電子契約が主流になった今こそ押さえておきたい!紙での契約締結時のお悩みまとめ
DXが進む中、契約締結の方法も電子化が加速しています。電子契約によって契約締結までの時間短縮や、印紙税の節約など多くのメリットがあります。
しかし、紙での契約が主流だった企業にとって完全に電子契約へ移行するのは容易ではありません。
そのため、紙と電子契約を併用している企業も多いのが現状です。
本記事では、紙での契約締結時のお悩みをピックアップしました。
電子契約が増えている今、紙での契約処理についてちょっとした疑問を解消しておきませんか。
1.紙での処理を挟んだ場合は電子取引にあたる?
質問日:2023年11月15日
◆1.質問内容(一部抜粋)
(前略)
契約書・注文書・注文請書のやり取りについて
紙に印刷したものへ会社印を押印しスキャンしてPDF化。
そのPDFをメールで取引先へ送信し、紙原本は郵送しない場合
電子取引に当たるのでしょうか。上記のやり方でタイムスタンプ・電子署名の付与をしない場合
取引として法的に問題があるのでしょうか。例えば何か問題が起こった場合に証拠として認められない等・・
◆1.総務の森に寄せられた返信はこちら
●回答①
先方には紙を送っていないならば、電子取引に該当すると思います。
先方とのやり取りが「電子だけ」ということになると思いますので。タイムスタンプ・電子署名については、法的には問題はないと思います。
ある方が真実性は高まりますが・・・それがないから証拠にならないということは多分ないかと。
(弊社がそれをしていないので、大丈夫という願いも込めています。)
●回答②
(前略)
> そのPDFをメールで取引先へ送信し、紙原本は郵送しない場合
> 電子取引に当たるのでしょうか。電子取引にあたると思います。
国税庁の「電子帳簿保存法一問一答 【電子取引関係】」から一部引用—
問2 電子取引とは、どのようなものをいいますか。
回答 具体的には、いわゆるEDI取引、インターネット等による取引、電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む。)
—> 上記のやり方でタイムスタンプ・電子署名の付与をしない場合
> 取引として法的に問題があるのでしょうか。真実性の確保に関する要件として
前述の一問一答から一部引用—
次のいずれかの措置を行う(規8①)
一 タイムスタンプが付された後の授受
二 授受後遅滞なくタイムスタンプを付す
三 データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用
四 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け
—となっていますので、タイムスタンプを付与したり、システムを導入しないのであれば、事務処理規程の備付けが必要かと思います。
弊社はこれで対応しています。> 例えば何か問題が起こった場合に証拠として認められない等・・
電帳法は税に関するものなので、取引先との関係では問題無いかと思いますが、
税務調査の際に証憑として認められない可能性はあるのではないでしょうか。参考リンク:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】 (PDFファイル/469KB)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07index.htm
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『契約の締結の電子化について』
【関連記事】契約締結処理の悩み、つまずく前に確認!
近年電子での契約締結を取り入れる企業が増えてきました。
そうなると、契約締結時の処理について、細かな悩みがでてくるのではないでしょうか。
電子契約や印紙についての悩み、「どうしたらいいの?」と引っかかる前にチェックしておきませんか?
>詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『【企業運営での基本ルール!】契約書にまつわるお悩みまとめ』
2.紙の契約書が破れてしまった!正式な補修方法は?
質問日:2024年4月16日
◆2.質問内容(一部抜粋)
(前略)
お客様と取交わしをした工事請負契約書(紙)があるのですが
当社控えが誤って破れてしまい、真っ二つになってしまいました。
お客様側には既に原本を1部お渡ししてありますので、契約自体は有効なのかと思っていますが、契約書の正式な補修方法か対応方法はありますか?
(後略)
◆2.総務の森に寄せられた返信はこちら
●回答
読めるなら問題ないでしょう。そのまま保管することをお勧めします。
あるいは、相手方からコピーをもらう方法もあります。
契約は有効ですからいずれかの方法で。御社だけ作り直すのは良くないので
再度2通作成する方法もありますが、お勧めしません。
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『 工事請負契約書が破れてしまった』
【関連記事】契約書の中身は問題ない?作成時のポイント!
皆さんの会社では、取引相手と取引を開始するにあたって“契約書”を作っているでしょうか? 中には、「当社は信頼関係で取引しているから、契約書は作らなくても大丈夫だ」という考えで、契約書なしに口頭のみで取引を行っている会社もあるかもしれません。
取引がスムーズな段階では、契約書が存在感を発揮することはあまりないかもしれません。しかし、いざトラブルが起きたときに、契約書がなかったために解決に時間を要したり、会社の損害が拡大したというケースは実のところ少なくないのです。
そこで本記事では、契約書を作るべき理由とともに、契約書を作る際の押さえるべき5つのポイントを解説します。
>詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『 契約書なくして収益なし!弁護士が教える契約書作成の基本事項と5つポイント【契約書の書き方・基礎編】』
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