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テレワーク/リモートワーク【用語解説】

2021.01.15

政府による新しい生活様式への移行が促されている中、ビジネスの世界でも新しいワークスタイルが注目を集めています。なかでも「テレワーク」や「リモートワーク」は政府が積極的に導入を進めることを明言しており、これからの時代に欠かせない働き方になるといわれています。

しかし、テレワークやリモートワークというキーワードは、ごく最近見かけるようになったばかりで、実際にどういう働き方なのか、どんなメリットやデメリットがあるのかがわからないという声も数多くあります。

離れたところからでもオフィスと同じように働ける

「テレワーク」は「遠い」ことを表わす「Tele」と「仕事」を表わす「Work」を組み合わせた言葉で、「リモートワーク」もほぼ同じ意味で使われています。

これまで多くのビジネスパーソンは、自宅から会社に向かい、オフィス内でさまざまな業務をこなしてきましたが、こうした業務の多くを自宅や出張先など、離れた場所から実践することを意味しています。

テレワークやリモートワークにはいくつかのメリットがあります。たとえば、働く人々は通勤の時間を節約できます。取引先に出向いたり、出張に行く機会を減らしたりすることで、時間を有効に活用できます。

企業にとっては、オフィスなどの勤務地に影響されない人材を確保したり、時間に左右されない新しいワークスタイルを提案できたりするというメリットがあります。また、災害などの非常時においても普段と同じように業務を遂行できる場合があるため、企業は事業の継続性を確保でき、働く人々も安定した働き方ができます。

課題はセキュリティや通信環境をどうするか

新しいワークスタイルとして注目されているテレワークやリモートワークには、課題もあります。たとえば、社員やスタッフが自宅や出張先など、離れた場所で業務を遂行するには、パソコンや通信回線の整備が必要不可欠です。

パソコンは社員やスタッフが持つ個人のパソコンを使うこともできますが、家族と共有しているケースも多いため、企業のセキュリティの観点からも何らかの対策が必要です。業務用の携帯性に優れたパソコンを用意したり、個人のパソコンでもアカウントを追加したりするなどの対策をして、プライベートと仕事をきちんと切り分けて使う必要があります。

通信回線もテレワークには欠かせません。たとえば、テレワークでは社員やスタッフが自宅などからオフィスなどにリモートで接続して、業務に必要なデータを利用したり、メールを送受信したりします。取引先とビデオ会議で打ち合わせをしたり、スタッフ同士で連絡を取り合ったり、チャットで議論をしたりすることもあります。

こうした多様な業務を社員やスタッフがこなしていくには、安定して利用できるインターネット回線が必要です。速さと安定性では光回線がベストですが、一般的に光回線は月額5,000~8,000円程度の料金が掛かり、設置には工事費などの負担も必要です。光回線の契約は一定期間の利用が求められるため、短期間で解約すると、設備の撤去費用や解約料を請求されることがあります。

社員やスタッフの住環境によっては、光回線の利用が難しいケースがあるかもしれません。そのような場合は、携帯電話のネットワークを利用したホームルーターを設置したり、モバイルWi-Fiルーターを契約したりする方法などが考えられますが、光回線ほどのパフォーマンスが得られないことがあります。

離れていても円滑なコミュニケーションをとるために

これまで一般的な働き方では、オフィスに社員やスタッフが集まり、同じ場所で働くことが前提でした。しかし、テレワークでは社員やスタッフが離れた場所に居るため、これまでと同じように仕事を進めることが難しくなります。

そこで利用されるのがクラウドを使ったグループウェアです。実際に使っていない人には、ややイメージしにくいかもしれませんが、『Facebook』などのSNS、『Googleドライブ』などのオンラインストレージサービスなどを統合し、ビジネスで利用できるようにしたオンラインサービスと考えれば、わかりやすいでしょう。

『Google』の『G Suite』、『マイクロソフト』の『Microsoft Teams』などがよく知られていますが、ビデオ会議の『Zoom』、コミュニケーションに便利な『Slack』なども広く利用されています。これらのサービスの多くは、一部の機能を無料で利用できますが、企業が利用するときは社員やスタッフの数に合わせ、アカウントを契約する必要があります。料金は契約内容によって違い、1ユーザーあたり月額600円程度から利用できます。

こうしたグループウェアのサービスでは、メッセージのやり取りをはじめ、複数ユーザーでのビデオ会議、ファイルを共有するオンラインストレージ、議論をするためのホワイトボード、ビジネスアプリケーションの共有など、さまざまな機能が用意されています。これらを上手に組み合わせることで、離れた場所にいる社員やスタッフ、取引先とも円滑にコミュニケーションを取れるわけです。

表1 主なグループウェアやコミュニケーションサービス

  • G Suite 680円/月~ ※1
  • Microsoft 365 540円/月~ ※2
  • Zoom 2,000円/月~ ※3
  • Slack 850円/月~ ※4

※1 Web上のスプレッドシートやワープロなどビジネスアプリのセット。ビデオ会議 Google Meetなども含む。
※2 Excel、Word、PowerPointのWeb版やMicrosoft Teamsを含む。年間契約必須、法人向け)
※3 ビデオ会議システム。録画機能や細かい管理機能が特徴。
※4 チャット型コミュニケーションツール。さまざまな効率化機能や外部サービスとの連携が特徴。

最後に

新しい生活様式への移行が求められ、テレワークやリモートワークが注目を集めていますが、いきなりすべての業務を置き換えることは難しいものです。しかし、できる業務から、できる部署から、できる人から、少しずつ環境を整え、リモートでも効率良く仕事ができる環境を作り上げていくことが大切です。

※ xiangtao / PIXTA(ピクスタ)