労働実務事例
[ 質問 ]
当社では、このたび業務上災害の場合、保険給付を補填しようと、賃金の一部を上積みで補償することに決めました。賃金が減額したとして随時改定が必要なのでしょうか。
【岐阜・L社】
[ お答え ]
業務上災害で休業した場合は、労災保険の休業補償給付として賃金の60%相当が支払われるほか、休業特別支給金として賃金の20%相当額が上乗せ支給されます。
随時改定(健保法第43条)が行われるのは、昇(降)給などで固定的賃金に変動があった場合です。
しかし、一時的な勤務状況によって報酬額に増減を生じたときは、随時改定には該当しません。
このような状況で改定を行ったときは、傷病手当金などの保険給付の算出の場合、被保険者に不利な状況を強いてしまうことが考えられるからです。
ご質問の場合、休職前の賃金を補償する意味で賃金の20%を手当として支給したとします。被保険者の休職期間中、給与の支払いがなされる場合、標準報酬月額は休職前の標準報酬月額による(昭27・1・25保文発420)とされています。
支給する手当は、固定的賃金の変動には当たらず、保険料は休業前と変わりません。
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