
【契約解除?!対応方法はどうしたら…?】不利にならないために知っておきたい契約に関するお悩み
年度の変わり目は、契約を再考される機会が多いのではないでしょうか。
契約の見直しや解除、内容変更といった決断をされる方も多いと思います。
今回は、契約の解除にまつわる悩みを取り上げました。
契約には慎重な判断が求められます。正しい理解のために、ぜひご一読ください。
1.取引先が社名を変更、契約解除の文面はどうしたらいい?
質問日:2024年1月12日
◆質問内容(全文)
3社契約を18年前に契約したのですが、今回契約を解約することになりました。
しかしながら、3社のうち2社が(当社も)社名変更しております。その場合の解約合意書の文面に旧社名を明示する必要があるのでしょうか。
教えてください。何卒、よろしくお願いいたします。
◆総務の森に寄せられた返信はこちら
回答①
書きようはいくらでも工夫できると思いますが、原契約に甲乙丙とふってあれば、
次の甲乙丙三社間で平成18年 月 日締結の「 基本取引契約」について、今般甲申し入れにつき三社協議のうえ、年月日において解約する合意に達したので、ここに…
甲)古い社名
乙)古い社名
丙)変わらない社名年月日
甲)新社名 代表取締役 何某(印)
乙)(以下同様)
回答①への返答
(前略)
明快なご回答ありがとうございます。
参考にさせていただき、文書の作成をいたします。
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『契約時の社名と解約合意書を作成するときの社名が変わった時』
2.自動更新で契約した内容は永遠に有効?
質問日:2023年7月5日
◆質問内容(全文)
リベート契約を代理店と交わしています。達成ベースではなく、基本契約書の中で固定額、固定のリベート率決められ、最後に署名したのは10年前、というものもざらにあります。「お互いから申し出がなければ自動更新」という条項が含まれていて、今まで来てしまいました。社内には「何年ごとに更新」というルールはありません。
そのため、社内でルールを定めようとしているのですが、営業部からは 「更新するたびに高い%や得意先(代理店)に有利な条件を求められる可能性があり、ビジネスに悪影響をもたらす可能性がある」として 更新したくない、と抵抗を受けています。
そこでご教示お願いいたします。
1)自動更新が合意された契約書 は特に変更がない場合、永遠に有効で、更新しなくても問題ないのでしょうか (社内ルールで「永遠」をやめさせたいので、問題であってほしいです)10年の間に 弊社は 移転と社長が変わりました。しかし リベートの%は当時のままです*自動契約に関しては、他社ではどのようなルールを作られているのでしょうか。ぜひ参考にさせていただければ幸いです。
◆総務の森に寄せられた返信はこちら
回答①
契約そのものは双方の合意に基づく内容になっているはずですが、一番初めの契約書の作成段階で、どちらがその契約書のひな形を作成するのか?
がスタートラインでしょうね(当然自社に有利になるように設定します)
ひな形を作成する側が長期契約を望むなら、その始めの設定段階で自動更新期間も長くなるはずです。
ただ、契約書には、損害賠償を含む途中解約条項も入っているものもありますから、長くても短くてもデメリットが生じる可能性は避けられません。
やはり、基本の契約期間は営業サイドと相談して決めないとならないでしょう。
契約期間を弄るということは、貴社の営業サイドがいうようにマイナス面が生じる
可能性があります(通常は期間を弄ることによりメリットが生じる側が提案してきます)(中略)
結果として当該契約が半永久的に更新され続けたとしても、それはやむを得ないと思います(期限の定めが無い契約もありますが、永遠契約というニュアンスではないですね)
当然、長い間、代表者変更や会社の所在地の変更があることは想定済みです。
但し、その都度、契約書を作り直すことはせず、代表者変更や会社移転の通知で済ましてしまうのが一般的だろうと思われます(あまり多ければ契約書を創り直すこともあります)その他、契約内容を一枚にせず、取引基本契約書と個別契約書(個別内容ごとに期間を設定する)に分ける方法もありますが、臨機応変ですね。
回答②
弊社では以下のとおりです。
一般的に自動更新付の契約書は特に問題ありません。
しかし弊社では時間が経てば双方の経済的事情が変わることから毎年1回見直しを検討します。検討して問題なければ更新です。これは法律ではなく、規程でもなく、通達で決めています。
「‥期間満了の〇か月前までに双方から何らかの申し出がなければ‥」とあるので、その「〇か月前」を見直し検討期限としています。
「移転」は何の移転か分かりませんが登記上の本店所在地が変われば、たいてい契約書を再締結します。代表取締役も同じです。例外として覚書で済ますときもあります。
契約書は相手があることから都度協議を前提として臨機応変に対応しています。
>詳しくはこちら
総務の森<相談の広場>『自動更新で取り交わした契約書の更新について』
自社に不利になっているかも…?リスクをなくすために契約書で確認しておくべきこととは
“契約”は、法的に保護される当事者間の約束事です。そのため、自社に有利な内容はもちろん、不利な内容の契約であっても、その契約内容に拘束されるのが原則です。仮に「そんな内容だとは知らなかった」、「そんな意味のある条項だとは説明されなかった」と主張しても、企業間の契約で、双方の署名押印のある契約書が存在している場合には、その契約内容を覆すことは容易ではありません。
そのため、契約書を作る場合には、自社に一方的に不利な内容がないか、自社が獲得したい利益が得られ、守るべき利益等が毀損される内容となっていないかをしっかりとチェックすることが重要となります。
そこで以下記事では、契約書をチェックする際の視点や要注意な条項について説明します。
詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『自社に不利になってない?弁護士が伝えたい「契約書で確認すべき項目」6つと注意点』
最後に〜相談の広場ご紹介〜
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*mentalmind/ Shutterstock