正しく付与できてる?入社日や契約変更で変わる「有給休暇付与」に関するお悩みまとめ
総務の森でもよく話題に上がる「有給休暇」に関するお悩み。入社日や契約内容によって、付与日数や計算方法が変わることがあり、対応に迷ってしまったり、社員からの質問にうまく答えられないことがあるかもしれません。制度の正しい理解と適切な対応は、社員の満足度や企業の信頼にも関わる重要なポイントです。
本記事では、有給休暇の付与に関するお悩みをピックアップ。ぜひご覧ください。
1. 一斉付与の場合の有休付与日数は?
質問日:2024年9月19日
◆1. 質問内容(全文)
弊社では、採用日から6ヵ月間継続勤務し、所定労働日数の8割以上出勤した従業員について、個別にその到達日に10日の有給休暇を付与しています。勤続6ヶ月が過ぎ、それ以降1年を経過していない者についての取り扱いは、勤続6ヶ月経過後、初めて到来した4月1日までの間、所定労働日数の8割以上出勤した場合に1年6ヵ月経過したとみなして11日を付与する。と就業規則にあります。
この場合、9月1日入社の従業員の最初の有給休暇付与日は3月1日で、次月の4月1日に11日付与するようになるのでしょうか。
よろしくお願いします。
◆1. 総務の森に寄せられた返信はこちら
●回答①
ご記載の例の、2024年9月1日入社の場合は、ご認識の通り、
2025年3月1日に10日、
2025年4月1日に11日の付与となります。なお、8割の出勤率について、短縮した期間については出勤したものとして扱わねばならないので、就業規則への詳細な記載方法にもよりますが、単に所定労働日数の8割以上となっていれば問題となる可能性があります。
●回答②
こんにちは
付与日が一斉付与であればそうなります
本来は来年3月付与が前倒しの4月になるだけです(後略)
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総務の森<相談の広場>『有給休暇付与のタイミングについて』
【関連記事】有給休暇取得ルールを確認!よくある誤解も…
社員をもつ企業であれば、身近な存在である有給休暇。しかし、法改正に伴う対応や、多様な働き方にどう適用するかといった不安もあるのではないでしょうか? 下記記事では、義務化された有給休暇の取得について解説。有給休暇についてよくある誤解や質問についてもまとめました。
>詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『「有給休暇」正しく理解できてる?取得義務の解説&よくある誤解と正解まとめ』
2. 雇用契約を変更。それに伴う有給休暇はどう判断すべき?
質問日:2024年9月20日
◆2. 質問内容(全文)
現在、時給で年間雇用の契約を結んでいる方が大勢おります。10月より雇用契約の内容変更に伴って再契約の準備をしております。
~現在~
就業時間8:00~17:00(休憩1時間 実労働時間8時間)有給休暇残日数10日~再契約の内容~
就業時間8:00~15:00(休憩1時間 実労働時間6時間)再契約後、この方が有給休暇を取得した場合、8時間と6時間のどちらで計算したら良いのでしょうか?会社側で決めて契約書に盛り込めばよいのでしょうか?
もし、6時間で計算するとなると、駆け込みで有給取得する人が増えてしまうような気がして、判断に困っております。
◆2. 総務の森に寄せられた返信はこちら
●回答①
(前略)
有給残の繰越は持ち越しますが契約変更後は通常は変更後時間で計算します
なので変更前が8時間で変更後が6時間であれば6時間計算でしょう
労働時間が変わりますので不労時間に対して給与を支払う事は無いと思います(後略)
●回答②
休暇日賃金の計算は、労基法により就業規則にとりきめてあるはずです。当該労働者に適用のある就業規則を見てください。
「通常働く時間分の賃金」なら、6時間の日は6時間分はらえばすみます。平均賃金(まれに標準報酬月額1/30)なら、都度計算となります。
●回答③
(前略)
貴社の有給休暇の賃金がどのように規定されているのか、によります。
貴社の有給休暇の賃金が平均賃金、とされているのであれば、有給休暇取得した日の平均賃金で支払うことになります。
貴社の有給休暇の賃金がその日所定労働時間を労働した際の賃金、とされているのであれば1日の所定労働時間が6時間の日に有給休暇を取得したのであれば、6時間の労働賃金の支払いになります。> 会社側で決めて契約書に盛り込めばよいのでしょうか?
すでに存続している会社ですから、就業規則等において有給休暇の賃金がどのように規定されているのかを確認して賃金支払は行ってください。
すでに有給休暇の賃金は決まっているはずですから。
>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『契約変更に伴う有給休暇について』
【関連記事】年5日の年次有給休暇指定義務について
日本の年次有給休暇取得率が低い要因の一つとして、仕事の状況や組織風土などによって従業員から有給休暇を申請しづらい状況が挙げられていました。そこで、従業員からの申請がなくとも、会社側から年次有給休暇を与える義務を創設したのが、2019年の労働基準法改正です。
下記記事では企業経営者が知るべき、年5日の年次有給休暇の指定義務の対応について解説します。年次有給休暇についての疑問点を解消しておきましょう。
>詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『違反には刑罰もある!年5日の年次有給休暇の指定義務への対応【弁護士が解説】』
最後に〜相談の広場ご紹介〜
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