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労働実務事例

提供:労働新聞社

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事業所統合で50人以上に、衛生委員会の役割教えて

「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社は、教育関係の仕事をしている会社です。事業所のトップ等をメンバーとする安全衛生委員会を必要に応じて開催していますが、事業所の統合により労働者が60人程度になるため、労働安全衛生法で委員会を正式に設置することが必要となると聞きました。委員会の開催について法律上、留意すべき点をご教示ください。

茨城・D社

[ お答え ]

 安衛法においては、一定の業種および規模の事業場ごとに、一定の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会または衛生委員会を設置しなければならないこととされています(安衛法第17条、第18条)。この一定の業種および規模の事業場については労働安全衛生法施行令第8条および第9条に定められており、(1)安全委員会については、林業、建設業、製造業等の事業場で、業種によって常時50人以上または100人以上の労働者を使用するものとされており、教育業は対象に含められていません。(2)衛生委員会については、常時50人以上の労働者を使用する事業場とされています。
 貴社の場合、常時50人以上の労働者を使用されることになりますので、衛生委員会を設置する必要があります。
 衛生委員会は、労使が協力して、その事業場における衛生問題を調査審議するための場です。衛生委員会に調査審議させなければならない事項は、次のとおりです。
1 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。
2 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。
3 労働災害の原因および再発防止対策で、衛生に係るものに関すること。
4 1から3までに掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止および健康の保持増進に関する重要事項
 4としては、①健康診断の実施に関する規定等の衛生に関する規程の作成に関すること、②安衛法第28条の2第1項の建設物、設備、作業等による危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置のうち、衛生に係るものに関すること、③安全衛生に関する計画(衛生に係る部分に限る)の作成、実施、評価および改善に関すること、④衛生教育の実施計画の作成に関すること、⑤安衛法第57条の3(化学物質の有害性の調査)第1項および第57条の4(厚生労働大臣の指示による化学物質の有害性の調査)第1項の規定により行われる有害性の調査並びにその結果に対する対策の樹立に関すること、⑥安衛法第65条第1項または第5項の規定により行われる作業環境測定の結果およびその結果の評価に基づく対策の樹立に関すること、⑦定期に行われる健康診断、安衛法第66条第4項の規定による都道府県労働局長の指示を受けて行われる臨時の健康診断、同法第66条の2の深夜業に従事する労働者が自ら受けた健康診断および有機溶剤中毒予防規則等の同法に基づく省令の規定に基づいて行われる医師の診断、診察または処置の結果並びにその結果に対する対策の樹立に関すること、⑧労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置の実施計画の作成に関すること、⑨面接指導等の実施方法等の長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること、⑩労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること、⑪厚生労働大臣、都道府県労働局長、労働基準監督署長、労働基準監督官または労働衛生専門官から文書により命令、指示、勧告または指導を受けた事項のうち、労働者の健康障害の防止に関することが含まれます(労働安全衛生規則第22条)。
 なお、⑦には、個人の病名等個人のプライバシーに関する事項は含まれないこととされています(昭53・2・10基発第78号)。
 衛生委員会の開催については、次に示す方法によることが必要です。
1 衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにしなければなりません(安衛則第23条第1項)。
2 委員会の招集、議事の決定、専門委員会の設置、委員会規定の改正等委員会の運営について必要な事項は委員会が定めます(安衛則第23条第2項)。
3 衛生委員会の開催の都度、遅滞なく、衛生委員会における議事の概要を①常時各作業場の見やすい場所に掲示し、または備え付けること、②書面を労働者に交付すること、③磁気テープ、磁気デスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置することのいずれかの方法によって労働者に周知させなければなりません(安衛則第23条第3項)。
4 衛生委員会の議事で重要なものに係る記録を作成して、これを3年間保存しなければなりません(安衛則第23条第4項)。



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