
「社員から年末調整に関する質問、あなたは答えられますか?」年末調整に関する皆さんのお悩み
皆さんの会社は、年末調整の対応は終了しましたか?
社員の情報だけでなく、家族や保険などについても記載する必要があり、社員さんもご担当者のみなさんにとっても毎年多くの「分からない」が発生しやすい手続きでもあります。
「総務の森 相談広場」にも相談がたくさん寄せられる年末調整のお悩みを紹介します。
解決の一助となりますよう、ぜひご覧ください。
目次
1.扶養家族の年末調整書類はどのように記載したらいい?
質問日:2023年11月1日
◆質問内容(全文)
①今まで扶養していなかった配偶者で今年は育休中で収入がない場合、
“給与所得者の配偶者控除申告書”に記入はできると思うのですが
“給与所得者の扶養控除等(異動)申告書”にも記載をするのでしょうか?②今年1年、源泉控除対象配偶者として給与等で控除してきたのですが
年末調整の確認書類にて所得の見積額が95万を超えてしまっており
記載がありませんでした。その場合年末調整時のみ変更すればよいのでしょうか?③留学(今年夏)のために海外にいる扶養親族(16歳以上30歳未満)で
住民票を抜いていない方の”給与所得者の扶養控除等(異動)申告書”の書き方と
その際の添付書類があれば教えていただけますでしょうか。
▼総務の森に寄せられた回答例
回答①
①配偶者控除申告書 というものはありませんが自社独自の物でしょうか。
税務署類は 給与所得者の扶養控除(異動)申告書 のみですが…
通称マル扶と言われるものでその中に配偶者扶養控除やそれ以外の扶養控除を記載する書類です。
扶養控除申告書をご確認ください。②それでいいです。
12月31日において源泉控除対象配偶者でなければ年調時に変更して正しい計算をしてください。③今年留学であればまだ1年未満ですから通常通り扶養親族として扶養控除申告書に記載するだけで特段の変更はありません。
手間でも裏面の記載を読みましょう。
年末調整の手引きがネットⅮLになりましたのでそちらもご確認ください。
税務署に行けば冊子もありますよ。
生計を一にする事実の欄に記載が必要になります。
他には親族関係書類と送金関係書類が必要です。(後略)
回答②
> お返事ありがとうございます。
>
> ③で住民票を抜いておらず、留学へ行って1年経っていませんので
> 非居住者には当てはまらず、
> 生計を一にする事実の欄の記載と
> 添付として親族関係書類・送金関係書類は必要ありませんでしょうか?
>
> 裏面を読んだのですが、理解できず質問させていただきます。こんばんは。
1年未満ですと非居住者とはなりませんので添付書類は不要ですが来年以降も留学が続くのであれば来年は必要になりますね。
該当者さんが去年は不要で今年は必要と納得していただけるのであればいいですが
去年も同じでどうして今年はと言われる可能性もあります。
留学の状況が不明なので何とも言えませんが
個人的には年末に国内不在ということで説明し来年以降に備えるという事も必要かと考えて可能であれば添付書類の提出を求めますね。
ただ今年は強制ではないので拒否されればそれはそれで説明記録は残しますが。
(後略)
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『年末調整書類記載について』
2.給与所得のある年金受給者の年末調整、どう行う?
質問日:2023年11月6日
◆質問内容(一部抜粋)
(前略)
職場に年収200万程度で働いている65歳以上の方がいます。
年金として、65歳から老齢年金と遺族年金を受け取られているようです。年金額は400万以内です。
年金からは介護保険料のみが天引きされているそうです。1.基礎控除申告書の給与所得以外の欄に年金収入の額を記載する必要ありますか?
その場合、遺族年金は除きますか?2.会社で年末調整を行うとしても、確定申告が必要になりますか?
3.年末調整では還付になる方ですが、確定申告したら、追加納付になったりしますか?
その方は、年金受給して何年も経つのですが、今まで確定申告をされていないそうなのです。
よろしくお願いします。
▼総務の森に寄せられた回答例
回答①
> 1.基礎控除申告書の給与所得以外の欄に年金収入の額を記載する必要ありますか?
> その場合、遺族年金は除きますか?
▶[給与所得以外の所得]の収入金額欄は初めから斜線/が引いてあるので収入金額は記載不要ですが、
所得金額欄は、老齢年金額(老齢基礎+老齢厚生、各種控除前、遺族年金は非課税なので対象外)から 公的年金等控除額(65歳以上 110万円)を引いたものを 所得額として記載する必要があります。(マイナスであれば 0 )
「給与所得以外の所得の種類等」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/1648_73_02.pdf> 2.会社で年末調整を行うとしても、確定申告が必要になりますか?
▶「年金受給者の皆様へ 所得税の確定申告が不要になる場合があります」
https://www.nta.go.jp/about/organization/takamatsu/release/hodo/hodo_24/24kakusihin/pdf/nenkin.pdf
老齢年金額が400万円以下であっても、給与所得20万円以下には該当しないと推測されるので、*確定申告は必要です。★ ★ 訂 正 情 報 ★ ★ 2023.11.7 15:18
上記URLのフローチャート(PDF) に類似するものは全国の税務署・自治体で広く利用されていると思われ、
これに基づいて*回答しましたが、税務署に確認したところ、税務署の意図と文面には少し隔たりがあると個人的に感じましたので、
【確定申告が必要かどうか、税務署への相談確認が必要です】との回答に訂正させていただきます。公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下である
はい ↓
公的年金等以外の所得金額(給与や個人年金など)が20万円以下である
いいえ ↓
✕ [税務署への確定申告が必要です]
○ 【確定申告が必要かどうかについて、税務署への相談確認が必要です】一度確認できたら、関連する税制改正がなく、収入・所得が前年と変更なければ、前年と同じ対応でよいと思います。
> 3.年末調整では還付になる方ですが、確定申告したら、追加納付になったりしますか?
▶申告(正確な試算)をしてみないと何とも言えません。
※「給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」は確定申告を行うことでしか控除を受けられません。> その方は、年金受給して何年も経つのですが、今まで確定申告をされていないそうなのです。
▶確定申告が必要な人は、それを行うことが法律上の義務です。
追加納付になるか、還付金があるかで判断してはいけません。
本人が確定申告を怠ったとしても、会社に責任が生じるわけではありません。
回答②
(前略)
> 1.基礎控除申告書の給与所得以外の欄に年金収入の額を記載する必要ありますか?
> その場合、遺族年金は除きますか?年金以外の所得の記載も必要ですが遺族年金は除いて本人分のみで計算しましょう。
> 2.会社で年末調整を行うとしても、確定申告が必要になりますか?
雑所得の年金400万以下は申告してもせずとも良いとなっています。
ですので、申告するかどうかは本人に任せましょう。
その際年金天引きされている介護保険料等の社会保険料の清算機会はありません。
つまり社会保険料として加算する機会が無くなるという事です。
年調加算は出来ません。
それを踏まえて本人に任せましょう。> 3.年末調整では還付になる方ですが、確定申告したら、追加納付になったりしますか?
それは判りません。確定申告について事業所が関わるのはやめましょう。
確定申告は本人の判断です。
ですので、申告するかどうかは本人の責において行う事でその相談は本人が直接税務署に問い合わせてもらいましょう。
還付なのか追納なのか責任の持てるものではありませんのでやめましょう。> その方は、年金受給して何年も経つのですが、今まで確定申告をされていないそうなのです。
年金400万以下は申告せずともよいとなっていますので申告していないのでしょう。
それでもいいですし申告してもいいのです。
つまりどちらを選択するかは本人が決める事です。
申告するなら給与分も含めて申告することになります。繰り返しますが確定申告をした方がいいのかせずともいいのかという問い合わせについては「わかりませんので税務署に聞いてください」としましょう。
事業所としての返答はトラブルの元になります。
(後略)
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『給与所得のある年金受給者の確定申告について』
年末調整後の確定申告。社員からさらに質問が…?
年末調整を行い一段落したものの、年が変わると確定申告を行う社員から様々な質問をされることが予想されます。
中には手続きが期日ギリギリとなり、突発的な事象につまずく…など急ぎの対応を要することも。
以下記事では確定申告にまつわる話題をピックアップしておりますので、
社員から質問を貰う前に事前にチェックしてみてはいかがでしょうか?
>詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『マイホーム、入院、ふるさと納税…社員から確定申告の質問がくる時期に見ておきたい質問まとめ』
最後に〜相談の広場ご紹介〜
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