パーパス浸透を成功させるには、社内報が有効!パーパスの重要性や取り組み方法を解説
近年、企業の存在意義を示すパーパスを策定する企業が増えています。パーパスを社内に広く浸透させるための方法としておすすめなのが、社内報です。本記事では、社内報を活用してパーパスを浸透させる方法について解説します。
目次
パーパスとは
近年、「パーパス」という言葉が企業の間で重要なキーワードとして注目を集めています。パーパスの本義は「目的」「意図」ですが、企業経営においては「その企業が社会に対して存在する理由・意義」を指している場合が多いです。パーパスと似た概念に「ビジョン」がありますが、ビジョンは「その企業が目指す到達点、あるべき理想像」を指します。
パーパスは企業をよく表しており、わかりやすい例を3つご紹介します。
ソニー
クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。
【引用】Sony’s Purpose & Values/ソニー
味の素株式会社
アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する
【引用】トップメッセージ/味の素株式会社
コクヨ
ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。
【引用】企業理念と行動基準/コクヨ
例を見るとわかりますが、パーパスは、ビジネスの目的そのものではなく、むしろ企業が目指す社会へのインパクト、そしてその目的に向けた存在理由をを示しています。言い換えると、企業が活動を通して社会や環境にどのような影響を与えたいのか、その意図や目的を明確に表現したものです。パーパスは具体的な目標に向けての、企業の判断基準および行動指針となるものとなり得るのです。
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パーパスが今注目を集めている背景と意義
パーパスが注目を集める背景には、持続可能な社会の実現や、企業の社会的責任(CSR)に対する関心の高まりがあります。消費者や投資家は企業がどのような社会的価値を提供しているかに着目し、従業員も自身の仕事がどのように社会へ貢献しているのかを意識するようになっています。
そのため、企業は明確なパーパスを持ち、それを周囲に浸透させることがますます重要といえるでしょう。また求職者の立場からも、待遇のみならず「就業環境や事業そのものの魅力に共感できるか」といった、より精神的満足度を求める傾向が強まっています。それらを踏まえ、以下2点が企業として注目されてきています。
- 企業の存在目的が、現代の価値観として評価できるか
- 実際の業務・社内環境・仕事のあり方が、パーパスを体現しているか
特に投資家に対しては、財務的評価だけでなく、パーパスへの整合性やその実現に対する貢献性を併せて評価してもらうことで、より信頼を得られるでしょう。金融機関からの融資を受ける際にも、パーパスを明文化しておくことで、一定以上の評価を受けやすくなり、特に中小企業の資金繰り計画にプラスの効果をもたらすことが期待されます。
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パーパスを社内で浸透させることが重要な理由
パーパスをしっかりと定めたら、次はしっかりと企業全体に反映・浸透させることが重要です。この過程が徹底されていなければ、パーパスに基づいた行動がとられないことになり、外部からマイナスの評価を受けてしまいかねません。逆に企業活動全体にパーパスを浸透させ、あらゆる場面に反映させることができれば、多くのメリットが得られます。従業員の普段の行動まで浸透させられてこそ、パーパスと事業内容の整合性が内外から感じられるようになるでしょう。
よりよい意思決定につながる
パーパスが明確であれば、企業はその目的に基づいて意思決定を行うことができます。これにより短期的な利益追求だけでなく、長期的な価値創造を目指せるようになるでしょう。たとえば新しいプロジェクトを開始する際に、そのプロジェクトがパーパスにどのように貢献するのかを判断基準とすることで、一貫性のある意思決定が可能になります。
従業員の自律性の促進
パーパスは従業員の行動にも大きな影響を与えます。従業員が企業のパーパスを理解し共感することで、明確な判断基準を持って自律的に行動できるようになるでしょう。従業員一人ひとりが企業の目標に向かって主体的に動くことができれば、組織全体の生産性向上につながります。
パーパス浸透のための社内報の活用方法
パーパスを社内に浸透させるためには、文字としてだけではなくどのような態度や活動がパーパスを表すのかを、従業員に周知する必要があります。そのための有効な手段が、社内報の活用です。社内に向けて継続的にコンテンツを配信し、“読み物”として具体的なメッセージやエピソードを共有することで、パーパスの具体的なイメージを従業員に持ってもらうことを目指します。
社長メッセージでパーパスを発信する
社内への浸透には、社長や経営層が直接パーパスについて語ることが重要です。社内報に社長メッセージとしてパーパスに対する思いを掲載することで、従業員に強いメッセージを発信できるでしょう。経営層の真剣な思いは、従業員にとっての指針となるはずです。他の経営陣もパーパスへの思いをそれぞれの言葉で伝えることで、従業員への理解をさらに促せます。
従業員のパーパスとの向き合い方をインタビューや事例記事にする
経営陣からのメッセージだけでは、一方通行に偏ってしまうおそれがあります。そこで、従業員によるパーパスとの向き合い方を紹介するインタビュー記事を、社内報に掲載することも効果的です。実際にパーパスを意識して行動している従業員の声を紹介することで、他の従業員にもその意識が広がるでしょう。
また、特定のプロジェクトがどのようにパーパスに貢献しているのかなど、具体的なエピソードを交えて伝えれば説得力が出ます。さらに、パーパス実現に貢献したチームや個人の事例やエピソードを共有することで、従業員にとってより身近な話として受け取られるでしょう。
社内報以外でパーパスを浸透させる方法
社内説明会
パーパスの定義や更新を行った際には社内説明会を開催し、パーパスについて直接説明する場を設けることも効果的です。経営層がパーパスの重要性や具体的な事例を説明し、従業員からの質問や意見を受け付けることで、双方向のコミュニケーションからより深い理解を得られるでしょう。
社内SNS
社内SNSを活用してパーパスに関連するニュースやイベント、従業員の取り組みなどを日常的に発信することで、従業員が普段からパーパスを意識する環境をつくれます。グループウェア機能を備えたツールを活用すれば、社内報をコンテンツとしてアーカイブしておき、過去の内容を必要に応じて見直したり再配信したりすることも可能です。
パーパスに基づいた環境づくり
オフィス環境そのものをパーパスに基づいて設計することも、社内に浸透させるための方法の一つでしょう。たとえば、地球環境や自然にまつわるパーパスを掲げているのであれば、エコフレンドリーなオフィスにするといった具合です。これにより、従業員だけでなく訪問される取引先やお客様に対しても、パーパスを意識した取り組みが真剣に行っていることが伝わるでしょう。単なる標榜のみに終わらせないためにも、どのような環境整備がパーパス浸透の一環になるか検討してみてください。
パーパスは企業とともに成長する
パーパスは、企業の成長や時代の進展によって変化します。社内・事業の状況と時代の要請をしっかりと意識しながら、企業の成長を望む方向へ促すため、パーパスの定期的なアップデートは必要です。常にパーパスを軸とした企業のあり方を意識していれば、持続的な成長を目指す指針とすることができるでしょう。
*SeventyFour, Dilok Klaisataporn, PeopleImages.com – Yuri A, Summit Art Creations, smolaw, fizkes / shutterstock
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