労働実務事例
[ 質問 ]
もうすぐ定時決定の時期ですが、一つ確認したいことがあります。5月の途中に退職の意向を示し、残った40日近くの年休を消化中の社員がいます。退職日は7月半ばですが、この方も定時決定の対象に含める必要があるのでしょうか。あるとすれば、4月1カ月分の賃金で報酬月額を算定すればいいのでしょうか。
佐賀・M社
[ お答え ]
定時決定の対象者は、「7月1日現に使用されている」人と規定されています(健保法第41条)。除外されるのは、次の2種類の被保険者です。
① 6月1日以降に入社した人
② 7月に標準報酬月額の改定が行われる人
お尋ねにある人は、既に退職届を提出し、会社と退職日の合意もできているようですが、定時決定の除外対象には含まれません。
諸般の事情により、労使間で退職の合意を取り消し、継続就労する可能性もゼロとはいえないからです。
定時決定による標準報酬月額は、原則として7月1日前3カ月(4月~6月)の報酬総額を3で除して得た額(報酬月額)を基準として定められます。ただし、報酬支払基礎日数が17日未満の月があれば、その月は分子の報酬総額から除き、分母の月数も減らします。
有給休暇の残日数が40日近くあるとすれば、年休取得は労働日のみ可能ですから、週休2日制の会社の場合、丸々2月近く休みが続くことになります。
しかし、年次有給休暇取得日は、労基法に基づき一定額の賃金(所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金など)が支払われるので、報酬支払基礎日数に含まれます。
完全な労務提供があったのが4月だけだったとしても、4月~6月の3カ月の賃金総額をベースとして報酬月額を算定します。残業代等の関係で標準報酬月額が少なくなるケースもありますが、いずれにせよ本人が退職すれば、新しい標準報酬月額は用済みです。
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