労働実務事例
「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。
[ 質問 ]
育児介護休業法の改正で、「パパ・ママ育休プラス」という制度が新設されたと聞きました。「夫婦が交替で育休を取得する」ときは育休期間が延びるという話ですが、夫婦同時に休むとどうなりますか。夫婦2人の休業期間を「通算して1年2カ月まで」と計算するのでしょうか。
秋田・H社
[ お答え ]
父母がともに育児休業を取得する場合の休業可能期間の延長(通称「パパ・ママ育休プラス」)は、改正育児介護休業法第9条の2に規定されています(平成22年6月30日施行)。延長を申し出る要件は「配偶者が子の1歳到達日以前に育児休業をしている場合」で、申し出可能な期間は「1歳2カ月に満たない子を養育するまでの期間」となります。
今回の法改正で、「労使協定による専業主婦(夫)除外規定」は廃止されました。事業主は、配偶者が育児休業中であっても、労働者の育児休業申出を拒むことができなくなったので、夫婦が1人の子を対象に同時に休業を取得するケースも増えると予想されます。「パパ・ママ育休プラス」では、延長の限度が「子が1歳2カ月に達するまで」と定められているので、2人の休業期間の通算が1年2カ月を超えてもそれは関係ありません。
制度普及のためのパンフレットでも、「職場復帰直後の大変な時期に父母が協力して子育てができる」というメリットをPRしています。
ただし、父母それぞれの休業取得期間に制限が付されている点に注意が必要です。パパ・ママ育休プラスを利用する際、「育児休業終了予定日が育児休業開始予定日から起算して育児休業等可能日数(子の出生から1歳到達までの日数)から育児休業等取得日数(産後休業プラス育児休業期間)を差し引いた日数を経過する日より後の日であるときは、当該経過する日を終了予定日とする」と読み替えられます。
母親が出産後、連続して産後休業と育児休業を取得し、両者の合計が1年に達したとします。この場合、母親は休暇延長の対象となりません。子が1歳から1歳2カ月までの期間は、父親のみが休業を申請できます。
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