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実施および受診におけるよくある質問

違反した場合は罰則も?会社の「定期健康診断」義務とよくある疑問を解説

2022.01.25

初めて従業員の雇用する、あるいは、従業員が増えてきたといった理由で、健康診断の制度を整えたいと考える経営者もいらっしゃると思います。

一人でも従業員を雇用するのであれば、実施が義務づけられる健康診断ですが、実際にはどのような検査項目が必要で、会社の費用負担はどの程度なのでしょうか?

今回は、経営者に向けて、定期健康診断にまつわる義務やよくある質問を紹介します。定期健康診断をスムーズに実施するためのチェックシートもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

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事業主に義務づけられる定期健康診断とは?

定期健康診断は、労働安全衛生規則第44条の規定により、常用労働者1人でも雇用する事業者は、1年以内ごとに1回定期に健康診断を実施することが義務づけられています。

職場における健康診断は、労働者の総合的な健康状態を把握するために行うものです。業界や職種によっては、有害物質などによる健康被害を早期に発見することも目的とされています。

企業としては、労働者の健康状態を把握した上で、その労働者がいま従事している業務に就業してよいか、引き続きその業務に従事して良いかを判断するための重要な判断材料となります。

対象の「常時使用する労働者」とは?

労働安全衛生法上の健康診断は、“常時使用する労働者”に対して、実施しなければならないと定められています。この場合の“常時使用する労働者”とは、1)、2)の両方の要件を満たすものとされています。

1)期間の定めのない契約により1年以上使用されるものであること。なお、期間の定めのある契約により使用される者の場合は、更新により1年以上使用されることが予定されている者、および、更新により1年以上使用されている者

2)1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上であること
※1週間の所定労働時間が2分の1以上である者に対しても実施することが望ましいとされています。

注意点としては、パートやアルバイトのような非正規雇用であっても、無期契約や1年以上の有期契約で、正社員の所定労働時間の4分の3以上であれば、定期健康診断を受けさせる必要があります。

定期健康診断の検査項目は?

労働安全衛生法に基づく定期健康診断の検査項目は、下記の通りになります。

1)既往歴・業務歴
2)自覚症状・他覚症状
3)身長・体重・胸囲・視力・聴覚
4)胸部エックス線・かくたん
5)血圧
6)貧血
7)肝機能
8)血中脂質
9)血糖
10)尿
11)心電図

8)~10)については、医師の判断により省略が可能です。年齢や過去の健診結果や問診票、既往歴などを基に判断します。

健診結果の保管義務とは?

基本的に、健康診断の結果は、個人向けと会社向けの2種類があります。個人向けは当該の従業員に通知します。会社向けはそれを基に、下記で説明する『健診結果個人票』や『結果報告書』を作成します。

健診結果個人票:
健康診断が終わったら、『健診結果個人票』を作成して5年間保管する必要があります。

結果報告書:
労働者数が常時50人以上の事業場は『結果報告書』を所轄の労働基準監督署へ提出することが義務づけられています。健康診断を実施する機関によっては、この『結果報告書』の作成までを健康診断パックとして実施してくれるところがあります。手間を省くことができるので、気になる方は確認してみるとよいでしょう。

各種健康診断結果報告書』は厚生労働省のHPからダウンロードできます。なお、“使用する用紙は白色度80%以上”、“印刷した用紙をコピーしてはいけない”などの決まりがあるので、確認しておきましょう。

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定期健康診断の実施・受診に関するよくある疑問

事業者の義務違反の罰則は?

事業者には健康診断を行う義務があり、義務違反には50万円以下の罰金に処せられます(労働安全衛生法第66条第1~3項、第120条)。事業者は健康診断の実施義務を果たすために、どこまで対応する必要があるのでしょうか?

重要な点は、“健康診断の場と機会を労働者に与えたか”です。健康診断を受けられる場所と機会が事業者から提供されたにもかかわらず、労働者の意思で受診しなかったことが証明される限り、事業者の健康診断実施義務は果たしているといえます。

労働者の義務と違反の罰則は?

一方、労働者の場合はどうでしょうか? 労働安全衛生法第66条第5項では、“労働者は、事業主の行う健康診断を受けなければならない”とあります。健康診断の労働者の受診義務を明確にしていますが、労働者の受診義務については、違反の罰則は設けられていません。

労働者が受診しない場合はどうする?

労働安全衛生法では、労働者に対し、健康診断についての医師選択の自由を認めています。指定した機関での受診ではなく、かかりつけ医などでの受診を労働者が希望する場合は、事業者はそれを受け入れる必要があります。

任意の医師を含め、労働者が一切の健康診断の受診を拒否する場合については、事業者は制裁を課すことも検討の余地があります。労働者が受診命令に従わなかった場合に、制裁を課した処分が有効となった判例があります(2001年4月26日最高裁『愛知県教育委員会事件』)。

費用は誰が負担するのか?

健康診断を実施するのに要する費用については、労働安全衛生法により、事業者に健康診断の実施が義務づけられています。よって、当然に事業者が負担することになります。

ただし、法定外の健康診断項目については、事業主が負担するか、労働者が負担するか任意の取り決めができます。例えば、オプションで労働者が希望した検査項目などについては、事業主が負担する必要はありません。

健康診断の受診は勤務時間になる?

事業主による定期健康診断の実施は、一般的な健康の確保を図ることを目的としています。業務遂行との関連はないので、必ずしも受診時間を勤務時間として取り扱う必要はなく、労使協議によって定めるべきものであるとされています。

しかし、労働者の健康確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件です。これを考慮して、1972年に出された厚生労働省の通達では、受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいとされています。

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協会けんぽの健康診断の特徴と補助金額

中小企業・小規模企業の多くは、協会けんぽに加入する場合が多いでしょう。ここでは、協会けんぽの健康診断について紹介します。協会けんぽの健康診断の特徴は、下記の通りです。

1)協会けんぽから年度内一人1回に限り補助が出る
2)受診できる健診機関が決められている(全国で約5万機関あります)
3)75歳未満の被保険者が対象。75歳以上は、後期高齢者医療となり、地域の健康診断などの受診となる

健康診断の内容別の自己負担費用につては、下記の通りです。

1)一般健診・定期健康診断:自己負担額最高額7,169円
2)子宮頸がん検診(単独):自己負担額最高額1,039円
3)付加健診:自己負担額最高額4,802円
4)肝炎ウイルス検査:自己負担額最高額624円
5)乳がん検診(40歳から74歳までの女性):50歳以上自己負担額最高額1,086円、40歳から48歳まで自己負担額最高額1,686円
6)子宮頸がん検診(追加):自己負担額最高額1,039円

「キャリアアップ助成金」健康診断制度コースとは?

最後に、健康診断制度に関連する助成金制度を紹介しましょう。『キャリアアップ助成金』諸手当制度等共通化コースでは、有期契約社員・パートタイマー等を対象とする“法定外の健康診断制度”を新たに就業規則などで規定することで助成金が支給されます。

前述した“1年以内の期間の定めのある契約により使用”および“1週間の所定労働時間が4分の3未満で2分の1以上”である労働者に対して、定期健康診断などを実施する制度を制定し、延べ4人以上実施することで、1事業所1回のみ下記の金額が支給されます。

※  ( )内は生産要件を満たした場合の金額

まとめ

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今回は、定期健康診断の実施の義務と注意点を紹介しました。健康診断は実施さえすれば、それでよいというわけではありません。

事業者は、労働者の健康管理を的確に把握する必要があります。そして、その結果に基づき、労働者が職業生活を通して、健康な状態で働けるよう環境を整えていきましょう。

【参考】
検診のご案内』 / 全国健康保険協会
キャリアアップ助成金』 / 厚生労働省

*8×10、artswai、tkc-taka / PIXTA(ピクスタ)