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労働実務事例

提供:労働新聞社

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45時間から3割へアップ、代替休暇の算式が2つでどうすれば?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社では、月の時間外労働時間が45時間を超えた段階で、割増率を法定の2割5分から3割にアップさせています。代替休暇を与える際、付与時間は2とおり考えられますが、どのように計算すべきでしょうか。また、平日と法定外休日で割増率を変えている場合はどうするのでしょうか。

【鹿児島・K社】

[ お答え ]

 代替休暇(労基法第37条第3項)とは、時間外労働が月60時間を超えた場合に、一部割増賃金の支払いに代えて休暇を与えるものです。時間外労働が月60時間を超えた場合、労基法第37条により5割以上の率で割増賃金を計算しなければなりませんが、少なくとも2割5分については、割増賃金としての支払いが必要です。残りの部分について、割増賃金の支払いを代替休暇の付与に代えることができる制度です。
 具体的な付与時間は、従業員が「代替休暇を取得しなかった場合に支払う割増賃金率」から「代替休暇を取得した場合の割増賃金率」を差し引いた率(換算率)を、60時間を超えた時間外労働に乗じたものとなります。労使協定では、この換算率と代替休暇の付与時間の計算式を定める必要があります(労基則第19条の2)。
 ご質問のように、残業の時間数に応じて割増率を変更しているケースでは、「代替休暇を取得した場合の割増賃金率」の定め方は2とおり考えられます。
 第1は、「45時間を超え60時間まで」と同じ30%に定める方法です。この場合、換算率は「0.5-0.3=0.2」となります。20時間×0.2=4時間なので、半日(4時間)の代替休暇を与える代わりに、20時間分の時間外(本来の割増5割)の割増賃金率を3割に引き下げることができます。
 一方、「改正労働基準法のあらまし」(厚生労働省)では、60時間までの間で割増率を引き上げた部分(30%-25%=5%の部分)についても、「労使協定により代替休暇の対象とすることができる」と解説しています。つまり、「代替休暇を取得した場合の割増賃金率」を法定どおりの25%に抑えることも可能です。
 この場合、換算率は「0.5-0.25=0.25」となります。16時間×0.25=4時間なので、半日(4時間)の代替休暇を与える代わりに、16時間分の時間外(本来の割増5割)の割増賃金率を2割5分に引き下げることができます。
 また、平日とたとえば土曜日(法定外休日)で割増率が異なる場合、それぞれ換算率と代替休暇の時間を算定します。計算を簡便にするため、換算率が同一となるように労使協定で定めることも可能ですが(改正労働基準法に係る質疑応答)、平日の割増率を引上げても月の時間外労働が多くない事業場はメリットが少ないでしょう。



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