労働実務事例
[ 質問 ]
変形労働時間制の勤務割をいったん定めたら、変形期間開始後、勤務割を崩せないといいます。たとえば、8時間勤務の日と10時間勤務の日を任意に入れ替えることはできません。一方、休日の振替は問題ないと聞きました。勤務日の入替えと休日の振替とどこが違うのでしょうか。
【宮城・U社】
[ お答え ]
変形労働時間制を採用する際は、各日・各週の労働時間を具体的に定める必要があります。「使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度は変形労働時間制に該当しない」(昭63・1・1基発第1号)と解されています。
変形労働時間制のメリットは、「特定された週、特定された日において週40時間、1日8時間の枠を超えて働かせることができる」点です(労基法第32条の2、第32条の4)。
特定された日・週とは、「就業規則等によってあらかじめ8時間を超えて働かせることが定められている日または1週間の法定労働時間を超えて労働させることが具体的に定められている週」を指します(昭23・7・15基発第1690号)。
「勤務割を崩せない」とは、変形期間開始後、原則として「特定された日・週」を変更できないという趣旨です。元々の勤務割表で8時間勤務と定めていた日に、10時間勤務を命じること自体は可能です(8時間勤務の日と10時間勤務の日の入替え)。
しかし、その日は「特定された日」ではないので、「法定労働時間を超えて働かせることができる(あらかじめ定められた範囲なら時間外割増不要)」というメリットを享受できなくなります。
休日の振替は、「休日の規定との関係では問題がない」(昭63・3・14基発第181号)とされています。ただし、振替の結果、特定されていない日・週に1日8時間・1週40時間を超えて労働させる場合、超える時間が時間外労働となります。
1日の所定労働時間8時間の日と休日を、同一週内で振り替えても問題は生じません。しかし、1日所定労働時間10時間の日と休日を振り替えれば、特定されていない日(元々の休日)に法定の枠を超えて労働させるので、やはり変形労働時間制のメリットを享受できない結果となります。
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