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結局どうすればいい? 新型コロナウイルス関連のお金がもらえる経済支援策まとめ

2020.08.26

自粛要請もようやく解除となり、経済もようやく再生に向かって回り始めました。しかし、自粛期間中のダメージが回復するまでには、まだまだ時間がかかる企業も多いのではないでしょうか。

経済の回復をアシストするために、行政からはさまざまな補助金や助成金などの経済支援策が提供されています。

しかし、種類が多く、頻繁に情報が更新されるため、どのタイミングでどれを申し込むべきなのかわからないという方も多いでしょう。

経済支援策には、生活維持のための支援策や事業継続のための支援策などがありますが、ここでは特に事業継続を目的とした支援策について整理して説明します。どの経済支援が対象になるか分からないという方に向けて、支援策の全体像の説明をして、具体的な制度をご紹介します。

全体像を理解するための経済支援策の分類

コロナ対策の事業者向け経済支援策は主に、(1)資金繰り対策(2)補助金・助成金(3)給付金の3種類に分類できます。

1. 資金繰り対策

通常、売上金をもとに仕入や人件費などの費用を支払いますが、自粛要請の影響で売上が激減している状況ではそれらの支払原資が不足します。借入によって、売上が正常に戻るまでの運転資金を確保することが可能になります。

自粛要請の中で資金繰りが悪化した事業者に向けて、影響度合いに応じて段階的に支援が行われています。影響度合いは、主に売上の減少により判断されます。

  • 主な支援内容:借入要件の緩和
  • 無保証・無担保
  • 金利引き下げ
  • 利子補給による実質的な無利子化
  • 返済開始時期を遅らせる据置期間の設定

2. 補助金、助成金

補助金及び助成金についても手厚い経済支援策が用意されています。今まで、補助金や助成金を利用したことがないという方のために、簡単に補助金と助成金の特徴をまとめてみました。

【補助金と助成金の共通点】

  • 原則返済不要な資金を受けられる
  • 申請期限がある
  • 資金使途が制限される

【補助金の主な特徴】

  • 補助金を利用する事業計画を作成し、審査を受けて採択される必要がある
  • 金額が多額なものもある
  • 申請期間が短い
  • 事業に関するものが多い
  • 事業実施後に支給

【助成金の主な特徴】

  • 種類に応じて要件が定められ、要件を満たせば支給される
  • 申請期間が長い
  • 雇用の維持や促進に関するものが多い

3. 給付金

助成金の中で給付金と名前の付いたものがあり、助成金の一部とされることもありますが、ここではあえて区別して説明します。

今回の緊急事態宣言を受けて、事業目的の支援でありながら要件を満たせば支給されるという、補助金と助成金の性格をもったハイブリッド支援策が実施されています。現在実施されているもの及び予定されているものについて後述します。

受給前に注意しておきたいこと

緊急事態宣言を受けて実施されている各経済支援には申請期限が定められているものがほとんどです。現在、特に定められていないものについても、今後の動向により期限が設定されることになるでしょう。

特に補助金に関しては、申請期間の設定が短期間となっていることが多いため、申請書類の準備期間を含めたスケジュール調整が重要になりますので、留意してください。

ここからは、3種類の経済支援策について、具体名を挙げて説明していきます。

資金繰り対策

想定される利用者:事業の運転資金が必要な事業主

(1)信用保証

銀行借入の際に必要な信用保証協会の保証を受けることができます。銀行借入には、会社や個人事業の経営状態や財政状態に応じて保証や担保を求められることがあります。信用保証協会の保証を受けることにより、銀行は安心して貸し出すことができるため、借り入れがしやすくなります。コロナの影響を受けた事業者を対象として、保証が受けやすく保証料も減免されるなどの特別枠が設けられています。利用には売上高の減少割合の制限がありますが、2020年5月1日以降、全ての業種で利用可能です。利用には、市区町村の売上減少についての認定が必要となります。

利用対象:セーフティネット保証4号(売上高▲20%以上)・5号(売上高▲5%以上)
危機関連保証(売上高▲15%以上)

セーフティネット保証5号のみ保証割合が80%で、その他は100%保証となっています。
また、一定の要件の下、保証料をゼロ又は1/2に減免されます。

(2)無利子・無担保融資

コロナによる影響で売上減少した事業者に対して、金融機関から3年間実質無利子や無担保などの条件で貸し付ける制度です。売上高の減少割合の制限が付いていますが、業種による制限はありません。

・日本政策金融公庫
新型コロナウイルス感染症特別貸付(売上高▲5%以上)
新型コロナウイルス対策マル経融資(売上高▲5%以上・小規模事業者)
・商工中金
危機対応融資(売上高▲5%以上)
・民間金融機関
信用保証制度を利用した場合に、無利子無担保で借り入れることができます。利用する保証制度により売上の減少幅の制限を受けます。また、企業が資産超過であることなどの一定要件を満たせば、代表者保証が不要になります。

(3)その他の資金繰り対策

現状、売上が減少していないものの、将来的に減少が見込まれる事業者については、別途セーフティネット貸付も用意されています。また、小規模企業共済制度にご加入の事業者は、掛金に応じて無利子で借入ができ、納付期限の延長や月額掛金の減額も可能となっています。旅館業、飲食店、理美容店などの生活衛生関係営業については、別途、特別貸付が設けられています。その他、借入期間の最終月に一括で返済する、資本性劣後ローンも新たに追加されました。

補助金

想定される利用者:設備投資や販売促進、業務の効率化をなど考えている事業主

(1)ものづくり・商業・サービス補助金

新製品・サービス開発や生産プロセス改善のための設備投資等を支援する補助金です。返済不要ですが、最初に手出しがあり、数ヶ月後に補助金が入金されるため、資金繰りに注意する必要があります。また、申請書作成が難しく、厳しい審査を通過する必要があります。例年実施されているものが、2020年は補助率が優遇された特別枠の増設や申請タイミングの増加などの措置が取られています。

補助上限:原則1,000万円
補助率:中小企業1/2 小規模2/3 特別枠2/3 または 3/4 事業再開枠10/10
申請期限:8月3日(2020年11月及び2021年2月にも申請期限が設けられる予定)

(2)小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の販路開拓等のための取組を支援する補助金です。申請書の作成が求められ、審査を通過する必要がありますが、比較的通りやすい補助金です。商業、サービス業は従業員5人以下、製造業その他は従業員20人以下の事業者が対象となります。

補助上限:50万円 or 100万円
補助率:2/3 特別枠3/4
申請期限:一般型8月7日、10月2日、2月5日

(3)IT導入補助金

事業継続性確保の観点から、ITツール導入による業務効率化等を支援する補助金です。
ITツールの発注先は登録事業者に限定されます。登録事業者からの申請サポートを受けて申請します。申請には『gBizID(GビズID)』が必要となります。gBizIDとは、企業が発行を受けたアカウントで複数行政サービスにアクセスできる認証サービスです。IT導入補助金の申請は、gBizIDを使用して電子申請をする必要があります。登録に約1週間かかりますので、申請をお考えの方は早めに手続きをしてください。

補助額:30万円~450万円
補助率:1/2 または2/3
申請期限:6月26日、7月10日

助成金

想定される利用者:事業縮小に伴う経費負担の補助を受けたい事業主

(1)雇用調整助成金

経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部について助成を受けるものです。申請手続の簡素化や助成額の上限引き上げ、助成率の拡充が実施されています。

助成率:大企業2/3 上乗せ要件充足3/4
中小企業4/5 上乗せ要件充足9/10
支給限度日数:1年間で100日(令和2年4月1日~令和2年6月30日の休業は日数制限には含まれません)

(2)その他の助成金

・小学校等の臨時休業に伴う 保護者の休暇取得支援(助成金・支援金)

新型コロナウイルス感染症に関する対応として、小学校等が臨時休業した場合等に労働基準法上の年次有給休暇とは別途、有給の休暇を取得させた企業に対する助成金です。助成金の場合、青色専従者は対象外ですが、支援金の場合は対象になります。

支給額:休暇中に支払った賃金相当額×10/10

適用日:令和2年2月27日~9月30日の間に取得した休暇

給付金

想定される利用者:新型コロナの影響で売上が大幅に減少した事業主

(1)持続化給付金

新型コロナの影響で売上が大幅に減少した事業者に対して、個人事業主に最大100万円、中小企業に最大200万円(売上減少分を上限)が給付されます。

主な要件
(a)新型コロナの影響で売上が前年同月比50%以上減少した事業者
(b)2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者

上記の要件を満たさない場合でも、新規開業特例などの特例が設けられており、受給しやすくなるように配慮されています。また、(b)の要件を満たさない場合においても、2020年1月1日から3月31日までの創業者にも対象範囲を拡大することが予定されています。

(2)家賃支援給付金

中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者等であって、2020年5月~12月において売上高が減少している事業者に、給付金を支給することが新たに決まりました。

支給要件
(a)いずれか1ヶ月の売上高が前年同月比で50%以上減少
(b)連続する3ヶ月の売上高が前年同期比で30%以上減少

支給額:申請時の直近の支払家賃(月額)の1/3または2/3相当の給付額(月額)の6倍(6ヶ月分)

最後にお伝えしたいこと

今回ご紹介した制度の他にも、納税猶予や保険料納付猶予など、様々な支援策が用意されています。それぞれの制度には相談窓口も設置されていますので、この記事を読んで当てはまるかもと思われた方は、制度の詳細を調べたり、相談窓口や専門家に相談したりしてみてください。

また、制度が頻繁に更新されていますので、現在要件を満たさない場合でも、定期的に最新情報を確認することをお勧めします。

※ CORA / PIXTA(ピクスタ)