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TOP > 記事一覧 > 人事・労務 > “女性社員の活躍”に潜む無意識の思い込みを解消するための取り組みとは

“女性社員の活躍”に潜む無意識の思い込みを解消するための取り組みとは

育休中の福利厚生サービスを提供している、株式会社Mimosa(ミモザ)代表 西田知未です。

<こんな方に読んでいただきたい>
中小企業経営者、または人事・総務ご担当者で、
・「女性社員の活躍」に関心あるが、どうやって取組んでいけばよくわからない方。
・女性の気持ち・本音がわかっているつもりだが実は自信がない方。

<本記事のねらい>
「働き続けたい女性の本音」を私の経験を踏まえてお伝えすることで、少しでも企業総務ご担当者に伝わり、それが会社・組織に浸透する。
その結果その企業に勤務する女性が働きやすさを感じ、仕事が楽しくなり、仕事を通して自己実現ができるようになった結果、組織もより活性化する。
なんて、そんなことに少しでも貢献できればこの上なく本望です。

というのも、女性が企業において活躍するためには、企業が多くのアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み、偏見)を排除せねばなりません。

「女性よ、育児も仕事ももっと頑張って管理職なってね。そのためにたくさんの制度を用意したよ」という女性への制度ありきなメッセージだけでは実現不可能で、企業自身がアンコンシャスバイアスを排除するための「本質をついた取組み」とがあいまって、実現可能になるのです。

そのため、企業の方に向けて発信できるというのは弊社のミッション実現のためにも非常に有難い機会です。

前置きが長くなりましたが、今回のテーマでは「女性のキャリア観」について、世の中の潮流とともに記載したいと思います。

今度こそ「女性の生き方の選択肢」が豊かな時代になるか?

選択肢が多くなったはずの生き方

高度経済成長期以降、日本は間違いなく豊かになりました。豊かになるとは、多様な選択を個人の意思で行えるということ。(※内閣府:「豊かで安心できるくらし」を実現する社会より抜粋)
国が豊かになった結果、日本人はたくさんの選択肢から選びたいものを選べるようになりました。しかし、「女性の生き方」はどうでしょうか?

男女雇用機会均等法が1985年に成立してから37年経っても、「結婚・出産が女の幸せ」「結婚・出産後仕事は辞めないといけない」「子育ては女の仕事」「女性は事務仕事」など、女性像の価値観の押しつけは計り知れません。

世の中は多様になっているのに、女性の生き方だけは多様になっておらず、どこか男性主導が色濃く残る。
実際の社会は女性の自立にまだ大きな壁がある。その壁を自分は果たして乗り越えられるのか?
そんなよくわからない未来に、20代~30代の女性はキャリア(生き方)の選択に悩み、葛藤しながら生きています。

一歩踏み込んだ政府の取組み

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参照:『首相官邸:すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部合同会議』

先週6月3日、「女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)」が決定しました。これは、岸田内閣の主要政策の一つである「新しい資本主義」内で示されています。

まだまだ課題は山積みな日本ではありますが、とはいえ「女性の自立」が重要であると課題設定し、「一つの価値観(結婚することが幸せ)で女の子を育てることはよくない」とまで言及したことは素晴らしいと感じました。

男性からすると「そこが素晴らしいの?」と思われるかもしれませんが、「男性と結婚し子供を二人産む」ことを基本の家族の形として設定し、全ての税制を決めてきた国が「それは間違っています。女性の価値観は多様化している昨今、これからは女性の自立が大事です」と言えたこと自体が大きな前進だと感じ、日本の国力自体が大きく下がってきていることをいよいよ我がごとと捉えはじめたのかなと感じました。
今回こそ、本質的な課題解決に向けた旗振りを行っていただきたいです。

女性のキャリア観

では、女性はキャリアに対してどう考えているのか?

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参照:『マイナビキャリアサーチLab「これからの人生を通して、さらに自分自身を高め伸ばしていきたい」』

意外に感じられるかもしれませんが、女性は「自分自身をさらに高めて伸ばしていきたい」という志向が強いです。

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参照:『PRTIMES「企業の育児支援に関する意識」に関するアンケート』

また、9割の女性は出産後も働き続けたいと希望しています。
大学生の就職活動時にも、「両立」ができる企業を選ぶ女性が大半で、両立しているワーママが数多くいる会社を好む傾向が高い。

つまり、「向上心があり、ライフイベントが生じてもキャリアを築き続けたい」という価値観を持った女性が今は非常に多いと言うことがわかります。

一方で、「ウチで働いている女性はそんなやる気がないよ」と思ったあなた。もしかしたら、それは女性が「今の会社では目指すことは無理」と企業に対して諦めた結果のモチベーション低下なのかもしれません。

では、どうすれば女性が向上心を持ち、キャリアを築き続けたいと思う組織になるのか?

1、多様な生き方の選択を尊重すること
2、キャリアステップの機会をたくさん与えること
3、【ワーママ×管理職】のロールモデルを増やしていくこと
ではないかと、私は思います。

1.多様な生き方の選択を尊重すること

人生において正解はありません。
結婚しなくても、子供がいなくても、未婚で子供を産んでも、シングルで子供を育てていても。
全てご本人が選んだ人生で、全てが尊い。

そもそも仕事とは別物として捉え、仕事は業務成果・スタンスに関してのみで評価をしていただきたいなと思います。
間違っても、「子供はやっぱ産んだ方がいい」とか、「既婚者の方が信頼できる」とか、「旦那いないのに子供育てるなんて強いね」とか。
本人が興醒めし、企業へのロイヤリティ(愛社精神、組織コミット)が低下するだけのような、価値観の押しつけはデメリットしかないのでご法度。その人の人生を肯定し、尊重することがまずはファーストステップです。

2.キャリアステップの機会をたくさん与えること

女性は小さなときから一番身近な母を見て育つことが一般的に多いです。現在20代~40代の母親世代は、「The・謙遜女性」。女性たるもの、旦那を立て、献身的に身の回りの世話をし、自己謙遜が美徳。
そこに日本人気質も相まって、「女性ががつがつ男性と肩を並べるなんて、みっともない」なんて考えを無意識的に身に着けているもの。

それはそれでいいんですが、組織ではある程度のアピールは重要です。だけど、やる気があるなんて中々言えないし、言ったら格好悪いと思ってる。
だからこそ、企業側からキャリアの機会を打診して一度女性に断られたとしても、無理にでもトライさせてみてあげてほしいのです。

ここは男性と大きく異なる点なので、「なぜここまで配慮しなければいけいないんだ・・・」なんて思われそうですが、ここはぐっと我慢。いざ女性がやる気と自信を身に着けた時のパワー・忠誠心といったらすごいもんです。ぜひ女性が自信を身に着けるまで、背中を押し続けてあげてください。

3.【ワーママ×管理職】のロールモデルを増やしていくこと

【女性×管理職】はもちろん増やしていっていただきたいのですが、大切なポイントは「子育てと仕事の両立ってできるんだっけ?」です。

現に、出産しても働き続けたいと答えた9割の女性のうち、なんと9割は両立することに不安を覚えています。

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参照:『PRTIMES「企業の育児支援に関する意識」に関するアンケート』

ワーママにスポットライトを当てて期待し、【ワーママ×管理職】をぜひ意識的に増やしていただきたいです。

理由としては、【ワーママ×管理職】があまりにも世の中レアケースで。
もしいたとしても、昔の企業戦士の女性版のような方(家族を犠牲にして仕事第一です的な)が多い。もっと、私生活とバランスを保ちながら、でも仕事も育児も妥協せず働いている女性が【圧倒的】に。そう、【圧倒的】に少ないのです。

そのため、女性たちは【ワーママ×管理職】の方たちが楽しそうに働いているのを、一人ではなく複数人存在することを見て初めて、「もし子供ができてもあの人たちの様にやっていけるんだ」「子供のいる人が出来てるんだから、私も頑張れそう」と心から安心し、勇気が湧くのです。

女性の中でも、ワーママ×管理職の組み合わせは、難易度の高い組合せであると認識されていることが多いため、その属性の方が複数人、しかも生き生きと働いていることで、組織は活性化します。

多様な社員が活躍できる組織に

女性はまだまだ可能性を秘めています。
一方で、周りのロールモデルが少なすぎて、「子供が何歳くらいは手がかかり、何歳くらいからはぐっと楽になるので仕事にコミットできる」などを知らず、この大変さが永遠に続くのでは?と両立の大変さにキャリアを諦めてしまう人が多いのも事実です。

どうか、期待し続けて下さい。機会を与えて続けてください。
日本の労働力がどんどん減少している中でまずできることは、女性の可能性に期待し、多様な社員が活躍できる組織を作ることではないでしょうか。それにより、組織は強くなり結果業績向上に繋がると私は信じています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回はまた、女性×キャリアをテーマに掲載します。

※当記事はnoteにも同時掲載しております

西田知未(株式会社Mimosa代表)

【あらゆるバイアスから、女性の働き方を自由にする】社会を目指して日々奮闘中。 3歳の子供を育てる現役ママ。本業で大手人材企業フルタイム営業職勤務(毎Qハイ達成)。
副業で「株式会社Mimosa(https://www.mimosa-career.com/)」を起業。