労働実務事例
[ 質問 ]
1年単位変形労働時間制を採る職場で、繁忙期と閑散期で1日の所定労働時間に変動があります。週3日勤務のパート(出勤日はフルタイム勤務)を使用していて、通常は1年契約を結んでいます。今回、たまたま本人の希望で6カ月契約を結びました。パートでも「1年変形制の賃金清算」が必要なのでしょうか。
【大阪・I社】
[ お答え ]
繁忙期には、1日の所定労働時間が9時間になるとしてご説明しましょう。週3日勤務の人は、週の所定労働時間が27時間で、40時間の枠内に収まります。しかし、1日単位では8時間を超えるので、何らかの変形労働時間制を採る必要があります。
繁忙期でも1カ月平均の週所定労働時間が40時間を超えなければ、1カ月変形制で対応できます。職場全体が1年変形制を採っていても、一部の従業員を対象に別の労働時間制を適用して差し支えありません。
たとえば、営業部門は通常の労働時間制、工場の現場は1年変形制という職場もあり得ます。また、「適用対象者が明確であれば、1つの事業場で複数の1年単位の変形制を併用するのも可能」です(平6・5・31基発第330号)。
週3日勤務のパートに対してのみ、1カ月変形制を適用していれば、6カ月終了後も賃金清算の必要はありません。
一方、1年変形制で統一していたとします。この場合、「労働させる期間(お尋ねのケースでは6カ月)が対象期間(1年)より短い」ので、清算規定の適用を受けます(労基法第32条の4の2)。
清算の時点は、「途中退職者は退職時点、途中採用者は対象期間終了時点」です(平11・1・29基発第45号)。
お尋ねの方は途中退職が予定されているので、その時点の実労働時間の累積から、すでに割増賃金を支払った時間と次の計算式により算出した時間を差し引き、余剰が生じた場合、その時間に対応する割増賃金を支払います。
40時間×実労働時間の暦日数÷7日
しかし、週3日勤務(27時間)を基本としていれば、この算式を当てはめても、余剰が出る可能性はまずありません。パートを1年変形制で働かせても、所定労働時間が相当程度短ければ、現実的には清算不要です。
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