労働実務事例
[ 質問 ]
当社では、2カ月サイクルで勤務スケジュールを組む関係で、時間外・休日労働(36協定)の時間外上限(特別条項付)も2カ月単位で協定しています。1カ月単位では特別条項を発動せずに月45時間を超える時間外労働が可能ですが、この場合、割増賃金率はどのように考えればよいのでしょうか。
神奈川・R社
[ お答え ]
「時間外労働の限度基準」(平10・労働省告示第154号)では、1・2・4週間、1・2・3カ月、1年の7とおりの期間別に労働時間延長の限度時間を示しています。
36協定では、1日のほか、「1日を超え3カ月以内の期間」と「1年」の限度時間を協定します(同告示第2条)。
「1日を超え3カ月以内の期間」は、原則として1種類の期間を選択すれば足ります。2カ月で協定を結べば、2カ月の限度81時間(1年単位変形制は75時間)を順守すれば必要十分で、1カ月で45時間を超えても限度基準に違反しません。ですから、特別条項を発動する必要もありません。
平成22年4月1日から限度基準が改正され、特別条項を締結する際には次のルールを守る必要があります。
① 限度基準を超える割増賃金率を定める
② 限度基準を超える時間外をできるだけ短くするよう努める
③ ①の率は2割5分を超える率とするよう努める
行政解釈(平21・5・29基発第0529001号)では、「1日を超え3カ月以内の期間と1年の双方について特別条項付き協定を締結する場合には、それぞれについて時間外労働に係る割増賃金率を定めなければならない」と解説しています。
①に限っては「努める」という文言がなく、特別条項を付すときは強制義務となります。必要事項不記載のときは、「労基署長による助言および指導の対象」になります(前掲行政解釈)。
貴社のケースでは、2カ月という単位を選択するので、81時間(75時間)を超えた場合の「割増賃金率」を定めることになります。1年についても上限を協定していれば、360時間(320時間)を超えた場合の割増賃金率も記載します。具体的な数字を示せば、2割5分でも法的には可です。
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