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中堅社員のモチベーション管理に!人事評価の「中間面談」を効果的に活用する方法

中堅社員のモチベーション管理に!人事評価の「中間面談」を効果的に活用する方法

半期の折り返し地点を過ぎたこの時期、管理職の方からこんな声がよく聞かれます。

「期初はやる気満タンだったメンバーが、なかだるみの雰囲気になっている」
「メンバーのモチベーションがダウンしていて、期末まで走り続けてくれるか心配だ」

今回は、人事担当者だけではなく経営者もぜひ押さえておきたい、中堅社員のモチベーション管理に人事評価面談を効果的に活用する方法について紹介します。特に中間面談をうまく活用するのがポイントです。

モチベーション管理における人事評価制度の意義

社員のモチベーション向上は、人事評価制度がカギを握ります。

人事評価制度の目的を「評価結果を昇給や賞与に反映させること」「賃金を上げて社員のモチベーションを上げること」と考える方もいるかと思いますが、賃金への反映は人事評価制度の作業の一つで、すべてではありません。

金銭的報酬は心理学の考え方では“外発的動機付け”に該当し、一般的に動機づけが弱く持続性もありません。一時的にモチベーションは上がるかもしれませんが、金銭のみの動機付けだけでは自発的な行動が起きにくいです。また金銭的報酬を与え続けないと、もっと給与の良い他社に転職をしてしまいかねません。

人のモチベーション向上には自分の内側から湧く“内発的動機付け”が不可欠です。本人が仕事にやりがいを感じて、もっと頑張りたいと自らを鼓舞している状態です。

そのためには、人事評価そのものの納得感が大きく影響するのです。

人事評価制度は、会社の資産である社員の能力を最大限に引き出す人材育成の仕組みといえます。人事評価がうまく機能すれば、社員のモチベーションを維持し続けるガソリンの役割を持つのです。

人事評価面談では、何を話せばいいの?

人事評価における面談は、業績・能力(プロセス)などの評価対象について、「現在どこができていて・できていなくて」「今後どこを伸ばして・是正していくか」を上司と本人がすり合わせをすることです。

特に中堅社員層は新人研修~管理職研修などの全社的な階層別教育制度の狭間にあたり、育成は現場に任せられがちです。評価面談を本人の成長や今後のキャリアなどの育成的な場として活用すると、モチベーション管理に効果的でしょう。

期初・期末面談

期初の面談は今期の目標設定や行動評価を確認し、「今期はこれを頑張ろう」を確定する場です。一方、期末面談は決めた目標に対して「結果がどうだったか」を振り返る場です。

期初面談では会社業績と本人の納得感を両立するような目標設定が必要になります。また期末面談では公平な評価はもちろんのこと、フィードバックをすることで社員の成長につなげることが求められます。

中間面談

PDCA(Plan計画→Do実行→Check評価→Action改善)のプロセスでいうと、期初面談がPlanの位置づけで、期末面談はCheckに該当します。実はモチベーション管理に重要となるのがDoの期中で行う中間面談なのです。

期初は多くの社員は新しい目標に向けて、モチベーション高く動いてくれる状態です。一方、期末は“結果がすべて”状態で、目標達成状況によって個々人のモチベーションはさまざまです。

中間面談という折り返し地点で前半戦を振り返ることで、モチベーションが低下しているメンバーであっても、後半戦に向けてのリカバリーポイントをすり合わせすることができます。期中の中だるみを防ぎ、期末までモチベーション高く走り抜けることにつながるのです。

効果的な中間面談の進め方

中間面談は期初や期末面談とちがい、特に必須で確認するポイントはありません。

むしろカチッと決まった面談ではないことを生かして、カジュアルに本人が日頃思っていることなどを吐き出させる場にすると効果的です。また、中間面談を中長期のキャリアイメージをすり合わせする場に使う会社も少なくはありません。

今回は、面談の効果を上げるために最低限押さえておきたいポイントをお伝えします。

面談前に行うこと(事前準備)

中間面談の実施時期や話す内容は人事主導ではなく現場に委ねられているケースが多いため、メンバーによって「面談で何を話すのか」と不安に思うケースもあります。

事前にアナウンスを行うことで、本人は面談に向けて精神面・実務面の準備を行うことができます。

【ポイント】
・マネジメント主導で「〇月〇日~〇月〇日の間で中間面談を行うので、スケジュールを申請してください」とメンバーにアナウンスする
・メンバーに準備してほしい内容を事前に伝える
例:「各目標についての進捗コメント」「うまくいっていること・いっていないこと(期初に想定していなかった環境変化も含む)」「今後のキャリア」の3点について話せるように準備をしてください
・メンバーの申請を待つだけではなく、自分でもメンバーの目標達成状況や期初からの動きで気になる点/褒めたい点などを整理しておく

面談当日の流れ

面談当日はリラックスした雰囲気を大事にしてください。期中にリフレッシュしてもらう機会でもあるため、何でも自由に話していいよという場の演出が重要です。

【ポイント】
・緊張感が高いメンバーの場合は、いきなり本題に入らずに世間話などをして場の空気を和らげる
・目標の進捗状況に対してのメンバー本人の申請に耳を傾ける(むやみに話をさえぎらない)
・メンバーが話し終わったあとに、疑問に思った点に関しては本人に確認をする
・期中の目標修正を申請された場合は「なぜか?」という根拠を確認し、他部署や上司に説明できるだけの材料をメンバーから得る(修正の申請を鵜呑みにしない)
・リラックスした場を生かして、今後のキャリアについて本人の意向を聞いてみる(本人の感触を大事にする。「〇〇職が向いていると思うよ」などと、自分の考えを押し付けない)

面談後に行うこと

面談後は必要に応じて、さらにメンバーのモチベーションを向上させる仕掛けをおこなってください

【ポイント】
・各メンバーとの中間面談を通じて見えたチームの全体状況をまとめ、あらためて全メンバーにフィードバックする(メンバー全員で組織的な課題認識について目線をそろえる)
・中間面談で特に支援が必要と思われたメンバーとは、残りの期間で定期面談の場を設ける、こまめな声掛けなどをする
・目標修正が発生した場合は、上司や他部署に向けて理由と根拠をまとめる

 

モチベーション管理は人事評価面談に限らず、日常的な声がけなどのコミュニケーションがもちろん前提となります。

しかし、リモートワークの影響等でメンバーとの接点が以前ほどないケースなどは、人事評価に絡めた中間面談をモチベーション管理に活用してみてください。

メンバー側も制度としての面談には良い意味で気分を引き締め、自分の状況をしっかりと振り返る機会にもつながるでしょう。

* kotoru / PIXTA(ピクスタ)