労働実務事例
[ 質問 ]
会社業績が低迷するなか、再雇用者を対象に短時間勤務への転換をお願いしています。厚生年金の被保険者資格を喪失すれば、働き続けたとしても在職老齢年金の適用はなく、年金を満額受給できると説明して問題ないでしょうか。
山口・S社
[ お答え ]
在職老齢年金の規定は、「受給権者が被保険者である日(70歳以降はこれに相当する日)の属する月」を対象として適用されます(厚年法第48条、附則第11条)。同じ会社に勤め続けていても、勤務時間が短縮され、適用除外となれば、厚生年金の被保険者資格を喪失します。
被保険者資格を有する最後の日(短時間勤務に切り替わる前日)の属する月は、在職老齢年金の規定により年金が減額されます。しかし、その翌月からは、満額の年金を受給できます。
さらに、資格を喪失し、被保険者となることなくして1カ月を経過したときは、資格喪失月前の被保険者期間を計算の基礎として(60歳以降の被保険者期間を加算して)、年金額が改定されます(厚年法第43条第3項)。一般に「退職時改定」と呼び慣わしていますが、「退職」が必須条件ではありません。雇用保険の高年齢継続給付は、従来どおり受給可能です。
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