労働実務事例
[ 質問 ]
当社では、時間外・休日労働(36)協定で、1日の時間外労働の上限を4時間と定めてきました。先日、土曜出勤を命じた際、従業員から「土曜日の所定労働時間はゼロなので、協定に基づけば、4時間を超えて時間外労働はできないのではないか」と疑問が出されました。そういう解釈が成り立つのでしょうか。
【熊本・N社】
[ お答え ]
36協定では、「1日」、「1日を超える一定期間(3カ月以内)」、「1年」の3種類の期間を対象として、時間外労働の上限を定めます(平11・1・29基発第45号)。協定を結ぶことで、「労基法第32条から32条の5までもしくは第40条の労働時間を超えて労働時間を延長」できます(労基法第36条第1項)。
協定では、通常の労働時間制のほか、変形労働時間制、労働時間の特例(10人未満小規模商業等の44時間特例等)を適用するケースも含め、「労働させることができる最長の(法定)労働時間を超えて延長させることができる時間」を定めるのが原則です。
公休日である土曜日の出勤は、時間外(所定外)労働か休日労働のいずれかに分類されます。
法定休日が確保されていて、時間外労働に該当するときは、「1日の法定労働時間+1日の協定時間(貴社は4時間)」の範囲内で労働させることができます。協定では「1日の法定労働時間を超えて何時間まで時間外が可能であるか」を定めているので、所定内労働時間が何時間であるかは関係ありません。元々は、公休日でも、時間外労働の上限は通常の労働日と同様です。
土曜日が法定休日に該当するときは、36協定中の休日労働に関する規定に基づき労働を命じることができます。協定届には、「労基法第35条の規定による休日であって労働させることができる日並びに始業および終業時刻」を記入します(様式第9号の記載心得)。
例えば、「始業および終業時刻」を8時、17時と記載した場合、17時以降の労働時間延長が可能か否かという疑問が生じます。「始業・終業時刻は念のため記載を求めているものであって法定要件ではなく、(延長は差し支えない)」(安西愈「採用から退職までの法律実務」)という見解もあります。
閲覧数(39,109)
キーワード毎に情報を集約!
現在636事例
※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。
お知らせ
2024.4.22
2023.11.1
2023.9.1
スポンサーリンク
スポンサーリンク
[2022.7.24]
[2019.11.12]
[2018.10.10]
スポンサーリンク