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法条文が2つあり理解困難、障害併合のパターンは?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 社会保険労務士の資格取得に向け、勉強中の者です。障害厚生年金の併給調整ですが、厚年法第49条と第52条の2に同じような規定が存在します。2つの条文に分けて規定する意味がよく分かりません。どういう趣旨なのでしょうか。

【青森・H生】

[ お答え ]

 厚年法第48条は、「障害厚生年金の併給の調整」という見出しがついていて、「障害厚生年金(障害等級2級以上に該当したことのあるものに限ります)の受給権者に対して、さらに障害厚生年金(2級以上)を支給すべき事由が生じたときは、併合した障害厚生年金を支給する」という内容になっています。
 障害厚生年金の併合といいながら、障害等級3級の障害は除かれています。2級以上に該当したことのある障害同士に関する併合ルールを定めています。
 厚年法第52条の2は、「障害厚生年金(障害等級2級以上に該当したことのあるものに限ります)の受給権者に対してさらに障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、併合した障害の程度に応じて障害厚生年金の額を改定する」と規定しています。
 第48条の「障害厚生年金(2級以上)」の部分が「障害基礎年金」に入れ替わっただけで、どちらも「2級以上の障害が残ったとき」を対象とする点では変わりがありません。なぜ、2つの条文が定められているのでしょうか。
 実は、国民年金法第31条にも、「障害基礎年金の受給権者にさらに障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、併合した障害基礎年金を支給する」という規定が存在します。
 まず、厚年法第48条は、障害厚生年金の受給権者が、厚生年金の被保険者である間に初診日のある傷病により新たに障害厚生年金の受給権を得た場合を想定しています。
 この場合、障害厚生年金・基礎年金の等級が一体となって見直されます。
 次に、国民年金法第31条は、障害基礎年金の受給権者が国民年金の被保険者(または60歳以上65歳未満)の間に初診日のある傷病により新たに障害基礎年金の受給権を得た場合を想定しています。ですから、障害基礎年金が改定されるだけです。
 厚年法第52条の2は、障害厚生年金の受給権者が、サラリーマンを辞め、国民年金の被保険者(または60歳以上65歳未満)になった後に初診日のある傷病により新たに障害基礎年金の受給権を得た場合を想定しています。
 この場合、障害基礎年金の改定が実施されるのは当然ですが、第52条の2は、障害厚生年金の額もそれにつれて(一体となって)変更されることを明らかにしたものです。



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