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展示会

なぜ中小企業は展示会出展で失敗するのか?出展のメリットとデメリットから解説

展示会は、企業が自社の製品やサービスを広くアピールするための絶好の機会です。一方、展示会の運営は中小企業にとってリスクをはらむものでもあります。

展示会を成功させるためには、出展のメリットとデメリットを理解し、失敗例とその原因を学び、事前準備とフォローアップをしっかりと行うことが必要です。

今回は、中小企業が展示会を行う際に意識したいポイントについて詳しく解説します。

中小企業が展示会を行うメリットとデメリット

まず、展示会には、中小企業にとってどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

さまざまなメリットがありますが、おおむね以下のメリットがあげられます。

  • 製品やサービスを見てもらうことで、直接的に魅力を伝えられる
  • 対面でコミュニケーションを取ることで、お客さまとの信頼関係を築ける
  • 同業他社や異業種の企業との交流により、新たなビジネスチャンスをつかめる
  • 幅広い来場者の参加が予想されるため、集客力があり、短期間に多くの見込み顧客を獲得できる
  • 知名度やブランドイメージの向上が期待できる

展示会に参加することは、中小企業にとってこれらのメリットを最大限に活用し、製品やサービスの魅力を直接的に伝え、信頼関係を深める絶好の機会です。さらに、新たなビジネスチャンスの発掘とブランド価値の向上にもつながります。

一方で展示会にはデメリットも存在します。主に以下のようなデメリットが考えられるでしょう。

  • 出展に大きな費用がかかる
  • 準備には時間と労力といったリソースが必要で、その間、本業に影響が出ることもある
  • 自社の製品やサービスが目立たない場合、逆にマイナスイメージを持たれるリスクもある
  • 参加者が期待する情報提供や対応ができないと、顧客満足度が低下する

このなかで特に費用については、ブースの設営やスタッフの人件費、出展料など、予想以上に膨らむことが多いです。それだけの費用をかけるからには、成功させる必要があるでしょう。

せっかくの投資が無駄にならないよう、十分な準備と対策が必要です。

展示会の失敗例と成果が出ない原因

ここからは展示会の失敗例と成果がでない原因について見ていきましょう。

①ブースのデザインが不明確だった

展示会の失敗でよくある原因が、ブースデザインが不明確なことです。デザインに統一感やメッセージ性がなく、一見してどのようなブースなのか、何を伝えたいのかわからない状態では、ブランドイメージや製品・サービスの特徴が伝わらず、ブースに立ち寄ってもらえない可能性が高くなるからです。

また、自社の伝えたいことを絞りきれず、あれもこれも展示してテーマが分散してしまったり、とにかく目立たせようとして派手になりすぎてしまったりする場合も、来場者から敬遠される原因となります。

②スタッフの対応が不足していた

展示会でスタッフの対応が不十分な場合も失敗の原因となります。

スタッフが質問に適切に答えられなかったり、製品・サービスの説明が不十分だったりすると、顧客側としては「企業が自分たちに関心を持っていない」と感じ、不快になります。

たとえば、ある化粧品ブランドの展示会で、スタッフが新製品の特徴や使い方をよく理解していなかったとします。興味を持って質問した顧客に対して、スタッフが曖昧な回答をしたり、他のスタッフを呼んだりすると、顧客はイライラしますし、信用できないと思われるでしょう。

そのような場合、せっかく製品に興味を持っていた顧客も残念ながら去ってしまいます。

③競合他社との比較が不足していた

他社との比較が不足している場合、訪問者は自社の製品やサービスの価値を理解できず、結果として成果が出ないこともあります。

たとえば、同じ業種やジャンルの製品を扱う複数の企業が出展している展示会で、自社ブースに競合製品との比較表や優位性を示す資料がなかったとします。来場者は各社のブースを回って情報を集めますが、自社製品の特徴や強みがわからないと「似たような製品」と認識されてしまい、印象に残りません。価格や性能の違いが一目瞭然でなければ、わざわざ自社製品を選ぶ理由がないのです。

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展示会を成功させるためには

先述した失敗原因をふまえ、ここからは展示会を成功させるための具体的な手段について詳しく見ていきましょう。

①要員計画を立てる

展示会の成功には、スタッフのきめ細やかな対応が必要です。そのためには適切な要員計画が必要になります。

まず、ブースの規模や展示物の内容に応じて必要なスタッフ数を見積もりましょう。スタッフは商品説明だけでなく、来場者とのコミュニケーションを円滑に進める役割も担います。そのため、コミュニケーション能力の高い人材を選ぶことが重要です。

また、スタッフ間で役割分担を明確にしておくことも大切です。たとえば、商品説明、来場者対応、問い合わせ対応など、それぞれの役割を明確にしましょう。適切な要員計画に乗っ取って実施すれば、展示会はよりスムーズに運営され、来場者にとっても快適な体験となるでしょう。

②出展目的やターゲットを明確化する

展示会に出展する際には、目的と目標を明確に設定することが非常に重要です。何を達成したいのか、どのような顧客をターゲットにするのかを明らかにすることで、ブースの設計や展示内容、スタッフの対応などを計画的に行うことができます。

また、数値目標などといった明確な目標があることで、展示会後の振り返りも具体的に行うことができ、次に活かす改善点を見つけやすくなります。目標が不明確だと、評価と検証がしにくく、ただ時間と費用を消費するだけになりかねません。

それぞれの企業にとって展示会は大きな投資です。その投資を無駄にしないためにも、出展目的とターゲットの明確化は必須といえます。

③他社の出展内容を分析し比較する

展示会への出展を考える際、他社の出展内容を分析し比較することは非常に重要です。他社がどのような展示を行っているのか、どのような商品やサービスをアピールしているのかを把握することで、自社の出展計画をより具体的に、そして効果的にたてることができます。

もちろん展示会の当日まで他社がどのような展示をするかはわかりませんが、その会社のホームページや過去の類似の展示会の写真などからおおよその予測は立てられます。他社が顧客の課題に対してどのように向き合っているかを知ることで、自社と他社との違いも明確化できるでしょう。

④事前にSNSなどで積極的に拡散する

展示会の成功には、事前の告知が重要です。特に、SNSを用いた情報拡散は効果的で、コストも抑えられます。

X(旧Twitter®)やInstagram®、Facebook®などのプラットフォームを活用し、出展予定の製品やサービス、ブースの様子などを事前に投稿することで、関心を引き、来場者を増やすことが可能です。

また、ハッシュタグを活用すると、より多くの人々に情報を届けることができます。さらに、SNSを通じて来場者からの質問に対応したり、展示会の詳細情報を共有したりすることで、来場者とのコミュニケーションを図ることもできます。これらの活動は、展示会の成功に大いに寄与するでしょう。

⑤展示会実施後に振り返りと改善をする

展示会が終わったら、その結果をしっかりと振り返り、次回に活かすための改善点を見つけましょう。まずは、目標とした成果が達成できたかの評価が必要です。

そして、来場者の反応、スタッフの対応、ブースのデザインなど、全体的な運営を見直すことが求められます。特に、来場者からのフィードバックは貴重な意見として捉えましょう。

また、他社のブースと自社のブースを比較し、他社がうまくやっていた点、自社が改善すべき点を見つけることも重要です。これらの振り返りを通じて、次回の展示会に向けて改善策を立て、よりよい結果を出すための準備を始めましょう。

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まとめ

展示会は中小企業にとって大きなチャンスであると同時に、注意しなければならないポイントも多いということがお分かりいただけたと思います。

展示会出展のデメリットを最小限に抑えながら、メリットを最大限に活用するには、事前の準備が非常に重要です。可能な限りの下準備をしたうえで展示会に参加し、大きな成果につなげることを目指しましょう。

*polkadot_photo, metamorworks, CrizzyStudio, Chokniti-Studio / shutterstock

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