2年間は、原則全社員がリモートワーク環境下で働くこととなりました。

リモートワークは、作業にフォーカスをすれば、とても効率的であるといえます。現にこの数年、社員の生産性やパフォーマンスや会社の業績が下がるということはありませんでした。しかし、個々の状況や職種によっては、出社をすることでこそ、ポジティブな働き方や新しいアイデアが生み出されることもあると考えています。

また、チーム内においての心理的安全性や一体感を構築するためには、定期的に顔を合わせながら議論を行い、コミュニケーションを取ることも大切です。とくにコロナ禍で入社した社員は、キャリア形成に対する不安や非対面による孤独感を感じて、心理的負荷を抱えてしまうこともあります。

そのため、コロナ禍が明け、多くの制限が緩和された際には「できれば週に1〜2回は出社して、チームメンバーと顔を合わせながら仕事をしてほしい」という意味を込めて、部署ごとの出社を推奨することを検討し始めました。

その後、「社員が自ら出社をしたくなるような環境を、改めて会社が提供しなければならない」と私たちは考え、またこれらすべての課題を解決するために、コンセプトを“来たくなるオフィス”として掲げ、オフィスの移転を決定しました。

Q4.どのようなオフィス環境が、企業の成長につながると思いますか?

新オフィスは、ただ新しく洗練された空間を構築するのではなく、これまで積み重ねてきた“アドウェイズらしさ”を継承し、共存させ、発展することを目指してつくっていきました。それが、私たちの考えるオフィスの進化であると考えたんです。

また、新オフィスは、より一人ひとりにゆとりのある空間をつくることができるよう、設計を行いました。働き方に合わせてゾーンを分けるなど、場所や時間を自分で選択する新しいワークスタイルを取り入れ、働きやすさをグレードアップしています。もちろん、設備投資にも妥協せず、社員が快適に働くことができるよう、さまざまな工夫や機能を取り入れました。

具体的には、集中して作業を行いたい社員向けの『Work FOCUS』、コミュニケーションが活性化する活気あるゾーンの『Work ACTIVE』、そして、ユーザー目線で改良を重ねた会議室エリアの『Work LOUNGE』と、働く場所を3つのゾーンに分け、わかりやすく使いやすいオフィスを実現しました。

こうした、UXデザインを意識して構成されたゾーンの整備や、家具のセレクトについては、コンサルティングをしていただいたKOKUYOさんにアイデアをいただき、設計を行っていきました。

新オフィスに引っ越しを行ってから、社内において自然にコミュニケーションが生まれたり、気軽な会議が行われたりする機会が、前オフィスに比べてとても増えていると感じています。社員自らが主体的に選択をする、新しいワークスタイルが機能しているということに加え、当初の目的であった”来たくなるオフィス”の実現に対し、着実に近づいていることを実感しています。

ちなみに、オフィス内には、オンライン会議を行う際に活用できる個室ブースをいくつも設置しています。これは、今後“リモート”と“リアル”が共存した、ハイブリッド型の働き方が世の中でより定着していくと考え、備え付けたものです。今後も、このような新しい時代に対応したさまざまな機能を追加しながら、アドウェイズのオフィスは進化を続けていく予定です。

Q5.今後、オフィスをどのようにアップデートしていきたいですか?

新オフィスで働き始めてから、徐々に改善点や進化が必要なポイントが明確化されてきました。そして、それは言い換えれば「移転をしただけでオフィスはまだ完成していない」ともいえます。

働き方やライフスタイルが変化をしていく中で、働く場所の一つであるオフィスも、比例をして進化し続ける必要があります。私たちは今後も社員全員で、新しいオフィスのあり方を模索しながら、働き方を自らデザインしていきたいと考えています。

Q6.アドウェイズ社の今後の展望について教えてください

会社として、今後数年の間に達成したい目標は大きく2つあります。1つ目は「アドウェイズが手がける事業は他社と圧倒的に違う」といわれる存在になることです。

アドウェイズは、これまで広告事業を通じて世の中に価値を届け、事業成長を行ってまいりましたが、広告そのもののあり方を変えるような、大きなイノベーションを起こすことはできていませんでした。そのため、今後は自分たちの生み出したサービスやソリューションが、多くの人々の手に届き、世の中へ広く貢献することができるよう、今までにない大きなチャレンジを続けていく予定です。

2つ目の目標は、社員の“働きやすさ”に対し投資を行い、成果を最大化していくことです。たとえば、toC向けのサービスは、マニュアルを読まずとも、誰もが瞬時に利用できるようにUI/UXが洗練されていることがほとんどです。しかし、多くの企業の社内マニュアルや制度は、そうした“使いやすさ”を意識した設計にはなっていません。言い換えると、日常的に社員は多くの場面で時間や労力を費やしてしまっているということです。こうした環境は、生産性や作業効率を低下させることに加え、働きにくさそのものを社員に感じさせてしまうことにも繋がります。

今回の新オフィスへの移転も、社員の“働きやすさ”に向き合う投資の一つです。引き続き今後も網羅的な投資を行い、職場環境の整備を行なっていく予定です。

***

創業23年目、さらなる成長を続ける株式会社アドウェイズ。2023年6月に本社オフィスが移転したばかりですが、“来たくなるオフィス”というコンセプトがもたらした通り、新オフィスは社員の出社ニーズを高めつつあります。

ハイブリッドワークが主流となりつつある今、社員の出社率に悩みを抱えている企業も多いはずです。ぜひ、皆さんも出社したくなる工夫や仕掛けを取り入れてみてはいかがでしょうか。

Interview&Photo/Shota Ogawa

【その他、経営者インタビューはこちら】