• HOME
  • 労働実務事例

労働実務事例

提供:労働新聞社

このエントリーをはてなブックマークに追加

雇用保険の継続給付も受給中だが、賞与受け在職老齢停止?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2009年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 雇用保険の高年齢継続給付を受けながら、働いている再雇用者がいます。年金は、在職老齢年金です。ボーナスを支給する予定はなかったのですが、会社業績が好調なので、1カ月分程度を支給する方向で検討しています。仮に支払ったとしたら、年金にどんな影響が及ぶのでしょうか。

長崎・G社

[ お答え ]

 雇用保険の高年齢継続給付は、高齢者の賃金が60歳到達時と比べ、75%未満にダウンした場合、収入を補填する目的で支給されるものです。
 再雇用者の中には、賃金のほか、高年齢継続給付と在職老齢年金を合わせ、3本立てで生活設計を組み立てる人が少なくありません。
 高年齢継続給付を受ける場合、年金は次の手順で計算されます。
 ① まず、在職老齢年金の仕組みを適用し、一定額の老齢厚生年金が支給停止となります。
 ② さらに、次の式で計算した額が、高年齢継続給付との調整で年金からカットされます。
  ・標準報酬月額がみなし賃金月額(60歳到達時の賃金日額に30を乗じたもの)の61%未満のとき
   標準報酬月額×6/100
  ・標準報酬月額がみなし賃金月額の61%以上75%未満のとき
   標準報酬月額×賃金の低下割合に応じて定められた年金支給停止率
 お尋ねのケースでは、ボーナスが支払われるのですから、本人の総報酬月額相当額(その月の標準報酬月額に過去1年間の標準賞与額の合計を12で除した額)がアップします。在職老齢年金は、年金の基本月額(加給年金額を除いた老齢厚生年金の額を12で除した額)と総報酬月額相当額に応じて決定されます。年金の基本月額が同じでも、総報酬月額相当額が増えれば、支給停止となる老齢厚生年金の額も大きくなります。
 次に高年齢継続給付との調整額ですが、こちらはボーナスが支給されても、「標準報酬月額」に変動はありません。
「みなし賃金月額」も60歳到達時に決まっているので、その後、増減することはありません。
 つまり、ボーナスの有無にかかわらず、調整額は一定です。在職老齢年金そのものの額は減りますが、カットする額はそのまま据え置かれます。在職老齢年金の減額に比例して、調整額も小さくなるわけではありません。
 このため、場合によっては、在職老齢年金(加給年金額を除く本体部分)がゼロになってしまう可能性もあります。
 本体部分がゼロになれば、加給年金額も含め、老齢厚生年金は全額支給停止となります。



労働新聞社について

閲覧数(4,920)

キーワード毎に情報を集約!

絞り込み検索!

現在636事例

カテゴリ

表示順

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP