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テレワーク リモートワーク モチベーション

テレワーク/リモートワーク時代の社員のモチベーション管理のコツ

2020.10.29

このコロナ禍で、特に都心の企業においてはテレワーク/リモートワークが一気に進み、また、時差出勤の取り組みも重なり、1年前には想像もできなかったような“混雑の少ない通勤電車”も見かけるようになりました。

6月に内閣府が発表した調査では、全国のテレワーク実施率は34.6%で、このうち継続希望は8割超に上ったといいます。しかし一方で、テレワーク導入による社員のモチベーション低下などの問題もでてきました。

テレワーク/リモートワーク導入による影響とは?

テレワークにも良い面があって、Twitterでさまざまなつぶやきをみると「通勤電車に乗らない日々がこれほどにも楽だったのか」という声が多い一方で、そこから通常出社に戻る際の”しんどさ”も話題にのぼりました。一方で、通勤の時間を仕事モードとオフモードの切り替えタイミングにしたり、読書や勉強の時間にあてていた人にとっては、その余白の時間が無くなってしまい、メリハリある時間の過ごし方ができずに、精神的な負担になったという方も多いといいます。

また、“コロナ鬱”とも呼ばれるメンタルヘルスへの影響も大きくなっています。

3月末からの内定者研修は中止、4月1日付のオンライン入社式の後も数ヶ月間、休業やリモートワークが続いた、というある企業では、新しい社会人生活での上司・先輩・同僚とのリアルなコミュニケーションをとれない新入社員が「いつになったら職場へ行けるのか」「自分に仕事は与えられるのか」といった不安ばかりが多くなり、メンタルクリニックに通い出した、というケースがありました。

上司の立場としては、直接会って顔を観ながら様子をうかがい話をしたいところですが、そのようなことも自在にできず、オンラインでできるコミュニケーションにも限りがあり、やむなく休職期間に入ったなど、仕事のためのモチベーションが続かないという問題となっています。

メンタル面だけではなく、運動不足による体の不調が現れることもあり、「今こそ健康経営を」ということで、全社を挙げて運動促進キャンペーン(各自がジョギングやストレッチなど自身の目標値を定めて取り組みその変化度合いを社内で表彰するもの)を始めた企業もありました。

テレワークで仕事とプライベートの切り分けが難しくなってきた

今回生じた変化のひとつに「”仕事”と”プライベート”の境界線が溶けてきた」という点があると思います。

例えば、在宅勤務時に休校で自宅待機となっている子供が同じ屋根の下にいる、というケースでは、「オンライン会議中に子供の遊び声が聴こえてくる」「ドアが開いて子供が顔を出す」といったちょっとしたアクシデントが多々起きたことでしょう。

これは、職場のほかのメンバーにとっては束の間の笑顔をもたらしてくれる出来事ではありますが、本人からすればヒヤヒヤしたり、どうやってけじめをつけようかと悩む場合もあり、試行錯誤した方も多かったのではないでしょうか?

境界線は、ときに分断をもたらしますが、その境目に若干の余白があれば、程よいメリハリが生まれ創造性ある時間を生み出してもくれるのです。

江戸時代に代表されるように、かつての日本では”働く”と”暮らす”が織り交ざった生活が存在していました。しかし現在は、資本主義の下の大量生産・大量消費の経済の中で、いつの間にか時間をかけて会社に行くため、“職場=仕切られ囲われたスペース”という概念が当たり前になり、”働く”と”暮らす”が明確に分かれた生活を送ってきました。

それが、このコロナ禍でデジタル化が加速する中で、”働く”と”暮らす”の境界線が曖昧になり、江戸時代のような働き方に戻るのか、それとも新たな働くかたちを描くのか? 会社としても個人としても、しっかりと考える時機にあると思うのです。

デジタル化が進んだとしても、私たち人間がもつ“共感すること”の大切さは変わらず、むしろ重要になってきます。人間だからこそ、お互いに、あるいは物や現象に対しても、共感という感情を持つことができます。共感で結び付く組織(求心力や貢献意識、居場所感の高さ)は、まさにES(人間性尊重経営)が為せるものであり、なくなることはありません。共感こそが働くモチベーションを支えるエンジンなのです。

デジタルツールを用いつつテレワークでも対話を大切に

人間性を尊重した人間中心の組織デザインであれば、“一人ひとりがどうありたいか”が基点となって働くかたちがつくられます。しかし、一般的には会社中心であり、会社=雇う側・社員=雇われる側、という構造のもとで組織デザインがなされているため、規則や評価といったルールによる管理が必要となるのです。

そのような管理型の組織デザインにおいては、この複雑性の時代に、個々の事情に合わせて労力かけて個別対応をしても、チームとしての生産性が落ちるだけです。そこで、さまざまなデジタルツールを用いることで、効率化がなされ、最小限の労力で対応して行くことができるのです。ただし、デジタルツールを入れて見える化・共有化をはかろうとしても、あり方や見識までも図ることはできません。

また、個々がこれからどのようなキャリア設計したいかは、対話をしないと把握することはできません。四半期や月ごとのふりかえり時などに、中期的にどういう仕事をしていきたいかを話しましょう。デジタルツールを多用すると、空間や時間が区切られがちですが、効率的に時間をまわして生産性を高めながら、そのはざまで“余白”を設け、各自がふりかえりをしたり雑談したりできる時間を生み出していくことが重要です。

オンラインサービスやリモートワークなどで物理的な距離は生じますが、心の距離は工夫次第で近づけることができます。正解はない問いに対して、組織開発の手法も用いながら、対話を重ねていくことで、チームのモチベーション維持を心がけましょう。

もともと今年は、『5G(第5世代移動通信システム)』の商用サービスが始まることから、高速大容量の接続が可能となり、テレワーク/リモートワークやさまざまなデジタル化がいよいよ本格的に浸透すると言われてきました。この新型コロナの影響で、必然的に働き方改革を推し進める結果となった今、“私たちの組織としての働くかたち”を改めて見直し、社員も含めて考えていく段階にあるのではないかと思います。

*buritora / PIXTA(ピクスタ)

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