年末調整の準備、始めていますか?定額減税に関するお悩みまとめ
年末調整の準備を始める時期になってきましたね。2024年は定額減税の影響もあり、対応に苦労された方も多いのではないでしょうか。年末調整でも、この定額減税が複雑な対応を求める場面があるかもしれません。
本記事では、定額減税が関わる年末調整のお悩みをまとめました。これから準備を進める担当者の方々、ぜひご参考にしてください。
1. 源泉徴収を乙欄から甲欄に切り替え。定額減税はできる?
質問日:2024年7月25日
◆1. 質問内容(一部抜粋)
昨年の年末調整時に、ある社員より令和6年はダブルワークをする予定と申し出があったため、今年1月からは源泉徴収を乙欄に切り替え徴収していましたが、7月になってから本人より、結局、年初よりダブルワークをすることもなく、今後も弊社のみで働くので源泉徴収を甲欄に戻してほしいと言ってきました。
ご教授いただきたい点は以下2点です。
1)遅まきながら扶養控除申告書を提出させましたが、次回の給与(8月支給分)より源泉徴収を甲欄に戻しても差し支えないのでしょうか。また先の話ですが令和6年分の源泉徴収票を作成する際に備考欄に何か記載が必要になるのでしょうか。
2)6月時点で乙欄徴収であったため支給済みの6月、7月の給与では定額減税は行っていません。8月給与より甲欄に戻すとして、定額減税を開始しても問題ないでしょうか。
(後略)
◆1. 総務の森に寄せられた返信はこちら
●回答①
(前略)
>1)遅まきながら扶養控除申告書を提出させましたが、次回の給与(8月支給分)より源泉徴収を甲欄に戻しても差し支えないのでしょうか。また先の話ですが令和6年分の源泉徴収票を作成する際に備考欄に何か記載が必要になるのでしょうか。
扶養控除等申告書を受け取った後の給与から、甲欄にて計算でよいでしょう。
備考欄は必要ないですが、甲欄の給与と乙欄の給与は通算して年末調整を行うことになります。>2)6月時点で乙欄徴収であったため支給済みの6月、7月の給与では定額減税は行っていません。8月給与より甲欄に戻すとして、定額減税を開始しても問題ないでしょうか。
定額減税については、6月1日時点で扶養控除等申告書が提出されていないことから、月次減税は受けられません。年末調整にて対応となります。
仮にダブルワークが開始されたとしても、貴社が主、ダブルワーク先が従となる可能性もあったわけなので、はじめから扶養控除等申告書の提出を受けておくべきだったように思います。
●回答②
(前略)
1.
扶養控除等申告書の提出を受けて以降の支払いになる給与から甲欄でよいです。
年末調整は他社で甲欄の源泉徴収票があれば通算しますがダブルワークを本当にされていないのであれば、貴社の分しかないことになりますので、貴社の乙欄分と甲欄分を含めて年末調整した源泉徴収票を交付することになります。2.
できません。
6月1日時点で乙欄適用のためです。
年末調整において年調減税として対応することになります。
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『定額減税の扱いについて』
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もうすぐ年末調整の時期がやってきます。実際に業務を進めていると、返還の必要が出てきたり、年末調整をする必要のある社員か判断しなければいけなかったりと、頭を悩ませることが起きるかもしれません。ぜひ下記の記事も参考にしてください。
>詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『【年末調整】細かい質問が来る前の早めの対応周知が吉?年末のお悩みまとめ』
2. 年末調整で配偶者や扶養親族の定額減税申告は必要?
質問日:2024年4月26日
◆2. 質問内容(一部抜粋)
(前略)
「令和6年分扶養控除等申告書」に記載されていない
同一生計配偶者や扶養親族の分の定額減税は「源泉徴収の係る定額減税のための申告書」を提出することにより定額減税が受けられる。と認識しております。当社の場合、年末調整は電子化しており、
システムを使用し年末調整業務をしております。この年末調整システムでは配偶者情報、扶養親族情報を全て入力し、
自動判定で配偶者控除、控除対象扶養親族を計算しております。そういった場合、判定されなかった配偶者特別控除配偶者や16歳未満の扶養親族は「令和6年分扶養控除等申告書」から除外されるため、社員から別途「源泉徴収の係る定額減税のための申告書」の提出が必要でしょうか?
それとも年末調整システムで、すでに配偶者と扶養親族の情報があるので
それをもとに対象者として抽出してよいのでしょうか?(後略)
◆2. 総務の森に寄せられた返信はこちら
●回答①
(前略)
配偶者特別控除配偶者が除外されているとのことですが、
定額減税で人数に数える対象になる「同一生計配偶者」は所得48万円以下ですので、配偶者特別控除配偶者は定額減税では対象外になるのではないでしょうか。参考:リンク先の4ページ目
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0023012-317.pdfまた、16歳未満について通常は、扶養控除等申告書の住民税に関する事項として記載されていると思いますが、御社のシステムでは記載が無くなってしまうのであれば
「源泉徴収の係る定額減税のための申告書」を提出してもらった方が安全かとおもいます。実際に必要があるかは税務署へお尋ねいただく方が良いかと思います。
●回答①への返信
(前略)
ご指摘の通り、特別控除配偶者は配偶者控除では対象、
定額減税では対象外ですね。謝った表現で質問しておりました。
そうですね、恐らく提出いただくのが一番良い方法かと思いますが
念のため税務署に聞いてみます。ありがとうございました。
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『定額減税の「源泉徴収の係る定額減税のための申告書」について』
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下記は、毎年実施する「年末調整」に利用できる実務チェックシートです。実務内容のToDoリスト化や申請手続きに必要な参考情報リンクを載せておりますので、参考にしていただければ幸いです。
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経営ノウハウの泉『年末調整を行う(12-1月)』
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