労働実務事例
「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。
[ 質問 ]
パート労働法の対象となるパートは、「週の労働時間が正社員より短い者」をいうと定義されています。しかし、当社の一部店舗では、店長を除き、フルタイムパートと短時間パートの2種類しか働いていません。この場合、本社や他の大規模店舗の正社員と比較するのでしょうか。
東京・B社
[ お答え ]
パート労働法の話をするとき、分かりやすいように「正社員」「パート」という表現を用いるケースもあります。しかし、正確な法律用語は、「通常の労働者」「短時間労働者」です。
パート労働法でいう「短時間労働者」とは、「同一の事業所に雇用される通常の労働者」より週の労働時間が短い者を指します(パート労働法第2条)。同一の事業所という条件が付いているので、同じ企業に所属していても、ご質問の店舗以外の事業所(本社、支社、他の店舗等)で働く人は、比較の対象になりません。
同一の事業所内で誰が通常の労働者に該当するかは、個々の短時間労働者が置かれた状況によって異なります。
原則的には、その短時間労働者と同種の業務に従事する労働者の中から、「通常の労働者」と呼ぶにふさわしい労働者グループを選び出します。
ただし、「業務の種類が2つ以上あり、特定の業務に従事する通常の労働者以外の数が通常の労働者数に比し著しく多い場合」(パート労働法施行規則第1条)には、「特定の業務」以外の労働者群の中から「通常の労働者」を探します。
基準は次のとおりです(平19・10・1雇児発第1001002号)。
1.業務の種類が1つ
イ 正規型社員がいる場合、最も時間の長い正規型社員
ロ 正規型社員がいない場合、フルタイムの基幹的労働者
2.業務の種類が2つ以上
イ 同種業務に正規型社員・フルタイムの基幹的労働者の両方がいない場合、他業務の正規型社員
ロ 同種業務に正規型社員がいる場合、最も時間の長い正規型社員
ハ 同種業務に正規型社員がいない場合、フルタイムの基幹的労働者
ニ 同種業務に正規型社員がいるが、その数が著しく少ない場合、他業務の正規型社員(前記のパート労働法施行規則第1条のケースに該当します)
お尋ねのケースをみると、店舗内には同種業務に従事する正規型社員はいなくて、フルタイムの基幹的労働者と短時間労働者のみが働いているという状況です。ですから、フルタイムの基幹的労働者が「通常の労働者」に該当します。
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