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TOP > 用語解説 > 【用語】人事・労務 > 休職制度【用語解説】
休職制度 休職

不透明な経済情勢のあおりを受け、さまざまな企業が苦戦を強いられる状況が続いています。その上、感染症の危険から身を守るための生活を強いられることで、これまで通りの企業活動を思うように進める事ができず、メンタルに不調をきたす社員も少なくないでしょう。

このような社員が一定の期間仕事から離れ、心身を回復させる際に活用することができるのが“休職制度”です。今回は、この休職制度について、順を追って解説していきます。

休職制度とは何か?

休職制度とは、病気などで仕事ができない状況下に置かれた社員が申し出た場合、会社側が労働契約を交わしたままの状態で一定期間の労務免除を認める、つまり休ませることができる制度です。

なお、休職期間を過ぎても社員の心身が回復せず、復職が難しい状態になった場合は、そのまま退職という流れになるのが一般的とされています。

休職制度を設ける場合は、就業規則でルールの詳細を定める必要があります。

具体的には、①制度が適用される対象者、②休職の理由、③休職の期間、④休職期間中の賃金の取扱い、⑤医師による診断書の提出に関するルール、⑥復職に関するルール、⑦復職後に欠勤があった場合の取扱い、などが挙げられます。休職の期間については、会社の実態に沿って自由に定めることができます。

休職制度は法律上の義務なのか

休職制度は、法律上導入することが義務づけられている制度ではなく、休職制度を設けるかどうかは会社側の判断に委ねられます。つまり、休職制度を導入するもしないも、会社の自由なのです。

ただし、注意しなければならないのが、いったん就業規則などで休職制度を導入してしまった場合は、その会社では休職制度が義務づけられるという点です。

社内で休職制度を設けているのに、休職を申し出た社員に適用しないケースはルール違反になります。

休職制度のメリットは?

休職制度には、働くことができなくなった社員の待遇について、ワンクッションを置くことができるという効果があります。

通常では、会社が社員と雇用契約を交わした場合、社員側にはその会社のために働かなければならない、という労働の義務があります。つまり、社員が不調により働くことが難しくなった場合、極端な話をすると債務不履行により解雇扱いとなるケースもあり得るのです。

このような状況における解雇は、法律違反とはならないものの、解雇された社員が不服に感じ労使トラブルになるケースも少なくありません。また、他の社員からは「病気で働けなくなった社員を解雇するなんて……」と、会社に対してマイナスイメージを抱く可能性もあります。

つまり、休職制度を導入すれば、労働から解雇の間に猶予期間が存在し、いきなりの解雇による無用な労使トラブルを防ぐことができます。

休職制度の存在は、体調を崩した社員が解雇を恐れて無理をしながら働き続けるという事態を防ぎ、社員が安心して働くことができる環境づくりにつながるのです。

休職制度のデメリットは?

休職制度を設ける際に注意しなければならないのは、たとえば社会保険料など、休職中の社員についてのコスト的な負担が会社側と休職した社員の両方に発生してしまうという問題が挙げられます。

また、休職制度を使って休む社員が発生した場合、労働力が一人分マイナスになることから、その社員が抱えていた仕事の負担が他の社員にかかるという状況が発生します。

このようなケースに対応するため、会社側としては事前に休職する社員が発生した場合の業務配分や人材配置に関するマニュアルを作成しておくなどの対策が求められます。

休職中の賃金はどうなるのか?

休職中の社員に対して賃金、つまり給料を支払う必要はありません。これは、休職中の社員は会社から労働を禁止されている状態になることから、そもそも労働の対価である賃金は発生しないという考えに基づいています。休職期間中に社員から有給休暇取得の申し出があった場合も、そもそも休職期間は労働日ではないことから、付与が認められていません。

休職期間中の社員に対する生活保障制度としては、健康保険による傷病手当金が挙げられます。傷病手当金は、給与額の約3分の2が、最大1年6ヶ月の間支給される制度です。

休職期間中の社員については、前述の通り社会保険料がかかります。会社がいったん立替払いをする、毎月振り込んでもらうなど、休職期間中の社員からどのように保険料を徴収するかについては、就業規則などでルール付けをしておくと良いでしょう。

ただし、雇用保険料や所得税については、休職期間中の社員にはかかりません。また、労災保険料については、そもそも会社が全額負担をしていることから、こちらも同じくかからないことになります。

まとめ

休職制度は会社の義務ではないものの、不透明な社会情勢が続く昨今では、休職制度を導入することでさまざまな効果が見込まれることも事実です。ただし、導入する際には自社の状況に合った制度となるよう、入念にルールを検討する必要があるでしょう。

*kouta / PIXTA(ピクスタ)

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