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通勤災害を健保で治療?被保険者の選択は自由か

「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 従業員が、通勤中にケガをしました。労災保険の申請をするか否かは、従業員の判断にゆだねられていると聞きます。業務上のケガの場合、健保を使えないと聞きますが、通勤災害について「本人の選択に基づき」健保で治療を受けるのは認められますか。

【東京・O社】

[ お答え ]

 健保法では、「労働者またはその被扶養者の業務災害(労災保険法第7条第一項等、一号に規定する業務災害をいう)以外の疾病」等を対象に保険給付を行います(第1条)。ですから、業務上のケガについて、健保の治療等を受けることはできません。
 業務外の事由であっても、「被保険者への給付は、同一の疾病等について、労働者災害補償保険法等に基づく規定によりこれに相当する給付を受けることができる場合には、行わない」という調整規定が設けられています(健保法第55条)。
 労災保険法では「労働者の通勤災害に関する保険給付」を行うと規定しています(第7条第1項第2号)が、保険給付は「労働者に対し、その請求に基づいて行う」ので、労働者が「請求しない」ことを選択することもできます。
 しかし、請求可能なとき(給付を受けることができるとき)は、「本人の選択に基づき」労災への保険請求を行わなくても、健保の調整規定の適用があります。健保の被保険者証を使って、療養の給付(健保法第63条)を受け、一部負担金(同74条)のみで済ませることはできません。
 通勤災害として調整対象となるのは、「当該事故が通勤災害の範囲に該当するものであるほか、被保険者が使用される事業所につき労災保険が適用され又は適用されるべき場合である」と解されています(昭48・12・1保険発第105号)。
 上記でいう「通勤」の範囲は、労災保険法で定義されています(労災保険法第7条第2項)。
 「通勤とは、労働者が就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除く。
① 住居と就業の場所との間の往復(通常の通勤)
② 就業の場所から他の就業の場所への移動(ダブルワーカーの複数事業場間移動)
③ 通常の通勤に先行し、または後続する住居間の移動(単身赴任者の自宅と赴任先住居間の移動)」
 事業所が労災保険に未加入であっても、「適用が行われていない間に発生した通勤災害については、さかのぼって労災保険から給付される」(前掲通達)という扱いとなっています。
 ですから、通勤災害の定義に該当する限りは併給調整の対象になり、健康保険を使って療養の給付等を受けることはできません。



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