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労働実務事例

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建設業なら元請けのみ、下請事業主は加入ムリ?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 私は小規模の建設業をやっていますが、私自身も労災事故を起こしかねません。そこで労災保険に特別加入したいのですが、仕事の大半は下請けであるため特別加入をする元になる労災保険関係がありません。このような場合はどのようにすれば特別加入して労災保険の給付を受けることができるようになるのか教えていただけないでしょうか。

千葉・Y生

[ お答え ]

 労災保険法第33条1号の規定によると、厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主で、労働保険事務組合は労働保険料の納付等の処理を委託するものである者は、労災保険に特別加入することができると規定されています。以上の事業主が行う事業に従事する労働者以外の者も、事業主と同じ様に特別加入することができると、同条第2号に規定されています。
 では、厚生労働省令で定める数以下の労働者というときの、建設業について「定める数」は何人かというと、労働保険徴収法施行規則第46条の16に、「常時300人以下の労働者を使用する事業」だとされています。
 それなら、常時使用する労働者の人数が300人以下であれば、その事業の事業主や、事業に従事する家族等は簡単に特別加入できるかといいますと、建設業の場合にはそうはいきません。どうしてかというと、労働保険徴収法第8条第1項に、厚生労働省令で定める事業が数次の請負いによって行われる場合には、この法律の規定の適用については、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみを当該事業の事業主とするという原則規定が設けられているからです。
 建設業は、労働保険徴収法施行規則第7条の規定により、以上の原則規定が適用されることになっています。
 もっとも、原則には例外があって、労働保険徴収法第8条第2項には、その例外規定があります。しかし、その例外規定の適用がなくて元請負人が労災保険の事業主となる場合には、労働保険関係は元請負人だけと成立し、下請負人とは成立しないことになります。
 そうなるとどうなるかというと、「中小事業主の特別加入は、その使用する労動者に関して成立する保険関係を基礎とし」(昭40・11・1基発第1454号以下)と労働基準局長通達にもあるところから、特別加入の基礎となる政府との間の労働保険関係がないことになり特別加入できません。結局、労働者を常時300人以下しか使用していなくても、元請けで労災保険に一括加入している建設業者は、労災保険の特別加入制度の恩恵に浴することができないということです。それでは中小規模の建設業者にとっては「法の平等」ということから問題だということになります。では、実際にはどのように扱われているのでしょうか。
 まず、特別加入について説明している労働基準局長通達からみていくことにしましょう。そこには「数次の請負による建設の事業の下請事業を行う事業主も、特別加入の趣旨から、法第27条(現行=第33条)第1号の「事業主」として取り扱うこととする」(前掲通達)ということです。つまり特別加入の原則どおりで、前述したように労働保険事務組合を通じて労災保険に加入していれば、事業主やその事業に従事している労働者に該当していない家族等は特別加入できるということです。
 では、その場合に、特別加入の基礎となる労働保険関係は一括して加入している元請けの労働保険関係によるのでしょうか。
 しかし、それはできません。そこで、通達をみてみますと、次のように述べています。
「数次の請負による建設の事業の下請事業を行う事業主を法第34条の11第1号の事業主として取り扱う場合(施行通達第2の(1)イの(ハ))は、当該事業主が法第3条の2の規定により有期事業の一括扱いをされる事業についてあらかじめ保険関係が成立している場合に限ることとする」(昭40・11・15基災発第18号)以上の通達で「法第3条の2」とあるのは旧労災保険法第3条の2のことで、現在の労働保険徴収法の規定では、第7条の「有期事業の一括」についての規定です。これは規模の小さい工事を、同一の事業主については労働保険関係を一括して成立させる制度についての規定です。一括扱いのできる要件等については労働保険徴収法施行規則第6条に規定されています。それに該当する有期事業については、一括して労働保険関係が成立しますが、その場合にはそれを利用して中小企業の事業主や、労働者に該当しない事業従事の家族等も労災保険に特別加入できるということです。したがって、有期事業の一括加入の手続はどうしても必要です。



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