
働きやすい環境の第一歩。育児休業に関するお悩みと回答まとめ
皆さんが思う「働きやすい職場」という言葉の中にはどんな要素が含まれていると思いますか?
家から近い、残業が少ない、など様々なアピールポイントがあるかと思いますが、「育児休業(育休)がとりやすい、また育休終了後の復職のしやすさ」は従業員にとって働きやすい職場の指標になります。
厚生労働省の調査では育休の取得率は男女ともに右肩上がりに推移しています。また育休からの復職率も男女ともに増加傾向です。
育児休業がスムーズに取得できる、また従業員が育休を検討している際にアドバイスできたり準備が整っているという職場は心強いものです。
そこで本記事では育児休業にまつわるお悩みをピックアップ。同じ質問や場面に出くわした時、きちんと答えられるか頭の中に思い浮かべながら読んでみてください。
目次
1.【あなたは答えられる?】育児休業を再取得できる「特別の事情」ってどんなもの?
質問日:2022年10月21日
◆質問内容(一部抜粋)
(前略)
育児・介護休業法のあらまし(令和4年4月1日、令和4年10月1日、令和5年4月1日施行対応)の育児休業を再取得できる「特別の事情」について、理解ができない文章がありました。
P20下段(5)
①育児休業再取得 産前産後休業産後パパ育休又は新たな育児休業の開始により育児休業期間が終了した場合で、産前産後休業・産後パパ育休または新たな育児休業の対象となった子が死亡したとき又は他人の養子になったこと等を理由により労働者と同居しなくなったとき下線の部分なのですが、子が死亡した場合や他人の養子になったのであれば、育児休業を再取得する意味がないのでは?と思いました。
(後略)
▼総務の森に寄せられた回答例
回答①
旧法下では第一子の育児休業中に第二子出産があった場合、第一子が死亡してしまうと育児休業は終了するという仕組みになっていました。
「特別の場合」はこれを示すものと思われます。
回答②
解決しているのかもしれませんが、念のため。
第1子の育児休業中に第2子の産休や育休が開始になると、その開始時点で第1子の育児休業は強制的に終了となります。「その後、産休や育休中であった第2子が死亡等する」と、第2子の死亡後に第1子の育休を再度取ることができます。
以上が再取得の全体像です。「」内の、「その後、産休や育休中であった第2子が死亡等する」が「特別な事情」になります。この制度は、今回の法改正前から存在し、改正後も変更されることなく継続しています。
むしろ注目すべきは、改正前には無かった、1歳以降の育休における、「特別な事情」による再取得の創設です。「あらまし」のP21中断の(6)がその解説です。注意すべきは、1歳以降の「特別な事情」は、1歳までの「特別な事情」よりも限定されている(少ない)ことです。
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『2022年10月1日改正 育児休業再取得の特別な事情とは』
2.育休を延長していた従業員が期間内に保育園に受かった!残りの期間はどうしたらいい?
質問日:2023年03月09日
◆質問内容(一部抜粋)
(前略)
現在、待機児童のため育児休業延長をしている社員がおります。2歳まで延長申請をしているのですが、それまでに保育園に受かり入園する事が決まったようです。
その場合、
①本人より申請があれば育児休業を2歳になるまで取得させられるのか。②会社側は入園が決まったら即復帰して下さいと規定で決めていたり、人員不足等の都合で拒否できるのか。
(後略)
▼総務の森に寄せられた回答例
回答①
延長理由は保育園入園不可であれば入園可能になった時点で延長理由が消滅しますので復帰となると思います。
育休給付金を受給している場合は不正受給になる可能性もあるでしょう。
給付金と復帰は別と考えるのであれば会社独自で申請期間育休とされてもいいでしょうが社会保険等負担が発生することもあるでしょう。
延長申請期間中に要件クリアとなった場合は復帰と考えるのが一般的かと思います。
育休についての規定がどのようになっているかもご確認ください。
回答②
育児休業で休業している期間の途中で、保育園に育児休業の対象となった子を預かってもらえるようになったとしても、預かってもらえる時点で労働者が職場に復帰する義務はありません。当然、会社が復職を命じることもできません。
労働者が育児休業で休業する(=できる)期間は、労働者が決定します。会社が決定することはできません。従って、労働者が子が2歳になるまで休業すると元々申し出ているのであれば、法定の終了要件に該当しない限り、2歳まで休業できることになります。保育園に預かってもらえるようになったというのは、法定の終了要件にはありませんから、保育園に預かってもらえるようになったからといって、当然に育児休業が終了することにはなりません。
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『育児休業からの復帰について』
まだまだあった育休に関する相談から自社の課題解決に!
人手不足の現代において、在籍中の従業員は欠くことのできない力であり、従業員が働きやすい環境づくりはとても大切です。
そんな中で従業員のライフスタイルに合わせて「お休みがとりやすい」ということは従業員にとっても長く働きやすい、と感じる点です。
そのためか姉妹サイトの「総務の森」ではお休みに関連する質問が経営者・従業員共に多く寄せられます。
今回はお休みの中でも「育児休暇」に関する質問をまとめてみました。頻繁に起きるお休みではないので皆さんも対応に困ったことはありませんか?
>詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『【従業員に安心して働いてもらうために】育休に関する相談まとめ』
最後に〜相談の広場ご紹介〜
『総務の森』は、『経営ノウハウの泉』の姉妹サイト。総務、人事、経理、企業法務に関わる方の、業務のお悩みを解決する日本最大級の総務コミュニティーサイトです。
調べても分からなかったことを質問や相談をしたり、専門家が執筆しているコラムを参考にしたりして、今抱えている疑問や問題を解決していく場を提供しておりますので、ぜひご参考にしてください。
※記載されている返信はいずれも総務の森サイトの会員による投稿文であり、掲載情報の正確性、有効性および完全性等に関して、保証することはできません。
詳しくは「総務の森 利用規約」をご確認ください。
* buritora / PIXTA(ピクスタ)