労働実務事例
「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。
[ 質問 ]
業績不振を理由に、賃金の遅払いが続いています。会社が賃金を払えないとき、国が立替払いしてくれる仕組みがあると聞きました。制度を利用したいという場合、事業主を通さず、従業員が直接申請しても構わないのでしょうか。
岐阜・Y生
[ お答え ]
未払い賃金の立替払いは賃確法(賃金の支払いの確保等に関する法律)第7条に定められています。対象となるのは企業が次の状態に至ったときです。
・破産手続の開始
・特別清算開始
・再生手続開始
・更正手続開始
・事業活動が停止し、再開見込みがなく、賃金支払能力がないと労基署長が認定したとき(中小事業主に限る)
請求できるのは、「破産等の申立てのあった日の6カ月前の日から2年以内にその事業を退職し、未払い賃金のある労働者」です。退職前の労働者は対象になりません。
中小事業の場合、破産等の法的手続が開始していなくても、労基署長の認定を受ければ手続可能です。裁判所等から未払い賃金等についての証明(受けられない場合は労基署長の確認)を受け、労働者健康福祉機構に請求書を提出します。
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