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研究・調査報告

BCGヘンダーソン研究所が2050年までの4つのシナリオを発表、AIの進展や地政学リスク、気候変動を軸に世界経済は大きく分岐する可能性

  • 最終更新日
    2026年05月12日 16:00
ボストン コンサルティング グループ
世界の予想GDP成長率は年率1.8~5%とばらつく




経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)の戦略シンクタンクであるBCGヘンダーソン研究所(以下、BHI)は、世界経済の将来像を示した調査レポート「Beyond Tomorrow: Four Scenarios for the World of 2050」(以下、レポート)を発表しました。レポートでは、100年にわたる時系列データと、テクノロジー、地政学、気候、社会、経済など、テーマ横断の100以上のメガトレンドを分析し、2050年までに起こると考えられる4つのシナリオを提示しています。
企業の経営リーダーが見据えるべき4つのシナリオ

レポートでは、提示した4つのシナリオそれぞれについて詳述するとともに、それらが企業・ビジネスにとって何を意味するのか、世界が進む方向を示す初期シグナルにはどのようなものがあるか、考察しています。調査では、専門家インタビューやストレステストを幅広く実施。技術発展、世界貿易やエネルギー転換などの重要な領域ごとに将来の展開を整理し、それらの相互関係を検討しました。過去のデータと将来予測を組み合わせ、2050年に向けて、国内総生産(GDP)成長率をはじめ、地政学・社会・環境などに関連する20の指標がどのように変化し得るかを推計しました。そのうえで、複数の将来像を組み合わせ、それぞれ論理的に一貫性があり、互いに大きく異なる4つのシナリオを構築しました(図表)。以下、それぞれのシナリオにつき概説します。

1.AI技術の進展による繁栄: このシナリオでは、人工知能(AI)の基準づくりで国際協調が進むことで、生産性向上が加速し、テクノロジーや低炭素エネルギーが活用しやすくなります。世界のGDPは年率約5%で成長し、2050年には現在の3倍以上に達すると推計されます。また、労働時間が減少し、一部の地域では週3~4日勤務が一般化します。さらに、AIの支援により新素材の開発や二酸化炭素除去技術が進み、遅れながらも現実的にネットゼロを達成できる道筋をたどります。

2.対立するブロック経済: 国際協調が弱まり、世界貿易の構造が再編されるシナリオです。世界貿易の規模はGDP比で、2024年の57%から約35%まで縮小。各国は安全保障と自給自足を優先するようになり、防衛支出は4つのシナリオで最も高いGDP比約7%を占めると推計されます。一方、世界のGDP成長率は、安全保障、年金、気候変動対策に対する政府支出に支えられながらも、最低水準の年率約1.8%にとどまると推計されます。

3.気候変動対応を軸にした協調: 2020年代後半に起こった相次ぐ気象災害を受けて、政府・産業界・消費者が気候変動レジリエンス(回復力)を優先するようになり、低炭素エネルギー、インフラへの移行が加速する、というシナリオです。地球温暖化は産業革命前と比べて+約1.8℃と、4つのシナリオで最も低い水準で安定すると推計されます。炭素市場は世界的に拡大し、2040年までに主要な経済国のほとんどが参加。エネルギー全体に占める化石燃料の割合は2025年の81%から2050年には35%まで低下し、人口増加や高齢化に伴い、GDPは年率約2.5%で成長すると推計されます。

4.デジタル・ダーウィニズム(技術進歩と格差拡大が並行):このシナリオでは、規制が限定的なままテクノロジーの発展が続き、GDP成長率は4%に達する一方、上位1%の富裕層が世界の富の約半分を保有し、格差が拡大します。また、AIや自動化によって定型的な業務が置き換えられ、単発や短期契約の仕事が増えます。民主主義国家が減少し、世界秩序が分断される一方、経済合理性に支えられて貿易やサプライチェーンは維持されると想定されます。



どのようなシナリオでもレジリエンス構築や人材戦略の再構想は不可欠
レポートでは、企業の経営リーダーに対して、すべてのシナリオに共通する「後悔の少ない」5つの行動指針を提示しています。これらを実行することで、企業は今後数十年にわたる環境変化への対応において優位なスタートを切ることができます。

- レジリエンスの構築:効率偏重からレジリエンス重視へと軸足を移し、調達先の多様化やオペレーション体制の再設計などを通じて、不安定な環境下でも事業を継続できる体制をつくる
- 人材戦略の再構想:AIと高齢化の時代に対応するため、幅広い世代間での協働や柔軟な役割設計、人材の流動性を踏まえた戦略を立て、新興労働市場を含めて採用対象を拡大する
- デジタル基盤の柔軟性向上:技術の急速な進展に柔軟に対応できるよう、機能ごとに独立した「モジュール型」のテクノロジー・データ基盤を設計。信頼性の確保とサイバーセキュリティにも重点を置く
- 変化を察知し、働きかける力の強化:規制、地政学、資源、技術などの変化を察知し、迅速に意思決定できるケイパビリティ(組織能力)を高める
- 社会的役割の拡大:従業員のウェルビーイング、地域のレジリエンス、危機管理などに対し、これまで以上に責任を担えるよう備える


BHIのグローバルリーダーで、レポートの共著者であるニコラス・ラングは次のように述べています。「今後5年間に下される意思決定が、その先の25年を形作ります。未来は“崩壊か繁栄か”と極端に描かれることが多いですが、実際には、経営リーダーは多様な未来に備え、どのような状況でも通用する意思決定を行う必要があります」
■ 調査レポート
Beyond Tomorrow: Four Scenarios for the World of 2050
■ 調査概要
調査では、100超のメガトレンド分析をもとに、2050年の世界を左右する20項目を抽出。それらをマクロ経済・テクノロジー、地政学・社会、人・仕事、地球・資源の4領域にわたる指標として整理し、起こり得る複数の将来像を4つのシナリオに収束させました。 詳細はレポート41ページ「Methodology and Sources」をご参照ください。
■ 日本における担当者
苅田 修   マネージング・ディレクター & シニア・パートナー
BCGヘンダーソン研究所(BHI) フェローで、BHI Japanリーダー。BCGコーポレートファイナンス&ストラテジーグループ、ヘルスケアグループ、および消費財・流通グループのコアメンバー。医療機器セクターの北東アジアリーダー。
東京大学経済学部卒業。ノースウェスタン大学ケロッグ校経営学修士(MBA)。株式会社日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て現在に至る。

■ ボストン コンサルティング グループ(BCG)について
BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。
BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。
日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。
https://www.bcg.com/ja-jp/
BCGヘンダーソン研究所(BHI)について
BCGの戦略シンクタンクとして、アイデア創出に有効なテクノロジーを活用し、ビジネス、テクノロジー、科学分野からの新しい価値あるインサイトを探求・開発しています。ビジネスリーダーを巻き込んで、ビジネスの理論と実践の境界線を広げ、ビジネス内外から革新的アイデアを取り入れるための刺激的なディスカッションや実験を行っています。
2022年7月に日本における拠点であるBHI Japanを設立しました。
https://www.bcg.com/ja-jp/bcg-henderson-institute
■本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 中崎・中林・吉田
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
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