労働実務事例
[ 質問 ]
だいぶ前になりますが、国民年金の国庫負担を引き上げるという話がマスコミで取り上げられていました。結局、この問題は決着したのでしょうか。当社では、トライアル雇用で従業員を採用しましたが、中には年金保険料の免除を受けていた人もいるようです。年金の計算は、どのように変わったのでしょうか。
【岩手・S社】
[ お答え ]
国民年金の国庫負担は、以前から本則では2分の1に引き上げられていました(国民年金法第85条)が、経過措置が講じられていました。原則通りの引上げが決まったのは、平成21年6月26日です。
年金保険料の免除を受けた場合、老齢基礎年金の額が減額されます。ただし、未払い・不払いの割合に比例して、ストレートに年金が減るわけではありません。国庫負担に応じて支給される年金部分は、免除期間があっても減額されません。
現在、年金保険料の免除は4段階(全額、4分の3、半額、4分の1)に分かれています。国庫負担の完全引上げ前と引上げ後では、免除割合に応じて支給される年金の割合が異なっています(表)。
免除区分 免除期間分の老齢基礎年金の年金額
4分の1免除※ 納付した月の6分の5(平成21年4月からは8分の7)
半額免除 納付した月の3分の2(平成21年4月からは4分の3)
4分の3免除※ 納付した月の2分の1(平成21年4月からは8分の5)
全額免除 納付した月の3分の1(平成21年4月からは2分の1)
※平成18年7月から
国庫引上げの最終スケジュールが決まらない間は、「別に法律で定める月」から、適用する割合を変更すると定められていました。しかし、平成21年6月の改正決定により、さかのぼって「平成21年4月」を境目として処理することになりました。
雇用保険では、若年者、母子家庭の母、日雇労働者等をトライアル雇用する事業主を助成しています。そうした方たちは、入社以前に厚生年金の加入歴がないだけでなく、国民年金保険料の免除を受けていたケースも少なくありません。今回の改正により、免除期間がある場合の取扱いが明確になりました。
全額免除を受けていた人を例に採ると、平成21年3月までは、1円も保険料を納めなかった月でも3分の1の額の年金が保障されていました。平成21年4月以降の分は、2分の1にアップします。
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