
会社の備品、契約や経理処理はどうする?備品に関するお悩み
社用パソコンや社用車など、会社にとって必要な備品は多くあります。これらは業務に必要なものであるため、経費として計上することが可能です。しかし中には、備品の補充に関してイレギュラーな事態が発生し、税金の支払いや手続きに頭を悩ませる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、会社の備品に関するお悩みについて取り上げました。これから会社で備品を購入しようとしている方、すでに取り入れたものの管理が曖昧になっている方、ぜひ社内の見直しの参考にしてください。
1. 社員の車を社有車として譲渡する際、経理処理はどうする?
質問日:2024年3月12日
◆1.質問内容(全文)
社員の私有車を会社の社有車として譲渡したいのですが、何を行えば良いのか、
車両購入価格がなくても経理処理上、固定資産に計上するのか、全く分からないので
ご教示お願い致します。
◆1.総務の森に寄せられた返信はこちら
●回答①
(前略)
私ならこうする、って感じなので、確かなところは税務署・税理士さんにご確認ください。・適正価格を逸脱した価額で買い取ると、会社から従業員に対する給与or寄付にとられかねないので、買取価額をいくらにするかが大事になると思います。
・買取金額は、購入年と取得価額を基に減価償却して、帳簿価額を適正価額くらいと考える。
(もしくはどこかの業者に適正価額を見積もってもらう)
・会社側は、買取金額を取得価額として、通常通りに資産計上。10万円未満なら経費計上でいいかと。(中小企業で30万円未満なら特例を使って経費計上でも)
・仮に資産計上する場合、耐用年数は中古資産として計算する。
(後略)
●回答②
(前略)
事業所は個人から購入
個人は事業所へ譲渡
譲渡した社員は譲渡所得になりますので確定申告の必要がある事もあります。
購入する事業所は査定価格の参考にネットでも問題ありませんのでそちらの額で中古車購入。
購入価格にはリサイクル料をどうするか…含めるのか別途払いか…の確認もしましょう。
契約書等の用意があれば尚いいでしょう。
(後略)
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『車両の譲渡について』
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下記記事では、車の名義を個人から法人に変更する場合の実務チェックシートもありますので、ぜひチェックしてください。
>詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『経費で車を購入するには?節税のポイントと注意点を税理士が解説』
2. 社用PCの管理ルールはどうしている?
質問日:2023年12月18日
◆2.質問内容(全文)
みなさんの会社では、PCの耐用年数の管理や修理交換はどのようなルールで管理されていますか?
弊社ではMacbookを社用PCとして従業員に貸与しています。
現状は、「動作が重い」「キーボードが一部剥がれた」「充電できない」など従業員から不具合の申し出が出た際に修理見積を出し、修理するか買い替えるか検討しています。ただ、PCキッティングを実施する情シス担当者が週2日出社する業務委託のため、不具合が起きた時にすぐ代替PCで対応する、などができず少し困っています。例えば購入から2年経過した際、該当PCの使用者に「使い勝手悪くない?必要あれば修理するよ!」というメッセージをアナウンスして余裕を持って修理見積するようなサイクルを作りたいのですが、どのような定義にすることが妥当か困っています。
・2年経過でアナウンスすることが妥当な期間か
・そもそも会社から従業員に対して周知する必要があるのか?
(例えば購入から2年経過したら問答無用で新しいPCを貸与し、古いPCはインターンなど社歴が浅い従業員に貸与する、など)これらは決めの問題かなと思うのですが、何かアイディアなどあればご意見いただけると助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
ーーーーーーー
補足)
・現在40名ほどのベンチャー
・退職メンバーが使用していたPCを2~3台常備
・購入から2〜3年経過したPCがちらほら不具合を起こしている
・PCの固定資産管理はしていない
◆2.総務の森に寄せられた返信はこちら
●回答①
貴社のPCの使用頻度、使用目的、購入時点での性能、現在において過不足ない端末であるのかどうか、等にもよるでしょうね。
> 「キーボードが一部剥がれた」「充電できない」
これは定期メンテナンスでは対応できない部類かと思います(メンテナンスを行っていたら防げると言えないと思います)。
実際に故障したときの対応になるでしょう。> 「動作が重い」
スペックの問題であれば、買換やメモリ増設で対応できるかどうかでしょう。
余計な個人のデータやソフトウエアが原因しているのであれば、業務用PCの私物利用を禁止することで解決することもあります。
原因を確認してになりますが、そもそものスペック不足であれば買換しかないと思います。> 例えば購入から2年経過したら問答無用で新しいPCを貸与し
PCは消耗品ともいえますから、常にバックアップを準備するのかどうかは会社の考え方によると思います。数年経過すれば、当然性能は変わってきますが、定期的に一定数を購入するべきであるのかどうかは、会社の資産と業務における必要性との相談になるかと思います。
> ・PCの固定資産管理はしていない
貸与しているのであれば、誰に何を貸与しているのかは資産状況としても把握し管理できる体制は整えるべきだと思います。
●回答②
(前略)
あくまで弊社での話です。PCは統一しており、リース契約をしています。
予備機もあるため、いざとなれば交換で、設定は同じPCのため、初期化済みでマニュアルがあれば誰でも行うことが可能です。
また、在宅勤務で遠方に住んでいる社員もいるため、翌日には修理してもらえるよう保守をつけています。
PCは利用方法やソフトにもよると思いますが、5年リースで契約しています。
購入より割高になるかもしれません。また、レンタルという方法もあります。
どのような方法が御社に最適かは、それぞれのメリットやデメリットを確認されることをお勧めします。なお、弊社もシステム担当者は業務委託ですが、今は出勤しなくても、遠隔で操作が可能なソフトがあります。電源さえ入れておいてもらえれば、状況を確認してもらうことが可能です。そのため週2日出勤などではなく、メールしておけば、担当者の都合の良いときに見てもらうことが可能です。緊急時のみ電話で連絡します。業務委託の方法も見直しされてもよいかもしれません。最初の不具合等の連絡で一応社内の担当者、業務委託者両方に連絡がいくようにしており、社内の担当者で判断、対応できることは行うようにしています。
少しは参考になるでしょうか。
●回答②
(前略)
自分のメイン業務は経理業務ですが、社内のPC60台ほどを管理しています。弊社はWindowsが9割ですが、一部Macbookを使わせている社員もいます。全て5年リースで、不具合等無ければOSサポート終了までは原則再リースという感じです。なので「PCの耐用年数管理」ということでいくと「リース期間を基準に管理」ということになるでしょうか。
リース期限が来る段階でその機器類の使い勝手や不具合を調査し、入れ替えるのか再リースするのかを検討します。「修理交換」については、会社側から「使い勝手悪くない?必要あれば修理するよ!」と言ってしまうと、弊社の場合、不具合の深刻度に関わらず、申告が多くなることが考えられるのでこちらからは言いません。申告があった場合も致命的な不具合なのか、どのくらい我慢できるのかをヒアリングした上で判断しています。
弊社ではMacbookも再リースをしているぐらいなので2~3年で不具合が多くなってくるというのは、相当な業務量なのでは?と推察します。高スペックなものを購入すれば不具合は少なくなるかもしれませんが、2~3年毎に機器の入れ替えが発生するというのは会社的になかなかの出費になるかと・・・。
レンタルPCもイベント業務などがある際は数週間~数ヶ月で短期契約して使用しているため、「リースではなくて複数年契約のレンタルにしませんか?」とご提案もいただくことがありますが、弊社ではリースにしています。
レンタル品の場合は故障等があった場合にすぐに代替品を送ってもらえ、常に良い状態のものを使用出来る、という印象があります。契約内容によってはシステム担当者を介さなくても、ある程度ルールを決めれば「使用者が故障申告してOK」という事に出来るかもしれません。購入しているのであれば固定資産管理をした方が良いと思いますが、業務量増などの理由でしていないのであれば、レンタルという手もあるのではないでしょうか。
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『貸与PCの交換ルールについて』
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