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TOP > 記事一覧 > 総務・法務 > 意外と苦戦しがち?フリーアドレスの失敗事例と原因・対策を解説【失敗しないための導入チェックシートも】
失敗事例

意外と苦戦しがち?フリーアドレスの失敗事例と原因・対策を解説【失敗しないための導入チェックシートも】

働き方改革やリモートワークへの移行により、“フリーアドレス”の導入を検討する企業も増えています。フリーアドレスは、社員のコミュニケーションの促進や生産性向上のための施策としてよく知られていますが、失敗事例が多数存在することも事実です。多くの失敗は、事前に決めておくべきことや準備しておくべきことをやらずに実施してしまったことが主な原因です。

本稿ではフリーアドレスの失敗事例を4つ挙げ、その原因や改善点について解説します。

失敗事例①結局みんないつも同じ席に座っている…

よくある失敗事例が、フリーアドレスにしたにも関わらず、結局座席が固定化してしまうことです。フリーアドレスとは、座席を固定せず自由にすることで、コミュニケーションを活性化させたり自律的な働き方を促したりする施策を指します。せっかく自由にどこでも座れるのに、全員の意識の中に暗黙の座席表ができてしまうと本来の目的を果たすことができません。

原因

毎日どこに座るか考えるのは意外と面倒なものです。フリーアドレス化の目的が社員に浸透している場合は、社員もその目的を満たすために動いてくれるでしょう。しかし、社員が意義や目的を理解していない場合には、ただ「考えるのが面倒くさい」という理由で同じ座席に座り続けてしまうのです。また、仕事に使う道具が多い業種では、毎日の座席が変わることがかえって負担を生む場合もあります。

対策

フリーアドレス化の目的や理念を、社員に丁寧に説明しましょう。自由に座席を替えることが会社の生産性を上げるのだと理解すれば社員も協力してくれるでしょう。また、くじ引きで座席を決めるといったゲーム性を取り入れたり、部署ごとに大まかなエリアを決めてエリアの中で好きな席に座る“グループアドレス”を取り入れるという方法もあります。

【こちらの記事も】失敗するケースも。フリーアドレスのメリット・デメリット【導入チェック付き】

失敗事例②座りたい席がいつも空いてない…

座りたい席が空いておらず、空席を探してうろうろしたり、結局その日の業務に合ってない席に座ったり……。そのような状況は生産性を低下させます。このように、座りたい席がいつもあいていないことも、フリーアドレスの失敗事例としてよく見られます。

原因

このような状態になってしまう原因はいくつか考えられます。典型的な原因は以下の3つです。

  • マナーが悪い。荷物を置きっぱなしにして座席を占有する人がいる
  • 席数が足りない
  • 遮蔽物が多く、空いている座席がわかりづらい

対策

考えられる原因を1つずつ解消していきましょう。例えば上記の例で言えば、以下の対策が考えられます。

  • 荷物放置を防止するルールを策定する
  • デスクから近い場所に収納を増やす
  • オフィスのレイアウト変更・改装・移転などで座席数を増やす
  • 遮蔽物を取り除き、見通しをよくする

失敗事例③誰も掃除しないためデスクが汚れる…

固定座席の場合、座席が自分の占有領域なので管理者は自分ですから、掃除や整理整頓も自分の責任になります。しかし、フリーアドレスの場合は特定の座席の管理者がいません。汚れが溜まってもそのまま誰も掃除せず衛生環境が悪化してしまう場合があります。

原因

全員が「誰かがやるだろう」と思ってしまい、誰も掃除しないのが原因です。また以前から特定の几帳面な社員の善意に共用部分の清掃を頼っていて、多くの社員に清掃に対する意識が乏しい場合もあるかもしれません。

対策

いちばん簡単な対策は“掃除の時間を設けること”です。1週間に1回、10分程度の掃除時間を設け、全員でデスク周りを掃除します。これなら普段掃除をやらない人も率先してやってくれるでしょう。仕事に集中していて動いてくれない場合は、学校の掃除時間のように音楽を流すのも意外と効果的です。

【こちらの記事も】多様な働き方が増えた今こそ考えたい。オフィス環境にまつわる相談まとめ

失敗事例④現場の反対がありフリーアドレス化できなかった…

職場の体制を根本的に変革しようとすると、必ず反対する人が出てきます。それ自体は悪いことではありません。反対意見を言えるということは、職場の風通しが良く、心理的安全性が高いとも言えます。しかし、経営者としてフリーアドレス化が必要だと判断し実行する場合、反対する人たちにも納得してもらわなければ社内に溝が生まれ頓挫してしまいます。

原因

主に以下のような原因が考えられます。

  • フリーアドレス化について誤った理解をしている
  • フリーアドレス化の目的が浸透していない

対策

フリーアドレス化への理解を促進したり、目的を浸透させたりする施策に取り組みましょう。反対派との対話の場を多く設けたり、ワークショップに参加させたりして意識改革を促す方法もあります。フリーアドレス化の目的達成のために、どのような働き方が理想なのか、反対派の意見も聞いてみましょう。“説得する”といった分断的な態度ではなく、フリーアドレスを活かしてどのような働き方ができるかをイメージしてもらい、当事者意識を持ってもらうのが重要です。

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まとめ:チェックシートを使ってフリーアドレス化を成功させよう

フリーアドレス化の失敗事例は非常に多くの類型があり、本稿で解説したのはごく一部です。フリーアドレスと言ってもただ座席を自由にすればよいというものではなく、事前に知っておくべきことや検討すべきことが多数あります。

そこで導入前に検討しておくべきことや導入の流れについて、チェックシートにまとめました。フリーアドレス化の際にぜひ参考にしてください。

>>「フリーアドレスを導入する」実務チェックシートをダウンロード

*mits、takeuchi masato、8×10、Graphs / PIXTA(ピクスタ)